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José James featuring 角野隼斗@Billboard大阪11.28
最初に…今回のレポートは記憶が曖昧でセットリストもMC内容も詳しく分からないため、公演の印象と勝手な想像を書き残します。すみません。。
角野さんの公演…行こうと思えば行けるものがある。
けど全部行くことはさすがに出来ない。
それに今まではビルボードやBlue NoteなどのLiveは無縁だと思っていた。
しかし。
前から1度角野さんの公演にお誘いしていた友人がいて、合う休みが火曜しかないのもチャンスだった。
そして行きたい大きな理由がもう一つ。
ホセさんの歌だ。
ホセさんの事は角野さんから知ったアーティスト。ラジオで初めて耳にしてクラブ系の少しブラックなJazzというイメージ。
何より本場NYにぴったり来そうなスモーキーさとグルーヴ。
私の耳には少し敷居の高いサウンドだったけど何度か角野さんとの共演を映像で見るたびにホセさんの声の温かさを強く印象として持った。
そんな世界的アーティストの歌声を角野さんとの共演でその場で聴けるなんてまたとない機会。
チケットを手にして当日を迎えた。
実は「ビルボード大阪」という会場もこの日誘った友人と昔過ごした場所との繋がりがあって後押しとなり。
開場して1時間過ごした後いよいよステージが始まる。
穏やかな空気のホセさんと角野さんが客席を通ってステージに現れた。
クリスマスをイメージされたのか赤っぽいスーツを身に纏っている。
角野さんは白シャツに黒紺のジャケットとパンツ。
ブルーのライトが煌めいて、グランドピアノが輝いている。
最初の曲は「Christmas in New York」。
ホセさんの温かい優しさが全面に現れた曲。
(「Trouble」を初めて聴いた後検索してこの曲でホセさんに俄然興味が湧いた)
終始温かいトーンでこの曲を歌い上げる。
音源や配信で聴くより更にすっと耳に染み込む柔らかい声。
気になる角野さんのピアノ。
音響も素晴らしくてSteinwayならではと思える、繊細で豊かな響きが角野さんの手によって溢れ出す。
しかしこれぞJazzという音ではなくて。
紛れもない角野さんの音だった。
この音が聴きたくて今日はここに来たんだと私は思った。
歌とピアノに身を任せているとだんだん前ノリになってくる。
JazzというよりR&B。
もうここで楽しくなってる自分がいる。
そしてこの後もたっぷりとクリスマスの曲披露してくださった。
この日のかてぃんさん。
初日の1stステージということもあってか、芯からリラックスという感じではなくて。
それは緊張されているというよりも、神経を張り巡らせていると私は感じた。
にこにこ笑顔で…との、公演を聴きに来られていた皆さんや一緒に来てくれた友人も後でそう言っていたが、残念ながら私は視力がぼやけていて実は余りその印象がない。
それよりもホセさんの歌のタイミングをじっと真剣に見入る角野さんの顔ばかり印象に残っている。
そして歌を完璧にバックアップすべくいつもの奔放さは封印していたと感じた。
そして角野さんのピアノとホセさんの間にずっと緊張の糸があった。
それが物凄く心地よかった。
角野さんのピアノ、とても音の数が多くて華やかなのに、凛としたクリアさがある感じ。
ホセさんの歌声と濁らない、隙間はないけど抜け感がある引き算がされているような。。
安定して響く中音から低音の途切れない落ち着いたピアノがとても癒やされる。
インプロでも、一線からは決して出ない感じ。。
以前Blue Noteで見た、No Name Horsesの中川さんに仕掛けたような大胆さではその日はなく、あくまでもヴォーカリストホセさんの空気を壊さないように、でも、真摯に毎回バラエティに富んだ即興を聴かせて下さる。
そして時折魅せるかてぃんさんらしいチャーミングさ。(因みにこの時の私の印象も余裕というより真摯にピアノに向かい合ってる角野さん)
グリッサンドも…歌の間はホセさんの声に聴き入っていたのではっきりと覚えていないが配信Liveで聴くときよりは圧倒的に少なかったと思う。
それだけ音を作り込んできたのではと私は感じた。
面白いのはホセさんはホセさんで
「もっと来ていいよ」と言わんばかりに角野さんに主導権を渡すのだ。
ピアノソロが長く弾かれそろそろ歌に…みたいな空気になってもホセさんは歌い出さない。何なら目を閉じて聴いている。
「えっまだ僕のターン?」みたいなそんな一時もあって、観客席の皆さんも頬が緩む。
ホセさんの愛ある角野さんへの無茶振りがとても微笑ましかった。
最高に感動した瞬間はふたつ。
ホセさんがバラード曲をゆったりと歌ってくださった時にハッとするような心地よいグルーヴがあって。
アップテンポな曲の音がうねって生み出すのがグルーヴだとそれまで信じていたけれど、ホセさんの歌はバラードにすらそれがあってこれがもう本当にため息物だった。
決してはっきりとした拍子を取る類のものではなくて。
その声の流れに身体を乗せて揺れたくなる感じ。
ステージの空間にグルーヴの糸が漂ってるのが見えると思えたくらいだった。
