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大好きな漫画・「せんせいのお人形」
comicoで連載していた作品。
「せんせいのお人形」
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名門女子高教師である吉成昭明は、身寄りのない女子高生・スミカを引き取ることになる。昭明は彼女に宣言する─「俺は教育するよ 君を」。育児放棄されていた少女が彼の愛情のもとで成長する姿を描く。
この作品は、流されるまま感情を殺し生きてきた「人形」だったスミカが、昭明さんの元で生活する中で人として魂を持ち、生きていく作品。
魂を持ったスミカがどう生き、何を学ぶのか、時には間違いを犯してしまうが、その時の昭明さんの言葉が好き。
そうだな
わからない知らないことは罪ではないが
それに気づいてなお
何も考えず何も学ばないことは罪だろう
君はこれからだ
他にも好きなセリフたくさんあるけど、ネタバレになってしまうので我慢……!!!!
この作品、実は紙の本は1巻~3巻までで、4巻~完結する8巻までは電子書籍のみの販売となっております……悲しい。
特に大好きな話、4巻第60話、祈り、が紙の本で読める!!と楽しみにしていたので残念ですが、電子書籍で全話(全巻)出て本当に嬉しかった!!
そして、最後の巻には藤のよう先生の最高の書き下ろしがあって、読みながら先生のキャラクターへの深い愛情を感じ涙しました。
ここから下はちょっとネタバレあります。
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4巻 第60話、祈り。
連載当時、この話を読み、「ああ、私も父親を1人の人間として見ていいんだ…」と、ストンと腑に落ちたのを覚えています。
完璧な人間なんて居ない。
分かってはいるけれど、子供は(作品では孫ですが)愛を求め、拒絶されると自分に非があると思ってしまう。
この負の連鎖を断ち切るのは誰か。
簡単に許す事は出来ない。
でも、「完璧」な「大人」に見えていたあの人もまた、不完全な「人間」である、とようやく理解出来た時に、当時私の中の幼い私が落ち着いた様に感じました。
微笑ましいスミカと昭明さんのやりとりに胸が温かくなる事もありますが、明るいばかりの作品では無い。
時には苦しく、悲しく、辛い描写もあります。
でも、私はこの作品に救われましたし、この作品が大好きです。
最後に、この作品を愛し、慈しみ、描いて下さった、藤のよう先生に最大限の感謝を。
スミカを、昭明さんを、みんなを生み出して下さった事、魂を与えて下さって本当にありがとうございます。
私は数ある作品の中から、この作品に出会えた事を幸運だった、と思っています。
これからもこの作品を愛し続けるでしょう。
当時ファンレターを出しそびれ、今更出して良いのか?と悩む私の数年越しのファンレターでした(笑)
いつもとは違う記事でしたが、最後まで読んで下さり、本当にありがとうございました。
興味がありましたら是非漫画も読んでみて下さい。