介護保険サービスにおいて活動を提供するでは不十分
「何かすることないですか?」と利用者さん。
私が勤めている老健で利用者さんから聞かれる言葉です。
一日中、入浴と排泄、レクリエーション以外は何もしないで過ごすことがざらにあるデイサービス、老健の長期入所や短期入所、グループホーム、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者住宅etc。
そうそう
作業療法には「作業剥奪」という言葉があります。
するべき作業(活動)が奪われることを指します。
作業が奪われると人は元気を失います。
何もすることがなくて目の光を失っている方をたくさん見てきました。
「何かすることはないですか?」と聞きにくる利用者さん。
私に尋ねれば作業(活動)を与えられることを知っておられるのです。
「与えられる」は、ものすごく乱暴な言葉です。
じゃあ私の意思如何でこの方の生活が決まってしまう?
ある見方をすれば積極的な利用者さんでいいじゃないですかになりますが、これじゃあダメなんです。
利用者さんが自分の力で(行動の選択)
作業をする場所まで行って
作業する道具を集めて
準備をして
希望した時にそれを行って
終了したい時に終了する。
これが理想なんですよね。
で、どこの時点でつまづくかを作業療法士が発見して介護職がフォローして作業を可能化、生活の再構築を行うのがいいですね。
そのためには環境づくりです。
ここに行けばあれができる。ここに行けば道具が揃っている。
そんなことも研修にてお話しをしています。