そしてめちゃくちゃ心地よかったのがスペシャルゲストTAALIさん(ホセさんの奥様で作曲家でもある素敵なパートナー)とホセさんのデュエットの時の角野さんのピアノ。
お二人の素晴らしい会話のような歌の掛け合いを邪魔しないようにそっと奏でるのだけど。
このステージでは1番リラックスされていて、ピアノの優しい音の部分が最大限に発揮されていたような、それでいてちゃんと耳にそれが聴こえてくるような、何とも言えない絶妙さだった。
それがより幸せ感溢れるステージに華を添えていた。
そして全編を通して凄すぎて呆気にとられるのは、聴いてる方はどこに居るか分からないインプロも、ホセさんと角野さんの息が合っていて何の不安もなくスッと歌に入ること。
前記のようにあちこちには行ってはないんだけど、プロじゃないと入りを見失うような、でもだからこそ目立ち過ぎない、歌の前にはほぼ出ない、ホセさんの世界観を全面に引き立てる角野さんだった。
前半だったか角野さんは違う曲に「そりすべり?」を入れてみたり。(記憶薄いですすみません)
ホセさんは「Body and Soul」の時に「ジングルべル」が入ったり。
楽しい遊び心も忘れてなくて。
歌とピアノだけで空間を満たして下さり物足りなさなんて全然ない。
そしてほぼ全編英語でMCを交えながら数々の曲を披露して大ボリュームの1時間だった。
更に。
一旦ステージを去ってからアンコールに応えてくださり披露して下さったのは「Trouble」
曲紹介で既にテンションが上がる客席だったけど、曲が始まるとこれがまた最高にぶち上がった。
入りからホセさん自ら手拍子を誘導し、更には角野さんまでピアノを引く合間に手拍子で客席を牽引する。
(初めて見て驚いたけど、これなら手拍子していいんだって私もはっきり分かる笑)
一緒に来てくれた友人もこの曲は予習済みだった為「最後に来たね!」と目を輝かせてくれた。
途中ホセさんがめちゃくちゃカッコよくテンポを揺らす。角野さん勿論ついていく。
そしてピアノと歌声だけなのに鮮やかに華やかにビートもガンガン感じて、楽しいと感動が合わさって気分は最高潮だった。
後ろの方の席だけどノリノリで踊っていた。
ステージと観客席との一体感で幕を閉じ、
「My Bro.Hayato Sumino!!!」
「José James!!!」とお互いの名前のCALLとおふたりの素敵なハグがあって大盛況でステージは終わった。
ステージが終わった直後はとにかくホセさんの素晴らしい歌声の感動が残っていた。
配信で聴いた時とは違う、帰ってから音源で聴いてみても全然違う、ホセさんの曇りのない美しく流れる歌声。ビートをゆったりと操る包容力のある音楽。。
今回のビルボードのLiveの謳い文句に「ふたりの化学反応」とある。
角野さんの演奏はホセさんの歌にはとても寄り添っていたけれど、音はあくまでも角野さんの音だった。
だからこそホセさんのジャンルを越えた歌の深い所がとても魅力的に発揮されていたのではと思う。
(ひょんな事から角野さんが音の分析が人一倍…いや何百倍得意なことを思い出した。声についても角野さんはきっと人より深く的確に分析出来ると思う。そしてそれをピアノで引き出してしまうのではと思っている。)
そしてここはとても個人的な印象なのだけどホセさんに最大限に寄り添っているようでいて、実は角野さんが差し出す世界にホセさんを反応させたと感じたこと。
角野さんがずっとずっと聴いてきて、ホセさんの音楽や歌声に対する深いリスペクトと相手の音楽を信じる、そしてホセさんも世界的なSingerだからこそその世界を深く大きく受け止め、歌声として響かせてくださり、この日私達が体験出来た素晴らしい「化学反応」なのではと私は思っている。
ホセさんが角野さんを「genius!」と仰っておられるのはここも含まれているのではと。
その事をSNSで残した。
穏やかな中の緊張感とそれを包み込むようなハートフルなホセさんの世界観
— yukio.t (@yukiot07424055) November 30, 2023
角野さんの真摯なピアノのお陰でホセさんの歌声の音ではない部分まで素晴らしいと感じる事が出来ました
ジャンルを越えた美しさでした
ありがとうございました✨#角野隼斗#JoséJames https://t.co/3fCqRZekYi
人気と共に更に忙しさの増す角野さん…
目まぐるしくシーンが変わるステージで、その時その時のお客様を感動させる事、その為には割り当てられた恐らく僅かな時間の中で最大限のものを準備しておられるのだとこの日のステージを通して私は改めて感じた。
そしてその中でも「掴み始めた」と最近のインタビューでも語って下さった角野さん自身の音楽の、自由で繊細で確かな音楽の軸足は確実にその地に置かれていることを感じてとても頼もしかったこの日のLiveだった。
最後にこの心温まるステージを届けてくださったお二人へメッセージを送りたい。
For José James and Hayato Sumino
Thank you for letting me experience the love, kindness, and beauty that is here through your music!!