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💡オーストラリアの先住民族について
きっかけ
オーストラリアに来る前から、「アボリジニ」という先住民族がいることは聞いたことがありましたが、どんな人たちでどんな歴史を持っているのかなど深く考えたことはありませんでした。
渡豪後、機内アナウンスで聞いたり、彼らの国旗を見かけたり、英語っぽくないなという地名(偏見かも)があったり。住んでいるからには基礎知識として知っておいたほうがよいかと思い、少し調べてみることにしました。素人調べなので間違っていたらごめんなさい。
なお、「アボリジニ」という単語には差別的な響きがあると感じる人がいるらしいので、今後はアボリジナルピープルと呼ばせていただきます。
ざっくり歴史
アボリジナルピープルは、6万年ほど前(諸説あり)からオーストラリア大陸で暮らしてきた人たちで、独自の文化や言語、風習を持っていました。大陸に元々存在した動植物や地理的条件から、農耕や牧畜は盛んではなく、狩猟・採集の文化であったようです。
1600年代初頭にヨーロッパの探検家がオーストラリア大陸を発見(1500年代という説もあるみたい)。その後、1770年にイギリス人のキャプテン・クックが東海岸を探検し地図に追加しました。1788年1月26日にイギリスの船が現在のシドニーにあるポートジャクソンに到着し、入植を開始します。1月26日は現在オーストラリア・デーと呼ばれる、数少ない祝日のひとつです。
当時、イギリスでは産業革命により人口が都市部に集中、労働者や失業者による犯罪が多発しており、刑務所は常に満杯状態でした。アメリカを流刑地としていましたが、1776年7月4日の独立宣言を受け、新たな流刑地としての植民地を探しており、オーストラリア大陸に目がつけられたというわけです。
アボリジナルピープルはどんどん土地を奪われ、抵抗すれば虐殺されるというひどい状況に追い込まれていきます。スポーツハンティングとして「アボリジニ狩り」を行ったという、意味のわからないことがまかりとおっていたようです。また、西洋人が持ち込んだ天然痘などの伝染病の流行によってもアボリジナルピープルの人口は激減しました。彼らはそれまで他国から隔絶されていたため、免疫を持っていなかったためです。
1901年1月1日にオーストラリア連邦が成立しました。しかしながら、その憲法上ではアボリジナルピープルの権利は認められておらず、白豪主義を唱え、同化政策を進めました。アボリジナルピープルを保護・管理するといいながら、実際は彼らの言語や文化を奪い、白人と同化させたかったようです。なかでも特にひどいとされているのが、アボリジナルの子どもたちを親から強制的に隔離し、白人の家庭等で養育するという施策です。白人の「進んだ文化」のなかで育てられるべきという考えと建前上はされていましたが、実際はアボリジナルの文化や存在を消滅させるためだったみたいです(いずれにせよ意味わからない)。親から隔離された子どもたちは「盗まれた世代」と呼ばれています。
アボリジナルピープルの市民権が認められたのは1967年で、前回の東京オリンピック(1964年)よりも後のことです。無知で恥ずかしいのですが、最近過ぎてとても驚きました。
思ったこと
現在は白人と平等な市民として扱われていますが、まだまだ問題はあるようです。生活を保証するための給付金をもらえるのですが、それを酒代に変えてしまいアルコール中毒になったり。白人と同化するのを恐れ教育を受けたくないとしたために、まともな仕事につけなかったり。ここらへんになると本当のことなのか確証がないのですが、なかなか難しいなと思いました。
あくまでネット上で調べた限りの情報ですが、悲しめばいいのか怒ればいいのか、でも当事者でもないのにわかったふりするなと言われるのか、ちょっと感情が迷子になりました。とりあえずひどい。なんでこんなことできたんだろう。アジア人として、日本人として、あーバカにされてるなと思ったことはありましたが、レベルが違いすぎて共感するのも失礼な気がしてきました。
今年エアーズロック(ウルル)に行く予定があるので、それまでにもう少し勉強したいです。いつか直接お話しを聞く機会があればいいなとも思います。