親孝行とローションが噛み合う奇跡はあるよ
アラウンド70である。ちなみに自分は30代。
こんなエッセイの始まり方でこう繋げるのは大変恐縮なのだが、先日、パッケージを全部外したホットパワーズの商品「オナホ屋さんの本気汁!! ヌメリの皇太子!!ぬめッパ!!」を使用して、母のすねとふくらはぎの毛をT字カミソリを使って剃った。
しんどそうにピンセットで抜こうとする母を見て、少し前に自分のひげをローションをつかってから剃ったらヒリヒリしなかったのを思い出した。
「なにそれ。なにするの?」
バスタオルと濡れタオルを用意して、椅子の上にバスタオルを敷き、足をのせてもらって、スネ毛から剃った。
「これ使って髭そったら痛くなかったから。海藻で出来てるらしいで」
「ふーん」
T字カミソリで剃っていく。
「滑りがええからひっかからんくてエエね」
「せやろ」
左足を剃り、右足を剃る。
橋のように椅子に足を引っ掛けてもらい、試行錯誤してふくらはぎも剃る。
バスタオルで拭き取って、濡れタオルで少し拭いたあと、乾いた部分で拭いて完了した。
「さっきも言ったように、これつかって髭そったら痛くなかったから。開封してから少し経ってるから顔そりはどきどきするけど足ならまぁ、大丈夫かなって思ってん。……本来の用途は言われへんけど」
「………」
「……本来の用途は言われへんけど」
「わかったからw」
そんなこんなで母の足の毛をローションを使用しつつ剃った。
「エコー検査のときやつに似てたね」
「あー、たしかに」
「また伸びたら頼んでいい?」
「ええけど、みんなには内緒やで」
「わかったw」
アダルトショップで買ったローションですねんとは言えなかったが、まぁ、匂わせる発言はしているので口止めにはなっているだろうし。いいや。
足を拭いたあとも、翌日も「肌がなんとなくムチムチしてすべすべしてるんだけど。すごい!」とべた褒めされてしまった。サンキューホッパ。
母の足が痒くなったりしてないみたいで良かったし、また頼まれる予定なので、新しいローションを買う日も近いかもしれない。