PayPayに加盟する中小企業が準備すべきこと
いまや日本国民の5人に1人が利用しているPayPay(2,300万ダウンロードされてるらしい)。そんなPayPayが、バラマキキャンペーン第3弾の全貌を発表致しました。
今回はどんな内容になるのか?これまでとの違いはあるのか?中小零細店舗は今後どんな準備をしておいた方が良いのか?そんな事をまとめていきたいと思います。
(過去記事)
PayPayキャンペーン第3弾の内容
詳しくはこちらをご参照ください↓↓↓
簡単に言うと、
・キャンペーンの期間は2020/2/1〜2020/2/29だよ!!
・対象の飲食店で使えるよ!!
・40%割引になるよ!!(人によっては50%割引だよ)
・1回あたりの割引額上限は500円だよ!!
・期間中の割引額は最大で1,500円だよ!!
です。
なんだ、最大でも1,500円しか恩恵ないのか。。。とか思うかもしれません。しかし、トータル2,000円ほどですき家、松屋、吉野家など、1週間毎日どっかしらのお店で500円相当のランチが出来る計算になります。この効果は侮れません!!!!
そんな感じで全国6,500店舗以上の飲食チェーン店で割引を受けられる様になるんですって。
第1弾、第2弾、第3弾の違い
第1弾では、100億円をバラまきました。還元率は20%でした。1ヶ月あたりの還元額の上限は5万円でした。対象の店舗はほぼどこでもでした。
第2弾では、100億円をバラまきました。還元率は20%でした。1回あたりの還元額の上限は1,000円でした。1ヶ月あたりの還元額の上限は5万円でした。対象の店舗はコンビニでした。
第3弾では、バラまき額は非公表です。還元率は40%です。1回あたりの還元額の上限は500円です。期間中の還元額の上限は1,500円です。対象の店舗は大手飲食チェーン店です。
こんな感じで比較すると、だいぶインパクトに欠ける内容になってきているかもしれません。上限額がだいぶ抑えられている一方で、割引率がこれまでの2倍になっている、というのが特徴でしょうか。これは、利用者が増えてきている事が影響している事でしょう。スタート当初は少ない方に高額の還元を手厚く、利用者が増えてきた今は沢山の方に満遍なく、そういう作戦に舵を切ってきている事が分かりますね(ちなみにですが、2,000万人の方が上限1,500円の還元を受けるとすると、なんと300億円の金額をバラまく事になります)。
そして、今回の一番大きな違いというのが、キャンペーンに伴うバラまきの費用が、全額PayPay持ちではなさそう、という点です。これまでは加盟店はコストかからずでしたが、参加表明した企業は自己負担をする事でPayPay側と共同還元している流れになった感があるのです(PayPay側は公表してませんが)。企業側は、キャンペーン費用を負担してでも、販促効果、売上拡大効果があると見込んでいるということですね。
違いが発生した背景
これまではPayPay社が全額負担していたのですが、今回からは企業側にも負担を求める様になりました(おそらく)。それは何故でしょうか?それは、PayPay社の発表している損益概要を見ると分かってきます。
2019年3月期の売上は約6億円に対して、純損益は約368億円の赤字なんですね。豊富な資金力を武器に、損して得とれで加盟店・利用者の獲得に努めてきた影響であることは間違いないでしょう。もうちょい許容できるのかもしれませんが、これが今後もずっと続いて良いとは思ってないですよね。
これ以上の赤字を削減する意味でも、企業側にも負担を求める様になったのではないでしょうか。企業側もアホではないので、効果があると見込めれば自己負担してでも参画するんでしょうね。
日本政府が主導する還元事業は2020年6月で終わります。「それ以降もPayPayの決済回数を伸ばせるのか」が、今後のポイントになってくることでしょう。そのためにも、加盟店とのタッグを組んだ魅力的なキャンペーンが必須になってくると思うんですよね。
※1.ユーザーが読み取る支払いのみ対象。2021年9月30日まで無料
※2.ジャパンネット銀行の場合のみ。その他金融機関の場合は2020年6月30日まで無料
今後の流れ予測
上記に挙げた加盟店を絡めたキャンペーンは、手を変え品を変え店を変え、今後も続いていくことは間違いないでしょう。そしてその流れは、中小加盟店にも広がっていくではないか、と思います。
今回の第3弾バラマキは大手チェーン飲食店でしたが、今後も小売店だったり、理美容店だったりと、大手が介在している業界に広がっていくと思います。その先には、中小・零細加盟店においてもキャンペーン参加の是非を問われる様なキャンペーンが開催される日が来るんじゃないでしょうか?あるいはもう問われてたりするのかもしれません。
PayPay側も、いつまでも赤字を垂れ流しながらキャンペーンを打ち続けることはないでしょう。いずれその負担を加盟店にも取る事が予測されます。現に、PayPayサービス開始から3年後には決済手数料なども有料になっていきます。少なくともこの3年後の時期には、諸々の課金が始まってくると思うんですよね。
その一環として、キャンペーン時には加盟店さんにも何かしらかの負担を、という流れが少なからず発生すると踏んでます。
中小零細加盟店が準備すべき事
明日、あなたの店舗がPayPay還元キャンペーンに参加するか否か、この判断をしないといけない場面に遭遇するかもしれません!!
