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挑戦をしない子どもはプライドが高いの⁈ ~ほめ方・内的動機づけ~

 療育の仕事をしていた時、4歳の男の子のお母さんに相談されたことがあります。
「うちの子最近何も挑戦しようとしないんです。少し前まではお箸も頑張って使おうとしていたのに最近は嫌がり、失敗しそうなことはやらないし、プライドが高いのでしょうか。。」と。

子どもと言えどプライドの高い低いはあるかもしれませんが、その子には早すぎる事をさせているのかな…と思いながらも、もう少し見守りましょうということになりました。
そして、その親子が帰り支度をする様子を見ていました。するとそのお母さんは、男の子が自分でジャンパーのチャックを閉めるのを見て「すごいね!上手だね!」と声をかけています。
穏やかですごく素敵なお母さんなんですけど、、

私は、ちょっと褒め方のクセかなと思いました。
子どもはお母さんに褒められると嬉しくて、また褒められる行動をしようとします。「すごいね!」と言われると、またすごい状態を作ろうと思うのですけど、すごいという言葉はあまりにも曖昧で、どうすればすごいになるのかわからない。そして、すごいじゃない状態を避けるため挑戦しないを選ぶこともあり得ます。
「上手だね!」もです。上手な状態ってどんな状態でしょうか?

これは子どもが絵を描く時によく私が思うことです。
真っ白な紙に自由に絵を描く時、楽しそうにスラスラ描く子、戸惑った様子でなかなか描き始めない子、途中まで描いてたけど勢い任せに塗りつぶす子などが、一定の年齢を超えると見られます。
ある年齢域まではそれぞれ楽しそうに描いていたはずが、です。
人の顔であったり、アンパンマンであったり、大人から見てそれが何か識別できるものを子どもが描けるようになると、周りの大人は「すごい!」「上手!」と言う傾向があるように感じます。

上手く描いたら褒められる。でも上手いがわからない。描き始められない。描き始めても嫌になって塗りつぶす。

どうしても褒めたいなら(楽しんで描いているなら褒める必要もないと思いますが)、具体的に褒めるのが良いのではないでしょうか。
「きれいな色だね」「色んな形があって楽しくなるね」などなど。

お箸の挑戦から話が少しズレましたが、子どもが何か取り組んだ時は、結果はどうであれ「頑張ったね」で十分だと思います。
たまたま出来た時に「スゴイ!」「上手!」を浴びせることは、その子どもにもよりますが、かえってプレッシャーになることも。

ここまでは私の考えなのですが、大学の授業でも「やる気(動機づけ)」について沢山学びました。
他者に褒められるなどのためにやる気を出すのは、外的動機づけ
自分の達成感や喜びなどのためにやる気を出すのは、内的動機づけ
どっちが良い悪いではありませんが、長期的にやる気を持続できるのは内的動機づけです。
最初は「頑張ったね」と褒めることで外的に動機づけられていても、頑張った先に達成感を感じられる経験を積めば内的動機づけにつながる。

未来は挑戦だらけの子どもたち。
長期的にやる気を持っていけるよう見守っていきたいですね。


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