推しが死ぬ話

小学生頃からオタクだった5つ離れた姉に感化され、オタクになった。

あらゆる作品を見てきたし、あらゆるジャンルに手を出した。

絵や小説も書いたし、友人と延々と語り合うことも未だにやっている。
ただこの長いオタク生活で悲しいかな、とにかく推しが死んでいくのだ。

推しが死んだ時の気持ちが分からない、と友人に言われた時は心臓が口から出そうになった。

例えばジョジョだが、それまで絵柄で敬遠していたものの、3部のアニメを見始めて内容を知り全巻を揃えた。
出会いが3部だったこともあり、3部の主人公であった承太郎が推しになったが3部でも4部でも死ななかったので推しの無事を神に感謝した。

実際、ジョジョではキャラの死が多いので、わたしの推しだからという事もないが6部では油断していたせいでショックもでかかった。

それでも承太郎は全然マシだと思う。
娘を守るため、という死に意味があったし、ストーリーの盛り上がりとしては必要不可欠だったと思うからだ。

様々な推しの死の中でも、なぜ死んだのか全くわからないキャラもいた。
死因はなんとなく分かるが、明確に死んだという描写はなく、多分こうしたら死んじゃったんだな〜という感じだった。
推しが死ぬ事でストーリーが盛り上がったような気もしなかったし、推しの死がボスを倒すきっかけになったとかでも無かった。

気づいたら最終回に墓が出てきて、推しが死んだのを知った。

これは普通に辛かった。

最早推しが生きているのか、死んでいるのか、死んでしまったかのような仄めかしが描写されるがそのまま数年たってるマンガもある。

推しの性格がクソすぎて、ストーリー上絶対に死ぬなって思う推しほど中々死ななかったりする。
頼む!死んで!!推し!!
という感情が出た時、推しとは…??という宇宙ネコが頭の中を彷徨う。

作品は好きだけど特別推しがいない漫画でも、このキャラ好きだわ〜と思っていたキャラが、作品内で何故か優先的に死んでいく。

死に近そうなキャラがすきになるといえばそうなのかもしれないけれど、悉く推しが死ぬともう自分が怖くなる。

推す前に推しが死んでた。は絶望が凄いが、絶対大丈夫だろうと思ってたキャラがスッと死ぬとびっくりする。
これは経験がないと分からないと思うし、経験がないに越したことはないと思う。

死ぬ2ページくらいに戻って、あっ夢か…全然勝てそうだもんねと自分を落ち着かせて元ページに戻り死んだ推しを見てもう一度びっくりする。
アホだと思うと思うが、推しの死も数日かけて向き合わなくちゃいけない。

メインキャラで死ぬならまだ分かるが、例えば20話くらい前に出てきたキャラで、いい感じだな〜と思っていたら23話には死ぬ
なんてことザラだ。
キャラ立もしてたし、名前もビジュも良かった。話のメインに食い込む感じじゃ無かったが、ストーリーを作る上で使い勝手も良さそうだった。

サブキャラ的立ち位置の推しだと、死んでもそんなにしっかり触れてもらえないので辛いし、早く死ぬとキャラ設定が全く分からないので自分で考察した結果オリキャラみたいになる時がある。

一度も推しが死んだ事のない人って凄いと思う。
主人公なんかは死ぬ確率が低いけど、それでも0じゃない。

少女漫画しか読んでないというならわかるけど、でも7seedsも少女漫画の括りだと思うので一概に少女漫画は人は死なないとは言えない。
王家の紋章みたいに死にそうだけど全然死なないキャラならいっぱいいると思う。


ある推しが死んだ時、わたしはそれで、推しが完成した…。
と思った。
わたしの中であまりにも完璧すぎる推しの死で、それ以上の推しの死には会ったことがなかった。

基本的にわたしは地雷がないのだけれど、そのキャラの生存パロは好んで読まない。
わたしの中のその推しは、その死に方をしたが故に完成したので生存という選択肢はないのだ。
それなら学園パロ的別の世界線の方がまだマシだった。

その推しの死は完璧すぎてそのシーンだけ額縁に入れたいぐらいだ。


キャラが死ぬ分だけ、推しの死を味わっている人もいるが、そんな推し死もある。
推しの死は絶望だけではないのだ。

それでも新しい作品に出会い推しに出会うたび、死亡フラグが立つと床に転がりたくなる。
それでもわたしは、これからも推しに出会い続けるし、推し死に遭遇し続けるだろう。


いいなと思ったら応援しよう!