龍戦記ドラグーンソール 第3話「ルーガルー登場」

龍介は、週末にホビーショップ高幡に足を運ぶと豪と店長の修二がドラグーンソールの話題で盛り上がっていた。

「いやー、本当に存在するとは思わなかったぜ! 少年時代に憧れていたヒーローは絶対にいると信じていた気持ちが蘇ったよ」

「そうですよねー! いやぁ早く次のドラグーンやらないってくれないか? 店長! 次のガレキは何にするんですか?」

「ああ、九尾の狐との一騎打ちを再現しようと練っているんだが時間がかかるからな。キックで決めたのは昭和ライダー世代にとってはうれしい展開だった。ヒーローは肉弾戦でなくちゃな」

「俺もそこは同意! やっぱり痛みを知りつつも肉弾戦で勝つのは武器を使った勝利とはまた違った開放感がある。苦難に苦難を重ねてやっと乗り越えて掴んだ勝利。これこそがヒーローのあるべき姿だと思うんです」

「こんにちは。随分と盛り上がっているね」

「あ、龍介か。いやー本当にドラグーンソールは存在するんだな。俺今でもドキドキしているよ。」

「そ、そう?」

 ここにドラグーンソールがいるとは知らない2人だが、龍介は正体がばれないようにがんばらないと改めて思った。

「しかし、ここらで何か変わった趣が欲しいところだな。ヒロインの登場とか」

「それもそうですね」

「いや、そこまでしなくてもいいような気がする」

「どうして?」

「それは…えーと」

(自分がドラグーンソールだから大変になるとは言えない。絶対に言えない)

「それはそうと、こいつの謎について迫ってみたいと俺は思っている」

「おお? じゃあ、何か当てがあるんですか?」

「んーまぁ、なくはないな。ただなぁ…あいつに教えるのは嫌なんだよなぁ」

「何かあるんですか?」

「ああ、俺が以前大手の特撮セット作っていた時の同期なんだが…今じゃあアニメオタク専門の番組にでているんだよ。そいつに聞けば何とかわかると思うんだが…少しひねくれていてな」

「ああー…心中お察しします」

 豪と龍介はそう言った。

「まぁわかり次第おまえらの携帯にメールするから」

「はい」

 その日は、そのまま帰ることになった。

 龍介はその帰り道近所を散歩していた。

「ここ2週間で変身して、怪人や怪ロボットと戦ったけど、俺自身変わったのかな?」

 夕焼けに染まった空を見上げて1人、思いに浸る。

 片思いの桂優香との距離感、憧れていたヒーローへの変身。

 ただ力があるだけでは、力に溺れてしまう。

 ウルトラマン、仮面ライダーといったヒーローは、平和を乱す奴にしか力を振るわない。本当の強さとは「嫌なものに対して「嫌」と答える勇気」なんだと仮面ライダーBLACKRXで述べられている。

「仮面ライダーは、改造人間。人間の自由と平和のために戦っている。でもそれは、褒められたり、認められたりするためじゃない。守りたいもののために命を賭けて戦う」

 テレビの中の存在でしかない彼らだが、その影響は今も根強く残っている。強さ、やさしさ、人の愛。それらを教えてくれたのが昭和仮面ライダーシリーズ、昭和ウルトラマン。平成ウルトラマンといえるだろう。

「しかし、この辺で大型な野良犬が最近出没していると回覧板に載っていたな。気をつけなきゃいけないな」

 歩いていると大型の野良犬ならぬ狼と遭遇してしまった龍介。その大きさは龍介が乗っても大丈夫そうな体だった。

「ぐるううううううううう」

「……」

(ちょっと待って! 大型な野良犬じゃなくて、大型の狼ってどういうこと!? と、とりあえず)

「ドラグーンソール!」

太陽の光が龍介のポケットに入れてあるカードに集まって輝いた!

腰に変身ベルトが現れて、カードがスロットに挿入される。

 炎が体を飲み込んで、真紅の龍の鎧を纏った戦士に変身する。

「グウウ!」

「ハァ!」

 住宅の屋根の上にドラグーンソールは飛び乗った。

「とはいえ、狼を殺したくないしなぁ。ソールソード」

 右手を左腰に当てて剣を出した。

「トァ!」

 住宅街に下りて、対峙する。

「ごめん!」

 刃のない部分で狼の頭部を強く叩いた。

「きゃうん」

 そう啼いて、狼は倒れた。

「ふう、これで…え? ええええ!?」

 ドラグーンソールは驚いた。倒れた狼はゆっくりと狼から女性に変わっていったのだ。

「これってどういうことー!?」

 ドラグーンソールは裸体の女性を抱えてとりあえず山に向かった。

(狼から女性に……どうなっているの?)

