心臓血管外科手術記録2020/07/27
解離性大動脈瘤に対するEVAR
経過で増大するAAAに対してステントグラフトでの治療を計画、中枢ネックは25mmほどの長さがあるが、15mm→24mmリバーステーパー型。デバイスはendurantを選択。右CIAも拡大しており、ステントグラフトをEIAまで伸ばす計画で、IIAのコイル塞栓も行った。
手術の工夫は以下の通り
右から同側でコイル塞栓、MHK2のカテーテルを使って大動脈分岐部上で形を作り、回しながらCIAにおろしてIIAにengageさせる、マイクロカテーテルを用いて上臀、下臀分岐部まで進め、interlock8mmでアンカリング、その後pushableのtornede5mm4mmで塞栓させた。このパターンで同側からのコイル塞栓の方が対側cross overより明らかに簡単だった。
中枢展開はreverse sliderテクニックをかなり丁寧に使った。逆方向に戻す動作はかなり大胆に回して、少し抵抗があるまで回してOKだった。むしろゆっくり中枢ネックを作っていくイメージで、反対側の腎動脈(今回は右アプローチなので右腎動脈)側にゆっくりゆっくりと倒し込んでいくイメージ。
reverse sliderテクニックのやり方は、1ステント展開ごとにトップキャプチャーを少しだけ回して、さらに展開と逆回転(時計回り)に回して詰め込んでいく。これを最初の3ステントで繰り返すことで横シワを作ってエンドリークを減らせる。これはかなり効果的なテクニックだと思う。中枢ネックが短いもしくはリバーステーパー型の場合は間違いなくendurantを使用した方がいいと思う。
外腸骨ランディングはいつもの通りexcluder legを使用。こちらの方が脚閉塞のリスクが明らかに低いので、工夫というかルーチンで使用。
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