邪推
車通りの多い道を歩きながら、今ここに飛び出しても別にそれはそれでいいかもしれない、と仕事からの帰り道に毎日思っていた
すごく嫌なことがあったわけでもなく、薄っすらと、緩やかに自分を取り巻くすべてに絶望していて、私を引き止めるものはきっとこれでは親不孝だな、という感情だけだった
全く同じ通勤路を歩きながらそんなことを、ふと、先日考えていたところだった
あの日々を思い出して、今はまだあちら側へ行くには早すぎる、だって来週ポップアップだし、その後にはコラボカフェがある、と考えた自分が可笑しくて、幸せで、ひとりで笑っていたところだった
彼らにとっての幸せはなんだろうと考える
ただ幸せになって欲しい、といつも思ってるけど、彼らが思う本当の幸せはなんなのか、多分それは永遠にわからない
10代の頃から「普通の」青春を捨てて、不確かだけど輝く未来に人生を捧げて、その夢が本当に叶う瞬間、それが一体いつなのかも私にはわからない
私は彼らのことを何にも知らないし、これからも知り得ないのだと痛感する
私が幸せをもらうだけ彼らの心をすり減らしているのかもしれない、と考えてしまって苦しくなることもあるけれど、本人たちの言葉をただ信じて、どれだけ大好きか、届くかわからないメッセージを送り続けることしかできない
だからこそ、世界中の大きな会場でファンの歓声に包まれてライブをしていても、その数時間後にはホテルや家でひとり、ただ私達と同じように眠れない夜を過ごしているかもしれないことを絶対に忘れてはいけないと思う
彼らを傷つけるすべてのものから守ってあげたい、と思うけれど、私達にできることはそれしかない
それがアイドルとファンの関係で、それ以上でもそれ以下でもない
それでも、ただ願うことは、みんなが幸せでありますように
亡くなった彼のご冥福をお祈りします
メンバー、ご家族、ご友人、そしてファンの方々がどうか自分を責めず、他人に惑わされることなく悲しむことができることを祈っています