 山の中で変身を解いて、その女性の傍にいることにした龍介。

「んん…おお?」

 女性はセミロングの金髪で、黄色い瞳が特徴的だった。

「私を殺さないでくれ、この通り!」

 女性は土下座して平謝りしていた。

「いや、殺さないから。そこは安心して、だけど、お願いだから裸のままはお願いだからやめて」

 龍介は顔を真っ赤にして背中を向けて上着を脱いで彼女の前に置いた。

「私を殺さないのか? 龍のくせに?」

「殺すも何も、殺す意志はないよ。それよりその上着で胸を隠して」

 最初から会話がかみ合っていない2人。

「初心な子だなぁ。狼が裸でいるのは当たり前なのに」

「今は女性でしょ!」

「ドラグーンソールといったな。私はルーガルーのセリアだ。よろしく」

「俺は巽川龍介。ルーガルーって何? それにコッチの世界って?」

「仕方ない、目のやり場に困っているならこっちで話すか」

 セリアは、吼えると体の体毛が濃くなり、手足が獣に変わり、狼特有の牙と尻尾を生やした。

「これなら大丈夫だろう?」

「お、狼に変身したってことは狼女?」

「まぁそんなもんよ。しかしアレだな。龍介の匂いは太陽のようじゃ」

 セリアは、龍介の匂いを嗅ぐ。

「最近近所で大型の野良犬がうろついていると言う情報を聞いていたけど、それってセリアのことだよね?」

「そう。腹を空かせてな。ごみや畑を荒らしておってな。こっちの世界に着てから2,3日しかたっていなくて…」

「はぁ、しかし困ったな。これじゃ見世物にされちゃうし、かといって放っておくわけ…」

 龍介はセリアの頭を触って、あることを思いついた。

「セリア、このまま家に来ないか?」

「おお? オスからの求婚か?」

「なんでそうなるの!?」

「私は狼女だからな。そういった発想だ」

 セリアは尻尾を振って答えた。

「まぁ、家で飼うからには、命令はきいてもらうよ?」

「それは了承さ。獣世界では強いものに従うのが常識だから」

 2人は龍介の自宅まで歩いていった。

「ここが俺の部屋。当分の間ここに住んでもらうけど我慢してね」

「ほう、ここが寝床か。ここなら安心して襲えるな」

「だから、何でそういった前提で考えるの?」

「割と本気だぞ? 龍介の子種を欲しいのは」

「子だ…!?」

 セリエは狼姿のまま、龍介を押し倒した。

「欲望のままに貪るのも、たまにはいいぞ?」

「本気で追い出そうか?」

「うそです。ごめんさい。許してください」

 セリエは平謝りする。

「まぁ、それはそうと一緒に風呂入るよ」

「え?」

 入浴中、風呂のとりことなってしまったセリエはたびたび一緒に入ることをねだるようになったのは後の話。

「これが風呂と言うものか、いいものだなぁ~気に入った」

「そんなに気いったの? 狼はこういうのが嫌いかと」

「そんなもんは知らない。が、さて、そろそろ本題に入るか。気になることがあるんだろう?」

「まぁいくつかは、1つはコッチの世界ということ。もう1つは龍なのに何故殺さないのか?ということくらいかな?」

「そうだな、順を追って説明しよう。私は知ってのとおりこの世界の住人ではない。いわば幻獣と呼ばれる種族の一部に分類される。いってみれば、幻獣が住む世界が存在すると考えてくれればいい」

「なるほど」

「次に、私が住む世界は神々についで、龍が神に近い存在とされている。いわば、審判者のような存在でな。生かすも殺すもその龍の判断に委ねられている」

「シビアなんだね」

「それとな。ここ1年前から私たちの世界と龍介の世界を結ぶ空間ができて、出て行くものが増えてきたんだ」

「? ちょっとまって、1年って去年からセリアのようなものが出てきているの?」

「そう。これは話すべきかどうかはわからないが、よからぬ動きをしでかしているものが龍介の世界に悪影響を出そうとしている」

「……」

 龍介は腕を組んで考える。

(セリアの話を元に仮説を立てると、怪人=セリアが住んでいた世界の者と成り立つ。じゃあ、なおさら変だぞ? わざわざ人を怪人に変身させることは絶対変だ。だって、セリアは普通に存在しているし、ドラグーンソールと九尾の狐は人が変身しなきゃ存在できないようになっているじゃないか?)

