46万回のありがとう #21 卒婚
これは、ワタシが46万回のありがとうを言うまでの奇跡の記録。
21日目の朝。
陽の光が差し込む前に目を覚ます。
昨日のことを思い出し、ありがたい気持ちになる。
昨日は高3息子の卒業式だった。
息子の高校生活は、コロナで余儀なくされたオンライン授業で始まり、高2でワタシと元夫が離婚。ワタシと娘が家を出るという波乱に満ちた3年間だった。
にも関わらず、仲間に囲まれ支えられ、昨日という日を迎えることができた。
息子から
「3年間ありがとうございました」
と言われた。
お弁当を作ってあげられなかったし、そばで支えられなかったのに、だ。
こちらこそありがとう。
お互い照れくさくて直接言えないから、LINEで言葉を交わす。
親子の縁はどうしたって切れない。
ついこないだ生まれたかと思ったら、今では息子の方がワタシを支えてくれている。
ワタシはなんてラッキーだろう、と、昨日帰りがけに買ったくるみパンをむしゃむしゃ食べながら、涙ぐむ。
子育てというけれど、育ててもらったのはワタシの方だ。
卒業式で証書をもらう生徒たちをみて、人間関係も学校と同じだと思った。
人間関係がガラリと変わる時がこれまでのワタシにも幾度となくあった。
いつの間にかその人との連絡が途絶えたり、会わなくなる時はきっともうその人から学ぶことがなくなった時、次のステージへ行く準備ができた時なのだろう。
そうか。ワタシの離婚は卒婚だったのか。
息子の卒業式でまさかの発見だ。
辞める、止める、終わるは卒業。全ての学びの課程を履修し終え、もうこれ以上そこから学ぶことはないということだ。そしてもう、次の学校での学びがすぐそこに待っている。本当にそうだった。
だから何かがもし終わりになっても嘆く必要はない。
ガスストーブの懸命な労働むなしくシンと冷え切った体育館で、そんなふうに一人密かに思う。
昨日は息子や息子を支えてくれた人に10,000回のありがとうを唱えた。
46万回まで残り40万回。
これを読んでくださった方にもありがとう。
ありがとうを言われた側にも徳が積まれていくそうです。