恋愛が最後のフロンティア


  AIによる職業侵食が進んでいけば、人間に残された最後の職業は最も古いとされる最初の職業、つまり売春になるだろうとある人が述べている。これは極端な見方だが、より一般的にして、AIとBI(ベーシックインカム)
のおかげで恋愛活動が人間の最後に残された活動になる可能性はあるだろう。ビジネス、スポーツ、芸術、学問研究・・・いずれの分野であれAIが人間よりも成果を上げるようになれば、人間が種として生き延びるための根幹となる恋愛活動が最も重要なものとして浮上するようになる。なぜなら全てはモテるためにあると主張する人もいるように、余計な活動はAIに任せ、BIを元手に人間の純粋な活動として恋愛活動が最も重視されるようになる。

その先駆として源氏物語の主人公である光源氏のような生き方である。

生の最も重要な目的とは何か?それは子孫繁栄のための生殖活動である。もっといえば、セックスがもたらす快楽である。なぜなら、食欲とは栄養摂取はもちろんだが、飢餓を克服した人類にとり栄養より食べることの楽しみに重点が置かれるように、性欲も子孫繁栄はもちろんだが、セックスがもたらす快楽が最も重要な要素となるからだ。これこそが人を生へと駆り立てる最も大きな刺激となる。
 はっきり言って人間は恋愛活動をするために生まれてきたと言っても過言ではない。だがこのことがはっきり明言されることは稀である。
一夫一妻という結婚制度は経済で言うところのベーシックインカムのようなもので、これは国家が社会秩序の維持のために設けたものである。この先、国家の役割が薄れ社会秩序維持にそれほど力を注がなくて良いようになれば一夫一妻は守られなくなってもおかしくはない。現に、現在は離婚率が35%を越え、不倫や浮気は当たり前のように横行している。結局性的BIでは男女ともに性的に欲求不満になっているからだ。

このセックスの快楽は死をも厭わないほど強力なものとなる。なぜならそうでもなければ種は生き残っていけないからだ。したがって、セックスに与れない男は危険な存在となる。だからこそ現在の結婚制度があるのだ。性的に欲求不満な男たちは自殺を考えたり、他人を殺傷したりしかねないからだ。自殺したり殺人事件を起こす青年たちの多くはモテない暗い男たちであるのがほとんどだ。

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