「セリア、ドラグーンソールがカードになっているのには理由はあるのか?」

「残念だが、それには答えられない。何故カードになっているのかは私にもわからない」

 狼の姿でセリアは答えた。

「しかし、外出するときは犬らしく振舞ってくれ。明日服買いに行くから」

「何故? 狼には不要よ?」

「そっちが不要でも俺が困るの!」

 翌日、近所のユニクロにて服を買うことにした。

「しかし、女性ものを買うのには抵抗があるな」

「何なら男物でも十分だぞ? 私は服装にはこだわりはないからな」

 狼と龍介が街中を歩いていく。

「あーそうだな。そうしようか。うん。の前に…首輪とリードを買っておくべきかな?」

「何故? こうして龍介の命令に従っているから問題なかろう?」

「いや、一応ね。飼い狼ということで首輪とリードが必要かなと」

「…! グウウウウウ」

 急にセリアが唸りだした。

「ど、どうしたの?」

「近辺に強力な奴がでてきた。おそらく種族は龍」

「場所はわかる?」

「匂いを辿れば」

「よし。予定変更だ!」

 ポケットからドラグーンソールのカードを取り出して、名前を叫ぶ。

「ドラグーンソール!」

 真紅の龍戦士に変身して、両者は住宅街の屋根の上を走っていく。

 風となって、走っていく。

「あれだ」

「あれって、ちょっと待って……RPGでも有名なワイバーンじゃないか!?」

 空を舞っている敵は、翼を持った翼竜。ワイバーンであった。

 古今東西でもしられているワイバーンは、紋章にも使われる有名な竜である。

 そして何より、ドラグーンソールにとっては、今回の戦いが初の空中戦となるのだ。

 飛んでいるものとの戦い方として一般的なのは猟だ。猟銃を使って、打ち落とすと言うものが普通の戦い方だ。しかし、ドラグーンソールは飛び道具いわゆる拳銃やショットガンの類のものは持っていない。前回九尾の狐と戦った時に使ったソールシュートを使えばいいと思うが、それはできない。なぜなら、飛び蹴りはかわされてしまえば終わりだからだ。そのことを知っているドラグーンソールは、不用意に攻撃はできない。

「戦いの基本は、観察。敵を見極めた上で戦うべし」

 ドラグーンソールは自分に言い聞かせるように言葉を吐いた。

(空中では、奴のほうが一段上だ。ならば、奇襲に掛けるしかない)

「どうするんだ?」

「こっちから仕掛ける! ソールソード」

 しかし、奇襲を仕掛ける前にワイバーンが急降下して両足の爪で襲い掛かってきた。

「避けろ! セリア」

「龍介!」

 剣を盾にして攻撃を防ぐが、左肩に爪あとが残ってしまう。

「ソールシュート!」

 宙を舞って、右足に太陽の光を集約させて、渾身の一撃を放つ。

「グアッ」

「くそっ、翼をかすっただけか!」

 路面に着地して、空中を舞うワイバーンを見上げる。

「一撃、渾身の一撃を与えられて、奴より高く飛べれば勝機はある。しかし、今の俺には飛ぶことすらできない。どうする?」

「龍介、ここでは人目につく。何か他の場所に変えるか?」

 セリアが声を掛けてきた。

「そうだな。よし、奴をこのまま海まで誘う。背中に乗せてもらうよ!」

 ドラグーンソールはソールソードを投げて、ワイバーンの腹部に突き刺した。

「ギュアア」

「よし。いくぞ!」

 セリアの背中に乗って、住宅街の屋根の上を飛んで走っていく。その後を怒り狂ったワイバーンが追いかける。

「武器はないが、いいのか?」

「今は、敵の注意を惹きつけるだけで充分だ。奴は、爪や尾に毒を持っている亜種のワイバーンじゃない。さっき戦ってみてわかったことだけど、奴はコンドルなどみたいに足の爪を武器にして襲ってくる。近距離で襲ってきたときがチャンスともいえる」

(逆に言えば、ソールナックル、ソールシュートの技では威力がまだ不十分で足りないんだ。それ以上の技でなければ、奴を倒すことはできない。幸い、奴は火を吐かない竜だ。街の被害は最小限に抑えることができるはずだ)

