報道ステーションCM問題と世代の感覚差
ハフポスト:報道ステーションCM「ジェンダー平等を掲げるのは時代遅れ」の表現に批判集中
本件、あまりに制作側の課題が多く何からツッコメば・・・なのですが、
それらについては識者の皆さんから既に多くのコメントがあります。
本当にその通りです。
ジェンダーギャップ指数120位台、
後ろから数えられる順位で何が「時代遅れ」なのか。
時代遅れどころか、日本は周回遅れなんですよ。
一方、20代なかばの女性にとって
男女不平等だという指摘がピンときていない…
ということも、一面で実際に起きている現象です。
女性だけ朝の清掃、お茶出し、電話番、あるいは露骨なセクハラといった
見えやすい性差別は大幅に改善されました。
学校教育の場では男女平等の建前がありますし、
(あくまで建前ですが…進路選択の男女格差も相当なものです)
社会に出てすぐは「女性の方が優秀だ」と
周囲が評価する…ということも往々にしてあります。
(実は同等の能力なら男性が採用されている
→優秀な女性がワンランク下の会社に入る
→個々の組織で見ると女性の方が優秀。
…ということが起きていたりします)
それが、いつの間にか変わってきて
あれ?男女平等じゃないかも?と感じはじめるのは
実は30歳前後だったりするのではないでしょうか。
自分の方が優秀と思っていたのに、
30歳を過ぎたら男性の同期は課の方針などを
課長と議論しているのに、自分はカヤの外。
女性には「若さ」という価値を求める世の風潮。
結婚や出産に対するプレッシャーや、
社会圧のためにコンプレックスを感じさせられる。
結婚してみたら、気がついたら
同じように働いているのに自分ばかり家事をしている。
家事分担について見直しを求めたら、
給与(収入)の差を持ち出されてウヤムヤ、モヤモヤになる。
あるいは「仕事が忙しいから無理」と片付けられる。
嬉しい出産…からのワンオペ育児、からの
ますます開く夫との経済格差。
フルタイムで働く同期とのキャリアの差。
この辺りの経験をしていくなかで、
「ジェンダー不平等とは何か」ということを
実感していく女性が多いのも事実ではないでしょうか。
大切なのは、ジェンダー平等なんて時代遅れ、
という台本を作って若い女優に言わせることでなく、
ジェンダー平等とは何かについて啓発していくこと。
それが報道の仕事ですよね。
…
追記
改めて見直していて、15秒版のこのセリフ
「いい化粧水買っちゃった。消費税は高くなったけど、今のうちにお肌に手かけておけば裏切らないじゃん、って思って。」
も、相当に酷いシロモノです。
若さ、美しさという価値に投資しておけば
間違いない、と言わせているのです。