そんな時に、慌てず冷静に判断出来る材料を準備しておくことが重要だと思います。分かりませんが、今回のキャンペーンに参加した各飲食チェーン店さんは、それらの材料をもとに、実費でキャンペーンに参加しても元が取れるか否か試算していると思います。その上で、それでもなお効果が見込めると踏んで参戦しているのではないでしょうか。
そのためには、過去のデータをひっくり返して、キャンペーン時の売上や来客数、キャンペーンのない時の売上や来客数、これらを比較する事が必要になるでしょう。そして、そのためには、比較するための材料なり資料が揃っている必要がございます。
そんな資料が完備できていたとした場合、行った方が良い試算がこちら。
①キャンペーンがない時の売上額 100万円
②キャンペーン時の売上額 120万円
③キャンペーンに伴う効果 20万円(=②120万円-①100万円)
④キャンペーンに伴うコスト額 10万円
⑤コスト負担してもなお享受できる利益 10万円(③20万円-④10万円)
キャンペーンに参加した方が得
①キャンペーンがない時の売上額 100万円
②キャンペーン時の売上額 110万円
③キャンペーンに伴う効果 10万円(=②110万円-①100万円)
④キャンペーンに伴うコスト額 20万円
⑤コスト負担してもな享受できる利益 △10万円(③10万円-④20万円)
キャンペーンに参加したら損
上記の様な試算、準備をしておく事が必要なんじゃないかな、と思います。具体的には、
・過去のキャンペーン第1弾、第2弾、それぞれ実施期間中の売上
・キャンペーン期間外の売上
これらの比較ができる様になっていればOKです。通常時の売上額の把握は容易だと思うので、キャンペーン期間中の売上が把握できる仕組みになっていれば無問題ですね。
この計算を今回参戦している店舗は実施しているでしょうし、今後また訪れるであろうバラマキキャンペーン時にも、参戦を目論む企業はこの試算を行った上で参戦の有無を決定することでしょう。果たして、中小零細企業の個店が、これらと同じような経営判断が取れるでしょうか?もっと言うと、判断を下すだけの材料、資料の整備は出来ているでしょうか?
訪れるかもしれない未来に向けて、今のうちから準備をしておく事をお勧めしたいです。
最後に
これはあくまで独断と偏見による予測です。我ながら、割りと芯を食った予測だと思います。ビビビビビ、と来ました。
PayPayは無料で加盟店登録できるから加盟したのに、金を取るとは何事じゃい!!!
と一掃するのではなく、加盟していなかった頃と比べたらどうか?一度お金は出ていくかもしれないけど、いずれ回収できるかもしれない。どれくらいの期間を通して回収できるのかな?そのへんまで加味しながら判断出来ると良いんじゃないかなぁ、と思います。ちなみに、個店のPayPayキャンペーン参加が有料になるような書き方をしておりますが、一切そのような公表はなく、私が勝手に予測しているにすぎないので誤解のない様、よろしくお願いします。
是非あなた様の店舗にも置き換えて、考えてみてはいかがでしょうか?自力で考える事が難しい場合、ぜひご相談ください。乗れる相談であれば乗りたいです。
当記事に対するご意見、ここ間違ってる!!ここおかしい!!など、辛辣なコメントくださればと思います。随時更新します。取り急ぎ。
(過去記事)
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