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リリーとの35日間
寒い1月5日。
父が突然、マルチーズの子犬を抱えて帰ってきた。
歌舞伎町の横丁のペットショップで可愛くて一目惚れをしたらしい。
寒かったのか震えていた。
とても可愛かった。
賢くて、トイレもすぐに覚えた。
夜はダンボールの蓋を閉めると静かに眠る。
朝は暴れてダンボールを抜け出して、顔を舐めて起こしにくる。
2週間は元気だった。
ある日下痢をした。
獣医に連れていくと、
おそらく1ヶ月も経たずに親から離されていて栄養失調であることを指摘された。
検査の結果、ジステンパーにかかっていた。
最後の1週間は、手を離すとぐるぐる倒れるまでよだれを垂らして走り回ってしまう。
2月9日の朝。
食べた餌がそのままお尻から出てきた。
病院に連れていってすぐ、息を引き取った。
もしぽんちゃんの家に来ていなかったら、もっと早くに温もりを知らずに捨てられて亡くなっていたよ。リリーは幸せだったね。
獣医さんが慰めてくれた。
リリー、生まれ変わって、またうちにおいでね。