19歳 シンガポール一人旅 part1
18の冬、専門学校1年目で中退を決断し、そのまま社会人とはなにかなど、節目など意識する間もなくフルタイムで働きはじめた。
社会人になって初の一人旅はシンガポールだった。
当時、今も大好きなチームラボの猪子さんのアナザースカイを見て強烈に行きたくなって、行った。
そのアナザースカイは、今まで100回以上再生したかもしれない笑、神回だった。
猪子さん曰く、今めちゃくちゃ熱い国であり、未来都市、未来国家であり、ショックを受けた場所、ということで、行くしかないと思い決めた。
期間は2週間。
長い。
1年前に行った初海外のカンボジアも2週間で長いと感じたにも関わらず、私は懲りずにこの期間、シンガポールを知り尽くすと決めた。
長期間居ないと、その土地を深く感じれないという自分なりのポリシーが当時はあった。
宿はチャイナタウンにあるゲストハウスでドミトリーの部屋。
スタッフの方は中華系の方で、とても親切だったのを覚えている。英語がさっぱりの私に、ゆっくり笑顔で色々と案内してくれた。
毎朝、簡単な朝食がついていて、そのコーヒーがとても美味しかったのを覚えている。
シンガポールでは、あのゲーム空間のような植物園「ガーデンバイザベイ」をはじめ、見るべきものを見尽くした。
植物園の夜は決まった時間になると、デジタルのショーをやっていて、滞在中、何度訪れたか分からない。
そのくらい私はその空間が好きだった。
熱帯の夜、芝生に寝転んだりして、もくもくとここにあるこの空間と自分の未来をみつめていた。
その年は、シンガポール創設50年の年だった。
何もない空っぽのところから急速に発展してきたこの地。
国境はただの決め事のように思えた。
マレーシアから泣く泣く独立した当時、何一つない、まっさらだったこの地は、絶望と自由にあふれていた。
未来は創造できるとを証明している地。
自由度のレベルが飛び抜けて高い。未来工程感とでも言おうか。昔ながらの文化的な象徴はほぼない。
まるで巨大な民間企業のような国。
こんなにも物質が揃った目の前の光景ですら、それらがあまりにも新しいものばかりで、変化し続ける過程のように思える。
シンガポールという入れ替え可能な国という器を見ているよう。
そんな漠然としたことを、たしかに感じ、考えていた。