心臓血管外科手術記録2020/10/26
76才男性、DM患者のCABG on pump arrest
最近の胸部外科学会annual reportや海外のデータでもoff pump CABGは確実に減ってきている。日本国内は60%を切っている。逆に言うと半分近くはarrestでCABGを行っている。off pumpに不慣れな自分には追い風で、さらに麻酔科との連携が難しい中小病院では安全に人工心肺を用いて心停止下にCABGをするのがより良いと考えた。
Hba1cは7.6%だったが、念のため7日前に入院、強化インスリン療法を行った。手術は両側ITA+SVGを採取したのち上行送血、右房脱血でポンプオン。LAD,OM、#4PDをbeatがある状態でマーキングしておいた。ベント入れず、大動脈遮断(石灰化があり遮断に苦労した。)基部から心筋保護を投与して心停止を得た。SVGー#4PD吻合、LITAーOM、RITA ~LADの順に吻合(いずれも7.5−0)し、最後にAoの大湾側にパンチャーで穴を開けAo-SVG吻合(6−0)、人工心肺からの離脱は問題なし。閉胸は胸骨プレートを使用。術後2週間後にCAGでグラフトの開存を確認して退院。