日記 2021/08/19 シナボン

昨日天神方面に寄ったついでに、噂のシナモンロール専門店「シナボン」でシナモンロールを購入した。
僕が購入したのはシナボンクラシックというもので、これはノーマルなシナモンロールだが、他にもチョコがトッピングされたものや、キャラメルがトッピングされたものもある。

シナボンはアメリカのシアトルで誕生した店らしい。

店員さんに「シナボンクラシックをお願いします」と伝えると、「ミニボンではなくてもいいですか?」と聞かれた。何だ、そのミニオンみたいな名前のものはとチラと思いはしたが、確認してみるとシナボンクラシックは450円とかなり強気な値段で、用意されている箱もかなり大きめのものだったから、その実かなりビッグサイズなのだろう。だったらミニボンをクラシックにして、通常サイズをビックボンにすればいいのに、とも思ったが、それはアメリカ発シナモンロールとしての謙虚さ、いや強気の表れなのかもしれない。クラシックを食らうことはできるのか?迷いはしたが、挑戦を受けて立とうと思い、シナボンクラシックをそのまま購入した。受け取った箱はとても温かく、できたてのようだった。

僕は一時アメリカに住んでいた頃、やたらとシナモン味をした何かを食べさせられた。朝からシナモンロールというのは日常茶飯事だったし、友人にガムをもらったと思えばシナモン味で、それが不味くて不味くて。当時はシナモンのどこか美味しいのかさっぱりわからず、シナモン味の何かを食べるたびにそれが苦痛になっていった。

それが、30歳を過ぎたあたりから急にシナモンロールが好きになった。あまり酒を飲まなくなり、毎日珈琲を淹れるようになったことがきっかけとしては大きいと思う。珈琲とシナモンロールは合う。

近所にあるパン屋の名物の1つがシナモンロールで、あらゆるメニューを食べたあとに残ったのがシナモンロールだったのだが、一度購入すると、なるほどそのシナモンロールは美味で、珈琲と一緒に食べるとさらに美味しく、それからというもの、シナモンロールにやみつきになった。

シナボンを食べることはいわば、アメリカにいた頃のシナモンロールへの邂逅であり、大げさに言えば、本当の意味でシナモン嫌いを克服できているかと確かめるための儀式でもあった。

帰宅後、早速シナボンクラシックの箱を開けてみた。

…デカい。

これはやはりビッグボンと名付けるべきではないのか。

翌日の朝食用にと思って買ったのだが、朝だけで食べきれる自信はなく、帰宅時点でもほのかに温かかったから、おやつの時間として半分ほど食べることにした。

食べたシナモンロールの味は、とても懐かしいものであった。近所のパン屋のシナモンロールとは全く違う、アメリカでいつも食べていたあれだ。

珈琲を淹れた。思えば、アメリカにいた当時はそこまで珈琲を飲んでいなかった。意識的にアメリカのシナモンロールを珈琲と一緒に食べるのは初めてのことだ。
いつも食べているものよりも甘さが強いが、珈琲と合うことには変わりなく、一緒に食べるとさらに美味く感じる。また食べたいと思った。僕は本当の意味でシナモンロールを克服できたのかもしれない。

そして翌朝。珈琲を淹れ、シナモンロールを食べた。
気持ち悪くなった。

個人的にではあるけれど、朝食べるには味が濃すぎて重すぎた。昼を迎えてもお腹が空かなかった。ミニボンがどのくらいの大きさかはわからないけれど、朝食としてはミニボンの半分でちょうどいいくらいだと思う。

朝食としてのシナモンロールとしては失敗に終わったが、また食べたいとは思った。シナモンロール克服の日。
今度はチョコ味のミニボンにしよう。

そういえば、シナモンロールとは別に、アメリカに行って苦手になったものに、ホットケーキがある。これも朝からデカめのものを3枚食わされて以来、見るだけで嫌になった。

ホットケーキは未だに食べたいとは思わないが、いつか克服できる日が来るだろうか…。

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