
そこにあるだけの愛
あれ切らしてるんだった
買いに行かなくちゃ
って思って買いに行った時に限ってお目当てのものが売り切れてたりする
あ、そういえばゴミ袋終わってるんだった。あと日焼け止め
よく行くスーパーならどこの列のどの棚に何があるかもしっかり把握している
買い物はできるだけ効率よく行いたい
別に人生において効率が全てとは思っていないし、逆に遠回りしたり立ち止まったりしている方が新しい見解を得られたり楽しいことが起こったりする気がしている
(単に難しいことを考えたくないだけだが)
この春は周りの環境や自分自身の立場が目まぐるしく変化した
私は学生でなくなり、フリーターになった
周りのみんなにはいいように話したが実際自分のやりたい事がこの2年で分からなくなり、それに逃げるように今の生活に落ち着いただけだ
これからどうなるのだろうかーーー
最悪、まあ死ねばいいと思っている
そんなことはどうでも良くて
ちょっと聞いて欲しいことがある
これから話すことは私の個人的な出来事であり見解であり第三者からしたら”超どうでもいいこと”になってしまうわけだが、私にとっての超大事な話なのだ
だからここに女々しく書きたいと思う
好きな人がいた
きっと死ぬまで好きな人だ
私がこれまでに経験してきた恋愛の全てをかけても、その人から注がれた愛の多さには代えられない
好きで、大好きで互いに愛し合っていたのに一緒にはなれなかった
なれるはずがない
だって相手には生涯寄り添う相手が既にいるのだから
左手に指輪ははめていなかった
「高いから買わなかった」と
それは本当の愛に物理的な証拠などは要らないと言われているようで、私は怖かった
3ヶ月の恋は終わって友人に戻った
期間限定の恋人
お腹に赤ちゃんがいることを隠してされた告白
本来ありえない思考と状況なのに、私は喜んで受け入れた
きっとこの恋にゴールがないことを分かっていたからだと思う
お互いまだ忘れられないでいる
でも、相手にとってそれは時間の問題だろう
向こうには家に帰れば最愛の人が待ってる
傷も直に癒える
でも私には何も無くなった
「好きという気持ちがなくなっても私を大切に思っていることに変わりはない」
あまりに身勝手ではないだろうか!
あまりに身勝手、身勝手なのに
どうして好きなのだろうな
人というものはしばらくその行為をしないとすぐに忘れてしまう生き物で
特にスポーツや楽器は一日サボると3日戻るとかいうけど、それは日常生活や恋愛においてもそうであると思っている
きっとこれからどんどん月日が経って
あの人と過ごした時間が風化して
垢みたいにぼろぼろ剥がれ落ちていく
何をして、何を話して、何に笑っていたのか
徐々に忘れていく
記憶にストックなどない
忘れたらそこで終わり
いくら探したところでそれはもう無かったことなのだ
そして好きという気持ちだけが残るんだろう
好きで愛している気持ちだけが私の心の中で仁王立ちして堂々とふんぞり返る
その綺麗で醜い愛の塊は
決して純愛と呼べる代物ではないが、それ以外に形容できないのであればその言葉で代えさせてもらいたい
私は彼の奥さんを憎んでも恨んでも妬んでもない
寧ろ16年間も隣で支え続ける覚悟と底の見えない愛に尊敬すら覚える
私はきっとこの先もう恋はしないだろうし、結婚だってしないだろう
彼を恨んでいる
愛している
あーあ、好きだった
最悪だよほんと
すみません、あそこにあったのって在庫あります?
あーそこになければないですねー
あ、分かりましたー
そこにあるだけの愛