「潮の匂いがする…これが海か?」

「時間があったらまた来ようね。うん」

 大きな水にじゃれつきたい気持ちを必死にこらえるセリアを宥めつつも戦闘に気を向ける。

 セリアが砂浜に辿り着くと、ドラグーンソールは砂浜で構えた。

「セリアはできるだけ離れていろ。これでも女の子だからな」

「……わかった」

 セリアは何かキュンと感じたが、おとなしく主人の言うことを聞くことにした。

 ワイバーンは空から急降下して再び襲い掛かってきた。

「くっ砂が」

 急降下してきた時に砂が舞ってドラグーンソールの視界を奪う。

 その隙をつかれて、ワイバーンの右足に掴まれてしまう。そのまま急上昇して、平衡感覚を奪っていく。

「くそ、初めての空で体の感覚がごちゃ混ぜになっている! そればかりか、体の自由まで奪われてしまった!」

(高さは100メートルくらいか。いや、200か? やばい、このままだと死ぬ…!?)

 ワイバーンの飛行距離がどれくらいいけるのかは未知数だが、高所から落下したら死ぬのは間違いないだろう。回避する方法を考えるが、ドラグーンソールには羽がない。羽があればゆっくりと滑空して、着地することができるがそれができない。

「…あ!」

 ワイバーンは右足を離して、ドラグーンソールを空中に彷徨わせる。

「下は砂浜。多少はクッションになるだろうけど、賭けだ!」

 ゆっくりと瞳を閉じて、体感時間を遅らせる。時間にしてほんの数秒でしかない。だが、生きると言う勇気を作り出すのには充分な時間だった。

 眼を見開いて、勝負に出る。

「放たれる光は太陽の矢の如く。集まりし光は太陽の陽の如し! 必殺……!」

 右足に光が集まって、強力な一撃となってタイミングを見計らう。

(勝負は、あと十数秒後)

 地表が見えてきた。パラシュートすら着けていないまま落下している中、無謀な賭けをしようとしていた。着地する瞬間にソールシュートを放って、落下した衝撃を相殺するという賭けに出た。正直、子どもの浅知恵としかいいようがない。しかし、今の龍介にできる唯一の生きる選択なのだ。

「今だ! ソールシュート!」

 ダイナマイトで爆発したように半径10メートルの穴ができた。砂の雨がドラグーンソールに降り注ぐ。砂の雨の中で、ワイバーンが止めを刺そうと降りてきた。

「見せてやる! 俺の魂を!」

 右足に感じる痺れを噛み殺して、太陽の龍は戦う。それは、自分が生きる為でもあり、何よりも、何気ない日常という平和を守りたいからだ。戦ってからわかる何気ない日常という平和。そして、その平和への愛おしさ。

「おおおおっ」

 左足で大地を蹴って高く舞う。

「はあっ!」

 ワイバーンの腹部に刺さったソールソードを引き抜いて、大きく反転する。

「ギャオオオッ」

 ワイバーンは墜落して、腹部の痛みに悶え苦しむ。

 セリアが吼えて、ワイバーンの右顔に爪を立てて引っ掻いた。

 すぐに、距離を離してドラグーンソールの元に戻る。

「今は引きましょう」

「しかし、奴をこのままに…くっ」

 右足が先ほどの衝撃で痛み出した。

「あなたも敵も戦える状態ではない。さあ」

 ドラグーンソールは、セリアの背中に乗って住宅街に向かっていく。反対にワイバーンは、海の彼方へと飛んでいった。

 龍介は自分の部屋でうずくまっていた。初めて、戦いに敗れてしまったのだ。

「勝たなきゃいけなかったのに…どうして、くそ」

 セリアは黙ってそばにいた。

「生きているだけで、まだチャンスはある。死んだら何もできない。悲しむことも嘆くことも、何もかも、な」

「そうなのかな…?」

「私の話をしてやろう。私は、ルーガルーとして生まれたが、親に見離されてしまってな。信じるというものがまったくわからないんだ。自分1人の力で生きてきた。狩をして生きること、戦うことは生死の分け目であることも理解した。しかし、思いとか信頼といったものはわからない……」

「セリアは、寂しくなかった? 1人でいるときは」

「……寂しいとかそういった感情を抱くことを忘れてしまった。だが……こうして龍介と一緒にいるのは言葉には言い切れない」

 獣と人の感情。それはどう違うのかはわからない。ただいえるのは家族があったということだけだ。

「信じる…か。そうだね。俺も昔、いじめられた経験があるんだ。背が低い、力が弱いと言った理由でいじめられていた。その当時はそう思っていたんだ。でもね、去年の夏にいじめていた本人になんでいじめていたのかを聞いたら「ただ、なんとなくいじめていた」としか答えが返ってこなかった」

