「大野川の暮らし魅力再発見!」ぶどう葉寿司をつくろう 参加レポート
6/27(木)に大野川小中学校で乗鞍高原の郷土料理『ぶどう葉寿司』をつくるイベントが開催されました。当日の様子をレポートします。
イベントの概要
今回のイベントは、のりくら高原ミライズ構想協議会の移住推進プロジェクトチームが主催。地元の魅力を大人も子どもも一緒に再発見してほしいとの趣旨で企画された、全5回のイベントのうちの第1回目です。
今回は地元の郷土料理『ぶどう葉寿司』をつくろうと、のりくら高原に移住した住民や、中学生8人、小学生2人、学校の教職員、合わせて20人程が大野川小中学校の調理室に集まりました。
講師は、乗鞍うまいもの工房のおかみさん3人。うまいもの工房と言えば、旅館やペンション、民宿のおかみさん達が集まって、地元食材をふんだんに使った美味しいおやきやお弁当を提供したり、昨年観光センターにオープンして観光客にも人気の「おかみさん食堂」を切り盛りする、のりくらの食を担うレジェンド集団です。
そんなレジェンドおかみ3人から、てきぱきと手際よく作り方を伝授いただき、参加者一同でぶどう葉寿司づくりを楽しみました。
ぶどう葉寿司って?
ご存知ない方のために、「ぶどう葉寿司」とは?というところをご説明すると、酢〆した塩マスを酢飯に挟み、やまぶどうの葉でくるんだ香りのいいお寿司のこと。ぶどうの葉が生い茂る初夏のこの時季ならではの、のりくら高原の郷土料理です。
高原内の宿泊施設や飲食店では、期間限定で提供されることもあり、地元では家庭料理として昔から親しまれています。
(とはいえ、その材料調達や下ごしらえにひるみ、筆者〈移住9年目〉は、この土地に来てからまだ数えるほどしか作ったことがありません。苦笑)
ぶどう葉寿司をみんなで作ってみた
今回は、おかみさん達がこの日のために近所からたくさんの山ぶどうの葉を集めて準備してくださっていました。葉っぱのなかには、子ども達の顔のサイズよりもだいぶ大きい立派なものも。また酢飯に挟む塩マスは、まるごと一尾をさばいて半日ほど酢〆して予め準備いただいてありました。
おかみさんの手ほどきのもと、炊き立てのごはんを両掌に広げたぶどうの葉の上に乗せ、塩鱒を挟んでから、「おいしくなあれ、おいしくなあれ、おいしくなあれ」と念じながら、二つ折りに葉でくるんで炊飯器へ……。参加者皆で次々とぶどう葉寿司をつくっていきました。
ぶどう葉寿司をみんなで食べてみた
炊飯器での蒸らしを終え、ぶどうの葉が茶色くなってきた頃に取り出すと、ほんのりいい香りが漂ってきました。いよいよ、デザートにつくった朴葉巻きと一緒にお皿に並べ、参加者皆で郷土の味を堪能する時間に。
山ぶどうの葉を開いてパクリとお寿司を口に運んでみると、なんと風味豊かなことでしょうか!山ぶどうのフルーティーでさわやかな香りが塩マスと酢飯と共に、絶妙なハーモニーを奏で、口に広がりました。
地元の中学生からは、「何度も食べてはいたけれど、作り方は知らなかった!」、「ぶどうの葉のにおいとマスの味が美味しい!」という声が聞こえ、初めてぶどう葉寿司をつくったという小学生も「全部楽しかった!」と満喫した様子でした。
私自身も、何度か見様見真似でつくったことがあったものの、こうして地元の人から直接教わったことはなかったので、本物をつくれるとても貴重な機会でした。
イベントを終えて
イベントを通して、山ぶどうの葉とお寿司をコラボすることを思いついた先人のセンスに「絶妙すぎです!」と改めて脱帽するとともに、地元にある身近な植物をつかって、初夏ののりくらを香りごと味わえる食をつくることができる、その滋味深い豊かさを改めて感じることができました。
また、各家々で作り続け、こうして新しい人たちに伝えてくれるおかみさん達のような存在にも感謝の思いがふつふつと……。この味をまた、来年も再来年も、我が子と共に楽しみ、誰かにも振舞ってみたいなぁ。忘れないうちに、この初夏の間にまた作ってみたいと思います!
「大野川の暮らし魅力再発見!」のイベントは、この後も続きます。次回の第2回は「一の瀬に生息する動植物を探そう」というガイドウォーク。第2回、第5回は地域外の方も参加できます。今後のイベントも楽しみです!(紋)