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のりくら 移住者インタビュー#03
山本拓郎(やまもとたくろう)さん 青森県出身
牧野まり(まきのまり)さん 愛知県出身
「自然豊かな場所で暮らしたい」、「地方で新たなチャレンジをしてみたい」、「自分に合ったライフスタイルを探したい」など様々な理由から、住み慣れた土地を離れて地方への移住を希望する若者がここ数年で全国的に増えています。そんななか、乗鞍高原でも最近移住をした20~30代の方々が、様々な力を発揮されています。今回お話を聞いた山本拓郎さんと牧野茉莉さんものりくらに移り住んだ20代。二人のストーリーを追いました。
直感に従って のりくらへ試しに来てみた
青森県出身の拓郎さんと愛知県出身の茉莉さんは、のりくらで勤め始めたRaicho.incで出会いました。会社の寮に住んだのちに、より自分たちらしい暮らしをと、現在シェアハウスのすもも荘で一緒に暮らしています。
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拓郎さん「もともと自然が好きだったんですけど、より自然に近いところで暮らしたいなと思っていた時に、偶然SNSを通じて今勤めている温泉の宿 Raichoを知りました。その後、冬に1週間泊まりに来たことがきっかけでこの場所に惚れ込み、移住を決めました。」
冬ののりくらといえば、雪にすっぽりと包まれた白銀の世界。拓郎さんは、初めて訪れた際に、その静けさに強い印象を持ちました。
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拓郎さん「ここへ来る前は東京に住んでいて、喧騒があるのが当たり前だったんですけど、バスを降り、初めてこの地に立った時に、本当に『自然の音しかしないな』と。それが自分にとっては心地いいなと感じました。」
滞在を通して「あ、なんかこの場所は自分に合っているかも」という思いをもち、その1ヶ月後には移住を決めて引っ越したという瞬発力抜群の拓郎さん。移住に関しては、気負いなどはまるでなく、軽い気持ちで決めたといいます。
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拓郎さん「自分の直感に従って来た感じです。ただ、住んでみて分かることもあるかなと思って。合わなかったらまた別の場所でも生きていけるかなと、試しに来てみました。」
その後、実際にのりくらに住んでみて、「自分には合ってるな」という思いを強め、4年目ののりくら暮らしを満喫中です。現在、仕事ではRaicho.incが経営する温泉の宿 Raichoのマネージャーを務めつつ、その傍らで写真の腕前を活かし、カメラマンの仕事もしています。
自分のやりたいように生きてみようと のりくらへ
一方の茉莉さんは、移住前は愛知県で保育士の仕事をしていました。両親の影響で、小学生の頃からキャンプやスキー、登山などをしに度々長野県を訪れていたことから、「長野県=私のリフレッシュできる場所」として記憶に刻まれていたといいます。
茉莉さん「母親が私と同じ20代の時にのりくら高原でアルバイトをしていました。それもあって、ここはすごくいい場所と聞いていたし、定期的に上高地やのりくら高原には来ていて、お気に入りの場所でもありました。」
のりくらは観光地のイメージが強く、もともと移住するつもりもなかった茉莉さん。移り住むきっかけとなったのは、のりくらへ遊びに来た時にふらっと入ったGiFT NORiKURA(以下GiFT)の存在でした。GiFTは2020年にオープンしたジェラート&カフェで、「地産地消」などのテーマを掲げ、サステナブルな暮らしの在り方を発信する地域のアンテナショップです。
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茉莉さん「新しく、かわいいおしゃれなカフェができたんだなと。調べていくと、(GiFTを経営する)Raichoにつながりました。元々は保育士として働いていたものの、『自然保育がしてみたい』、『カフェでも働きたい』、『違うコミュニティに入って人生の幅を広げたい』ってちょうど思っていた時期でもあった。保育士はいつでもできると思い、一旦は保育士から離れて自分のやりたいように生きてみようと。それを考えた時にのりくら高原かなって思いました。」
そんな茉莉さんは移り住んでからGiFTでの経験を積み、バリスタの資格も取得。今年はイタリアでのジェラート留学もしました。また現在はGiFTの店長を務めながら、「乗鞍保育園」や「のりくら自然保育 木のこ」のサポートに入るなど、地域の子どもたちとも多くの関わりを持っています。
自然との距離の近さ 地域の人との関わり
試しに移り住んでみたところ、気に入ってのりくらに住み続けている拓郎さんと茉莉さん。二人にとって、暮らしの場としてののりくらの魅力はどんなところにあるのでしょうか。
拓郎さん「自然との距離の近さですかね。例えば、すぐに滝や池に行けるハイキングコースが広がっているので、朝起きて思い立った時に『じゃあ今日は何しよう』みたいな感じで遊びに行ける。自分はこっちに来てから登山を始めたんですが、休みの日も、すぐに北アルプスに登りに行けるのも最高だなと。」
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茉莉さん「魅力……私は地域との関わりかな。すもも荘に住み始めてから、地域の方と触れあう機会がすごく増えた。ここで過ごしたり暮らしている子どもたちや、その周りにいる大人と関われたことで、自然の中にいると、生活が豊かになるなと思いました。特にのりくらの子どもたちのもっている力って特別だなと。そこに魅力を感じて定住したいと思いました。」
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子どもとの関わりの中で特に印象的な場面はと聞くと、庭での子どもたちとの火起こし対決や川釣り指南のエピソードを教えてくれました。すもも荘の周りでは、子どもたちとの様々な関わりが日々繰り広げられ、彼らの面白いアイデアや自然の近くに住んでいるからこその豊かな知識に触れる機会が度々あるのだそう。二人は、そんな時間を楽しみつつ、この先の暮らしのイメージも膨らませているようです。
自然と向き合い、自然に合わせて過ごすこと
地域の自然や人との関わりを深めている様子の二人が今、改めて暮らしのなかで大事に思うこととは……?
