2回目の冤罪
小学校の算数の授業で、ボールいっぱいの100円玉を使った。
次の授業は体育だった。
私は体調を崩していて見学していた。
見学組は教室待機だった。
他に2人の女の子が見学だった。
れいこちゃんは、1年生で体も小さくて細いのに、3年生の一番足の速い子よりも、速く走ってマラソン大会で一番になる子だった。
先生にも好かれていた。
担任の先生は20代後半の女性。
私は目の敵にされていた。
れいこちゃんが、私に100円玉をくれた。
私は他人から何かをもらうと母親に叱られるからいらない、と断った。
でも、先生がわけてくれたからお裾分けといわれた。強引に握らせれ、悩んで受け取った。
帰宅して、お母さんに伝えようと自宅のテーブルにおいた。
案の定、帰宅した母は100円玉をみて怒り狂った。経緯を伝えると、すぐに学校に電話をかけていた。
翌日、ホームルームで前に呼び出された。
そして、なぜお金をとったのか?と叱られた。
私は、れいこちゃんがくれたことを伝えた。
先生は、れいこちゃんに、本当か?ときいた。
れいこちゃんは
「ぽんちゃんがお金を盗みました。私にも口止めにくれようとしたけれど、私はいらないと断りました。」
と平気な顔をして答えました。
手をひっぱられ、
「この悪い嘘つきの手がいけないんです!もっと盗んだでしょう。全額返しなさい!」
とクラスメイトの前で手を叩かれ、謝りなさいといわれました。
幼心に、この事態を想定してれいこちゃんは私に罠をしかけたのか?
平気な顔で嘘をつく子供に、自分も子供ながら恐怖を感じた。
そして、大人や周りが私ではなく、嘘つきの彼女をみんな信用する。
信じてもらえない悲しみ。
私はそんなに信用のない悪い人間なのだろうか。
その後のことは、覚えていない。
あまりにもショックだった。
誰も信じられない。
親も大人もクラスメイトも。。。
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