ジャパニ・ホテルの未来
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コルカタには色々な魅力が詰まっている。19世紀頃に建てられた素晴らしい大英帝国時代の建築も、そのひとつである。街を歩けば、思わず息を呑むような古い屋敷に出会うことが何回もある。風化にさらされながらも、その優美さと壮大さに圧倒される。
ご存知のとおり、インドの現在の首都はデリー。1911年にデリーに遷都されるまでは、コルカタがいわば首都であった。従って、当時のオフィス街であるコルカタ北部BBDバーグには、インドとは思えないような重厚でクラシカルな建物が並んでいる。この地区をそぞろ歩くだけで、文化遺産クラスの建築フルコースを堪能できる。
この地区にGreat Eastern Hotelという白亜のホテルがある。1840年にAuckland Hotelという名称でイギリス人向けに開業され、インド人は宿泊することができなかった。当時の広告でも、「政府機関のすぐ側」という立地を売りにしている。当時は流行の最先端を行くホテルだったようで、ホテル内のショッピング・アーケードもこのホテルから広まったといわれている。その規模とホスピタリティ精神の素晴らしさから「東洋の宝石」と呼ばれていたほど。さらに、このホテルには別のニックネームがある。「日本人ホテル(ジャパニ・ホテル)」と呼ばれていた時期もあるのだ。それも戦後まもなく1950年代のコルカタで。この当時、多くのジャパニーズ・ビジネスマンやツーリストがコルカタを訪れ、その際に好んで利用されていたのがGreat Eastern Hotelなのである。
180年以上の歴史をもち、70年以上も日本人の憩いの場であったGreat Eastern Hotel。現在は大幅なリニューアルを経て、再オープンしている。建物の半分は残されており、かつての面影がうかがえる。その隣には眩いほどの白亜のラグジュアリーホテルが建設されている。
大英帝国繁栄の面影を映すコルカタ。この素晴らしい建築群と共に、どのような未来を歩んでいくのだろうか。
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