茉莉さん「生活の中で自然と向き合う時間をつくることかな。のりくらでは、ふとした夜とか明け方に静けさを感じられ、静けさの中に聴こえてくる虫の音とか鳥の声を感じられるのも心地がいい。家の中にいるだけでも通り抜ける風がすごく気持ちがいいし、周りの緑もきれい。それだけで心が安らぐし癒やされます。」
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身の周りの自然からもたらされる安心感と共に、暮らしのなかで自然を感じる時間を大切に思う茉莉さん。そばにいる拓郎さんもまた、自然との時間を大事にしていています。
拓郎さん「こういう自然に囲まれた場所だからこそ、自分のペースを大事にして生活したいなという思いがあるなかで、『明日は日の出を見に行こう』、『今日は夕焼けを一の瀬草原から見るのがきれいそうだな』という風に、日々移り変わる自然を味わったり、一日の中でも自然に合わせて自分の行動ややりたいことが変わっていくのがいいなと思って。都会にいる時は、自分のスケジュールに合わせて動いていくのが普通だったけれど、ここに来てから自然に身を任せて、自然の時間に合わせて過ごすようになった。意識してというよりは自然とそういう風になっていった気がする。でも振り返ると、そういうのって大事だなと思います。」
茉莉さん「うん、それだ!(笑)」
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日々、身の周りの自然に癒され、心満たされている様子の二人。この先にどんな暮らしを叶えたいと思っているのでしょうか。
大好きな場所だからこそ 広めたい
拓郎さん「やりたいと思っていた暮らしは今、割とできているなと思っている。これからも自分のペースを保ちながら、ここでの暮らしを引き続き楽しんでいきたいなと。一方でのりくらの事を知らない人はまだ多いと思うので、本当にいい場所だからこそ、より多くの人に知ってほしいし、関わる人がより増えていってくれたらいいなと思います。」
茉莉さん「 今後、自分たちのしたい暮らしをさらに広げていけるように、(地元の愛知県などで必死に働いている)友達などを気軽に呼べる場所をつくりたい。のりくらをもっと知ってもらい、好きになってもらったり、住みたいなって思ってもらえるように。自分たちの場所が大好きだからこそ、知り合いを気軽に招待して、のりくらを案内していきたいです。」
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最後に、現在移住を検討している、またはこれから移住を考える方へのメッセージをお願いしました。
拓郎さん「気になる場所があるんだったら、そんなに深く考えずにその場所に訪れて、現地の人に会ったり空気に触れてみるっていうのは大事かなと。のりくらも、来ないと分からない良さが特にある場所なので、2.3泊して実際に体験してみるのがいいと思います。」
拓郎さんと茉莉さんは、自然を感じる時間と、自然のペースに合わせる暮らしを心底楽しんでいる様子でした。心地よい風にたなびく草花のように、柔らかくしなやかに暮らす二人に触れて、自然に囲まれた暮らしのなかで自分たちが満たされてリラックスした心地でいるからこそ、周りにも自然とその心地よさを広げていけるということを改めて教えてもらった気がします。
拓郎さんと茉莉さんがのりくら高原で笑顔になる瞬間は?
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拓郎さん「温泉が大好き。乗鞍の温泉が本当にいいお湯で、毎日温泉に入るのが楽しみ。どんなに一日仕事や山歩きして疲れても、温泉に入ったらリフレッシュできて一日を終えられるのが最高です。」
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茉莉さん「私は星空、月、自然物、季節ごとに生えている植物、さしこんだ光。全部きれいなので、そういうものを見つけると嬉しくなります。いつ見ても飽きないです。」
■ Raicho.inc
https://raichoinc.jp/
■ 温泉の宿 雷鳥
https://ghraicho.com/
■ 乗鞍すもも荘
https://sumomonorikura.com/
■ のりくら自然保育 木のこ
https://kinoko-norikura.com/
取材日:2024年7月26日
写真:サムネイル-セツ・マカリスター/その他は山本拓郎さん