捨てることを繰り返して繰り返して

わたしはどこへ行きたかったのだろう。


2015年くらいだったろうか、一人暮らしから一年経ったあのころ。


たくさんのモノが欲しくなってたくさん買い物をした。特に洋服は勉強代だと思いながら。

仕事ではずっと私服勤務で売り場に立つからこそ、毎回違う服を着たり新しいものにトライすることも必要だった。


そして、部屋の収納はオーバーサイズになった。


今は定番となりつつある、断捨離・ミニマリスト・収納本をひたすら読み更けた。

そこから努力の甲斐あって捨てる習慣が身に付き、とにかくいろんなモノを捨ててきた。



あれから5年。わたしは喜びのマインドを失ってしまった。



服を買う喜び、新しいものに出会うワクワク感、これを連れて帰るかすら決めずにそういうお店に足を運ばなくなってしまった。

むしろ洋服を見ても、買っちゃいけないという自分への呪いが重くのしかかってきていたような気もする。



そもそもアパレルなのに社内の割引購買すらほんとにごくわずか。



こんな私がアパレルでトレンドを売る仕事をしていていいのだろうか、それがここ数年の悩みにもなった。


雑誌やインスタでおしゃれな着こなしを見ると、また欲しくなる。

でも収納はそんなにないのだよな........と自己抑制が働く。



はて、私は何のために捨てているのだろうか。それが今日の夢でずっと見えない霧が晴れた。

すべては毎日幸せに暮らすこと、それが目的なんだ

そんなセリフが夢の中で自分の口から出たのだ。



服を捨ててきれいにクローゼットを一定量で保つのも、いつも新鮮な気分で服選びがしたいから。そうすれば時間がほんの少しでも増えて、自分のやりたいことや掃除やおいしいごはん作りに充てられる。



よく「捨てることはゴールではない」と言うし、捨て魔になりすぎて、捨てるものを血眼になって探して疲れる人もいるそうだ。


いまなにか選択するのも、すべては自分への精神衛生上の心地よさを求めることだったり、環境だけじゃなく自分自身へのサスティナブル運動。




服に限らず、これから自分が手にして家に迎え入れるモノたちは「ほしい」だけの気持ちではなく「幸せ」と心が動くものだけにしようと決めた。


そうすれば、それを世に送り出した人も私もモノも悲しむことはない。



これがこんまりさんの「ときめき」なのだな、と今にして学んだ。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?