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令和6年行政書士記述式民法問46

 令和6年民法記述式問46について、試験委員の出題意図や難しさの原因について掘り下げて解説したいと思います。YOUTUBE動画と同一内容です。
YOUTUBE動画は以下のURLからアクセスできます。

1 民法記述問46の難易度


 受験生全体で見れば難しいと感じた人の方が多いのではないでしょうか。
 予想どおりの債権者代位権の法改正部分からの出題(私の直前予想動画でも予想)でしたから、債権総論の法改正の条文を事例つきで解説している行政書士用教材で学習し記憶していた方は解きやすい一方で、条文素読を重視していて、典型的な事例までイメージできていない方は難しいと感じたと思います。

2 事例分析と試験委員の出題意図
 

 問題文の事例と法律構成がやや複雑なため、YOUTUBEで図解豊富な
「動くテキスト」(YOUTUBE動画)を作成し解説しています。
以下のURLからご視聴いただけます。
https://youtu.be/xB7RMtLnJVg

3 問いかけの内容 と 解答例

【問題文の事例に書いてあるAの希望】
 Aは、甲土地の所有権取得の登記を具備したい。

【問46の問いかけ内容は4つ】
Aは、
❶何のために
❷誰の誰に対する
❸いかなる権利を
❹どのように行使できるか

❶は目的、❷は誰の誰に対するを指摘し、❸は権利名、
❹は権利の行使方法を書く。

解答例
  Aは、自己の登記請求権を保全するために、BのCに対する登記請求権を代位行使できる。(41 字)

解説
【❶何のために】
 
 何を書く❓ 字数が多すぎなければ条文の用語に寄せるのが無難。
条文のみだしの文言は、以下のとおり。
 423条の7 (登記又は登録の請求権を保全するための債権者代位権)
 よって、「登記請求権を保全するために」が無難。

【❸権利名をどう書くか】 
 権利名も、条文に寄せて書ければ無難ですが、 
 423条の7の条文上は「登記手続をすべきことを請求する権利」(17字)
 ⇩
 ❸の権利名に17文字も使うと、全体が45字以内におさまらない。
 ⇩
 民法学者等はどのような用語を使っているかというと、
 民法学者は書籍の中で、「登記請求権」(5文字)の用語を使っている場 
 合が多く、
 民事実務の書籍(民法と民事訴訟の融合分野)では民事訴訟の訴訟物の表記 
 に「所有権移転登記請求権」(10文字)の用語を使っている。
 ⇩
 ❸の権利名だけに10文字使うと、全体が45字以内におさまらないので、
 「登記請求権」の用語を採用。
※本問では所有権移転登記手続きに協力せよと求める権利のことなので、
必ずしも、「登記請求権」という用語でなくても、意味が通じれば減点はしないと思います。本当は、「所有権移転登記請求権」と書きたいのですが、字数制限でアウトになることは、試験委員もわかっているはずですし、問題文から所有権の移転の話であることは明らかなので、今回の問題では「所有権移転」は省略でもOKなんだろうと考えています。

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講師とよた
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