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「ライフジャケット」のことを考える時に大切な視点は「着用すること」だけでなく「準備すること」。

活動を10年以上続けてきて、先日「ライフジャケット」のことを考えるときの大事なポイントに気づきました。それは、タイトルにもあるように「ライフジャケット」は「着用すること」が大切なのはもちろんですが、最も大切な視点は「準備すること」なのではないか?ということ。

「ライフジャケット」を「着用すること」をイメージしてみてください。おそらく、「着用すること」について話をすると、その現場での話になるのではないでしょうか?つまり、イメージされるのは水辺の風景になると思います。

では、その「ライフジャケット」を「準備すること」をイメージしてみてください。おそらく、「準備すること」について話をすると、現場に行くまでの出発前の話になるのではないでしょうか?つまり、イメージされるのは、水辺に行く前のどこか…つまり、水辺ではない場所になると思います。

つまり、「着用すること」は水辺のこと、「準備すること」は水辺に行く前のことになるということです。

水辺に行く時に「ライフジャケット」をどう「準備」するのか?

子どもたちを水辺に連れて行くというのは、どんなシチュエーションが考えられるでしょうか?ちょっと、考えてみました。

・家族で遊びに行く。
・友人家族と一緒に遊びに行く。
・サークルやスポーツ少年団などの行事で遊びに行く。
・子ども会の行事で遊びに行く。
・学校や園の行事で遊びに行く。

他にも、いろんなシチュエーションがあると思いますが、上の5つの例で、それぞれ「ライフジャケット」をどうやって準備するでしょうか?

おそらく、ご自身の子どもさんであれば、ご自身で購入されることをイメージされると思います。だけど、友人の家族や、サークル、スポーツ少年団というふうに、人数が増えてくるとどうでしょう?

ちょっと考えてみてください。

仮に、あなたが20名の子どもを連れていくことになったとします。つまり、20着の「ライフジャケット」が必要だということです。この数の「ライフジャケット」、みなさんなら、どうやって準備をされるでしょうか?

そのために、全員の分を購入する‥‥ということは現実的には難しいことと思います。だとしたら、どこかで借りる‥‥としても、どこで借りれるかイメージできるでしょうか?なかなか難しいことだと思います。

つまり、水辺の現場では「着けさせるべき‥‥」ということだけど、実はその「ライフジャケット」を「準備すること」はとても難しいという現状があるのです。

香川での「ライフジャケットレンタルステーション」の取り組み

こういった現状も踏まえて、香川では、県内の企業さんの協力によって、関係するみなさんで協力して「行政による『ライフジャケットレンタルステーション』の充実」を推進しています。現在の状況は以下のとおりです。

・香川県環境管理課「SATOUMIライフジャケットレンタルステーション」
 貸し出し数:子ども用50着 対象:県内の団体
 https://www.pref.kagawa.lg.jp/kankyokanri/satoumi/lifejacket2.html

・香川県教育委員会「ライフジャケットレンタルステーション」
 貸し出し数:子ども用50着 対象:県内の学校や園、団体
 https://www.pref.kagawa.lg.jp/kenkyoui/hokentaiiku/lifejacket-rental.html

・坂出市生涯学習課「ライフジャケットレンタルステーション」
 貸し出し数:85着 対象:市内の保護者、団体
https://www.city.sakaide.lg.jp/soshiki/syougaigakusyu/lifejacket-rental.html

香川では、他にも、坂出市子育て支援センター「まろっこひろば」さんでの貸し出しや、香川ライフセービングクラブさんによる津田の海水浴場でのレンタルステーション、坂出市倭塾さんでの貸し出し、高松市「子どもたちにライジャケを!」での貸し出しなど、レンタルステーションの充実を図っています。

この取り組みでは、例えば、香川県教育委員会での貸し出しでは、なんと「始まったその日に夏の予約が全て埋まる!」ということが起こりました。これまでは取り組まれていなかった、学校での「ライフジャケット着用体験」も広がりました。水辺での活動をする団体さんからの問い合わせもかなりあるようです。当たり前と言えば、当たり前だけど、「ライフジャケット」がなければ起こり得なかったけれど、「ライフジャケット」があることで活用が広がっているということです。

「準備すること」の充実が「着用すること」を広げる!

香川での取り組みを通して感じているのは、「ライフジャケット」を準備するための選択肢がたくさんになって、みんなが気軽に「準備すること」ができるようになることこそ、「着用すること」をもっともっと広げていくことにつながるのではないか‥‥ということ。

逆に「着用すること」だけを議論していても、「ライフジャケット」を「準備すること」ができない状況だったら‥‥その議論は空論になってしまいます。

事故があると、よく「ライフジャケットを着けさせるべきだった‥‥」ということが議論になります。こういう議論がある時に、ぜひその「ライフジャケット」はどうすれば「準備すること」ができたのか‥‥ということも議論していただきたいのです。

「準備すること」を充実させることは、時間も費用もかかるだろうし、手間もかかるかもしれません。でも、そのことこそが、水辺の子どもたちの命を守ることにつながるのではないか‥‥と今、本気で思っています。


水辺の子どもたちを守る‥‥ってことを目指し、「ライフジャケット」が当たり前になってほしい‥‥と思って、これまでいろんな形で発信をしてきました。長いこと続けてきて、今シーズンになってやっと辿り着いたことを、ちょっとがんばってまとめてみました。

「香川モデル」の「ライフジャケットレンタルステーション」を自分の地域でもやってみたい!など、ご意見・ご感想ありましたら、ぜひ連絡してくださいね。お待ちしております!

思いはただ1つ…子どもたちの命を守ること。

「子どもたちにライジャケを!」
http://www.lifejacket-santa.com/

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