 そのときのやり場のない悲しみ、ただなんとなくというちっぽけな理由だけでいじめられるという理不尽さ。ただ小さかった世界と言ってしまえばそれだけかもしれない。

「信じるって、難しいよね」

「そうだな」

 セリアは狼から女性に戻って、龍介の背中から抱きついてくる。

「きゃー」

「女子の悲鳴をあげるな。しかし、こうして生きているのだから、何かしらいいこともあるだろう。このようにな」

 龍介の背中に胸を押し当てる。

「女性なら、恥じらいを持って! お願いだから」

「断る。元はルーガルーだから、恥じらいなどいらん」

 人狼ともいえるルーガルーが人間の少年に甘える構図だが、2人はともに生きていけるのだろうか。生まれた場所は違う2人が、心を通わせるのには少し時間がかかるだろう。

 一方、ワイバーンは人が来ない山奥で傷を癒していた。

自分の体に傷をつけたドラグーンソールとセリアの2人を敵と見なした。空も飛べない敵が抵抗し続け、ここまで傷を負わせたことに彼の誇りに傷つけた。

傷が癒えるのには、時間がかかる。それまでの間に憎しみと敵意を溜めておこうと彼は考える。そして、最も苦しむ方法でドラグーンソールを葬ろうと目論んでいた。

その頃桂家では、姉妹が話し合っていた。

「ねーお姉ちゃん」

「何?」

「龍介くんにお弁当作ってあげないの?」

「へ?」

 読んでいた本を床に落として動揺していた。

「な、何言っているの? 亜衣。私と龍介くんはそんな仲じゃあ…」

「ふーん。だって学校の話題と言えば、龍介くんとこういうこと話して盛り上がったとか体育で頑張っている姿が教室から見えたとか」

 亜衣は優香の話題を思い出して振ってきた。

「これって、龍介くんを意識しているってことだよね?」

 無邪気に聞いてくる亜衣。

「そ、それは、龍介君は一番の友達だからで」

「それだけ? ほんとーにそれだけなの? お姉ちゃん」

 断っておくが、亜衣は小学4年生だ。恋愛感情は姉の優香よりも優れている。

「ところで亜衣。宿題は?」

「さーて、もう寝ようかな~」

 宿題から逃げている亜衣。そのことを見逃さない優香。

「まちなさい。私が見てあげるからここでやりなさい」

「お姉ちゃんの鬼~」

「鬼でも結構。さ、宿題のものを取りに行って」

「はーい」

 亜衣は元気に、部屋に宿題の道具を取りに行く。リビングのドアから姿が消えたのを確認して一息つく。

(龍介くんと出会ってから、私の日常は変わっていった。それは、小さな出会いだったかもしれないけど、私にとっては大きな変化だった。男性からの嫌な視線と痴漢。でも龍介君だけは違っていた。どこか純粋でこどもぽくって放っておけない。でも時々、男の子でかっこよかったりもする)

「んーこれって恋…? なのかな?」

「お姉ちゃん、もってきたよー」

「それじゃやろうか」

「うん」

(ふっふっふっ。これで、龍介くんのことを意識したら、恋の始まりだね。お姉ちゃん)

 亜衣の龍介お兄ちゃん計画が着々と進行中であった。

あとがき

どうしてこうなった!? いつから一部18禁止の表現が入っているのは気にしない。

久しぶりの亜衣を出してみて、やんちゃな子に育ってしまった。(まぁ、優香を後押しするキャラには最適かもしれない)

しかし、龍介のモテ具合にはいいかげん、妬ける。てーか性描写でも入れようか!?

(これじゃ消される対象に…まぁ、いいか。利益目的でやってるわけじゃないから)

ルーガルーのセリアも仲間になり、敵の探知はしやすくなったが戦闘面ではまだまだ力任せな部分が多いのが否めない。ほんの少しだけ話が進展した気がする。

気になるは、優香がセリア(人間状態)を知った時にどう出るか?

 話は変わりますが、ライバルキャラが欲しいな~と思っています。「仮面ライダーBLACK」と「仮面ライダーBLACKRX」にでてきたシャドームーンのようなカリスマ的なキャラが出てきて欲しい。

投げ銭していただけると、喜びます(´っ・ω・)っ「創作関係に投資」(´っ・ω・)っ今さら編集できることを知る人・・・(天然すぎぃ)