ポージングの環境づくり
はじめまして。フォトグラファーのリョウと申します。
僕はLIELOS【リエロス】というクリエイティブチームを組み、広告(クライアントワーク/ストックフォト)の撮影をおこなっています。
ファッションフォトグラファーの師匠のもとで2年半ほどアシスタントを勤めた後に独立し、現在フリーランスフォトグラファーとして14年目になりました。
普段スタジオなどで撮影をしていてよく思うのは、ほんのわずかな工夫をするだけで写真の仕上がりが一段と良くなるということです。少し立ち位置を変える、少し人物と背景を離す、少し光の角度を変える・・・などなど。
このnoteでは、スタジオなどでより良いポートレートを撮影するための、そんな「一工夫」について書いていこうと思います。複雑で大掛かりな撮影手法は出てこないと思うので、これからスタジオワークを勉強したい方やライティング初心者の方にも有益な情報になるかと思います。
本日の写真
本日はこちらの写真について解説します。
モデルはいつも素晴らしい仕事をして頂いている伊與田愛子さん。(いつもありがとうございます!)
さっそくライティングの配置図を見てみましょう。
正面からオパライト一発という、とてもシンプルなライティングです。
モデルの前には白いアクリル板を置いています。これはシンプルにレフ板として影を起こす役目や、アクリル板にモデルを反射させることで上品さを出す意味合いもありますが、それ以上に「ポージングのバリエーションを増やす」という目的があります。
重心を乗せられるもの
ただ椅子に座ってモデルにポージングをしてもらうより、机・壁・床など、モデルが少しでも重心を乗せられるものを加えることで、ポージングにバリエーションが出ます。
例えば目の前に机を置いてそこに肘を置いてもらう、壁際に立ってもたれてもらう、地べたに手をついて座ってもらう、などです。
ただ座っている(立っている)モデルに「こういうポーズもお願いします」と指示するだけでなく、モデルが自ずとバリエーション豊かなポージングをしやすくなる(もしくは「してしまう」)環境づくりをすることも重要です。
日常の自分の行動からヒントを得る
普段自分がどのようなポージング(動き)をするか考えると、今はテーブルの上に置いたPCのキーボードに手を伸ばしているし、疲れたらソファで寝転がるし、上り坂を歩くときは少し前傾姿勢になります。
つまり人間は環境から完全に離れて自由に動いているのではなく、環境(机・ソファ・上り坂など)によって自分の動きを規定されています。人間の動きと環境は常に1:1の関係にあります。
このように日常の中でどういう動きをするか、もしくはどういう光を受けているかなど、日頃の自分の行動の中にもスタジオワークに活かせるヒントが隠されています。
最後に
今回はポージングのバリエーションを豊かにするための工夫について解説しました。ご感想・ご質問などあればぜひコメント欄にご記入ください。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。