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「夢が叶うということ」~2021年元旦に

2020年は私たち家族にとって、
大変革の一年だった。

結婚から10年、
主人のふるさとで生きていく
このことにこだわって活動してきた私たち。

それが故郷の地域をあえて離れて、
家と土地と田畑を購入して、
農業と山里体験の場づくりをメインに、
ナリワイを立てていくことに
完全にシフトチェンジしたのだ。

背景には、
本当に色々あった。

その詳細を文章に書くことは
おそらく当面ないと思う。

けれどその背景一つ一つを、
「無駄にはするまい」と、
そういう気持ちだった。

家をもち田畑を耕し、
山里体験の場づくりをしていく。

そのこと自体はずっと、
私たち夫婦の目指すところだったけれど、
それが地域の外になることだけは、
当初から想定外だった。

それでも私たちにとって、
「今しかない」というタイミング。

それを感じたから、
一気に飛び込んでいった。

1月に決断し2月に物件を探し、
実家での説得を経て、
3月に契約を交わして、
4月、5月と農地取得の手続き。

審査結果が出て6月末に
里山2.5町歩と田畑8反、
そしてこじんまりと可愛い
2階立て縁側付きの古民家を購入した。

9月に主人は仕事を退職。

そこから少しずつ引っ越しと、
助成金事業で計画していた
炭窯づくりや間伐講習会、
炭焼き体験などなどなど。

改修が必要な個所が色々見つかり、
空き家改修補助金の申請も、
何度も見積もりをお願いしつつ、
書類提出して許可が下りた。

自然排水とくみ取りトイレだったので、
合併浄化槽設置の工事もお願いした。

色々同時並行で進めながら、
ようやく年末になって、
もともと住んでいた市営の住宅を
引き渡すことができた。

まるまる1年かかって、
私たちは全く新しい生活の
スタートラインに立つことができた。

去年の元旦には、
私たちはこの場所にいることを、
想像すらしていなかった。

結婚して10年間、
ずっと故郷にこだわってきた
私たちが選び得なかった選択。

主人と息子にとっての故郷を離れ、
たくさんの財産を手放して、
色々なものを一気に手放して、
そうして掴んだ選択。

だけど、
選びながらずっと、
私たちはどんどん倖せになった。

おかげさまのご縁に支えられ、
なんとかかんとか、
そうこの家で年を越すことができた。

家族全員が一緒に笑顔でいること、
これ以上の倖せなんかない。

そう思うと、
私たちの背中を思いっきり押した
あらゆる出来事がすべて、
必然としてありがたくなるのだ。

すべての選択は開かれている。
選ぶのは自分たち自身。

そして、
選んだ結果を豊かなものにできるか、
それも自分たちの心の在り方だけ。

思いのほか長くなってしまった。

選ぶのは自分自身。
結果をどう受け取るかも自分自身。

だけど、一つだけ
ハッキリしていることがあって、
それは「今は奇跡」だということ。

元旦のあいさつに実家に帰ると、
かつて住んだ部屋の隅に、
幼い主人の写真を見つけた。

30年前の主人の姿。

息子の姿と重ねて、
超絶可愛いと思う。

こんな可愛い息子を、
連れて出てしまって、
本当にごめんね。

30年前のこの子が、
大きくなって出逢ってくれて、
一緒に生きていくと決めてくれて、

色んなことがあって、
悩んで悩んでいっぱい話し合って、
一番倖せに生きていく道を、
一緒に選び続けてきた。

私はずっとずっとずっと、
一緒に生きていく人と出逢えただけで、
残りの人生は「おまけ」ぐらい
幸福なことだと思っていて、

だけど実際はヘタレで、
そんなに心も丈夫じゃなかったから、
色々思うほど頑張れなかった。

私にも主人にも、
ご先祖様がいてくれたから、
育ててくれた両親がいてくれたから、
支えてくれた人がいてくれたから、

そういうあらゆる
「おかげさま」の重なりで、
ともに歩いてくれる人がいて、
一緒に笑っていてくれる。

こんな奇跡ってないよね。
これは奇跡なんだよって、
いつも思っているよ。

だからね、
この生きている毎日を、
全力でたっぷりと味わいたい。

これからも、
自分たちが生きる道を選びながら、
その奇跡に感謝しながら歩いていきたい。

歩調を合わせるのに、
10年もかかってしまった私たちだけど、
30ねん前のキミが大人になって、
一緒にいてくれたから、
今も毎日を一緒に生きていられる。

本当にありがとう。
心からありがとう。

支えてくれるすべてに、
本当にありがとうございます。

そんな気持ちの2021年の元旦です。

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