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寝かしつけるために話した物語でむすこ号泣
小学2年むすこを寝かしつける前に即興で物語を作るのですが、今回のお話で大号泣してました。至極、単純な話なのですが、どの部分が彼の琴線に触れたのか😅
こんな話でした。
ほんとに何の変哲もないお話ですので、ご容赦ください。
もみじの木
ある日、家の前の道路にもみじの木が生えていました。
もみじの木はわずか8センチ。
もみじの赤ちゃんです。なんとアスファルトのすきまから芽が出ていたのです。
それを発見した小学2年の《あきんぞう》。
お父さんに「あ、もみじの木やん。」と教えられてから学校から帰ったら、せっせと水をあげる毎日がはじまりました。
しかし、いつまでたっても木は大きくなりません。
あきんぞうは「なんでおおきくならへんの?」とお父さんに聞きます。
「うーん、根っこが伸びないからちゃうか?アスファルトが固いしなぁ。」
それでもあきんぞうは学校から帰るとせっせと水をやります。
「これぇ、大きくなれー。」
そんな願いが通じたのか、木は少しずつ大きくなり倍の16センチになりました。
「やったー、おおきくなった!」
それに味をしめたのか、さらにお水と養分をあげつづける、あきんぞう。
木は4mになりました。
「ありゃー、家と同じくらいの高さになったねぇ。」とおとうさん。
「やったー、おおきくなった!」
「いや、でも道が根っこでボコボコになってきたで、車も通りにくいで。」
と、言いながらもあきんぞうは水と肥料をあげつづけます。
そして、木の高さは8m、16mになりました。
もう、町内のどこにいても木は見えます。
秋には真っ赤な紅葉になり観光客がくるようになりました。道もボコボコで車が通れなくなりました。
「きれいやねー、あきんぞう。でもそろそろ切らないと家が木に飲み込まれるで。」
と、言いながらもあきんぞうはせっせと水と肥料をあげつづけます。
そして木の高さは32m、64mになりました。
その頃から落ち葉になると家は枯れ葉に埋もれてしまいます。
「おーい、あきんぞう、もう限界や。家が秋の終わりに埋まってしまうわ。」
あきんぞうはそれでももみじに水と肥料をあげました。秋の紅葉シーズンには家族でみたらし団子を販売し一日に300本も売れました。
「やったー、お金が手に入った!」と喜ぶあきんぞう。その後もせっせと水と肥料をあげつづけます。
そしてとうとう128mになりました。
もう、町内どころか同じ県内なら遠くからでもあそこにもみじの木があることが確認できるほどです。
「もう、観光名所どころか、世界遺産レベルやな。」
その頃には世界中からこのもみじを見ようと観光客が訪れるようになっていたのです。
「家も木に飲み込まれたし、近所の人も引っ越したし。あきんぞう、そろそろ水と肥料あげるんはやめんか?」
あきんぞうの家族はもみじの木の中に住ませてもらってました。
ある日、県のエライさんがやってきて、「もうそろそろこの木を切らんと腐って倒れる、だからもう、切ろう。」と言ってきました。
あっというまに切る日が決まり、当日。チェンソーの音が鳴り響きます。
ブイーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン、メリ、メリメリメリメリメリ、ブハーーー、ドーーーーーーン!!!!!!!!!
とうとう、木は倒れました。
「とうとう、切ったね。」とおとうさん。
「あ」とあきんぞう。
「切り株がなんか光ってる!」
あきんぞうが切り株をのぞきにいくとそこにはお宝がザックザク。
そこに一通の手紙が。
「あきんぞうくんへ、今までありがとう。これは大事にしてくれた僕から君へのプレゼントです。これで新しい家を建ててね。」
あきんぞう、泣いてるのか笑ってるのか、ぷるぷる震えてます。
おとうさんは「このもみじの木でお家を建てよう。」と提案。
そしてもみじの木で作った家であきんぞうの家族は仲良く暮らしましたとさ。
ちゃんちゃん。