【詩】白と黒に目を凝らす
ここはどこなのだろうか
見渡す限り真っ白で周囲に何もない
分かるのは自分の鼓動だけ
このままどれ程の時が過ぎていくのだろうか
ひどく退屈で何もかもがどうでも良い
いっそのこと、この鼓動すらも止めてしまおうか
ふと覚える違和感
自分の目の前に何かがある
何かがあるのは確かだが、何かは分からない
いつからあった?
はっきりと認識できないのは何故なのか?
疑問がいくつも湧き上がる
触れて確かめてみようか
いや、触れてしまってはより分からなくなる気がする
目の前の何かに目を凝らす
どれだけ時間が過ぎただろうか、それでも観ることを止めない
徐々に、本当に少しずつ、目の前の何かには陰影があることが分かった
そうかそういうことか
さらに凝視し続け、陰影を明確にしていく
ようやく目の前の何かの全体像を捉えることが出来た
…
「おはよう!」
いつもの君の声、いつもの道
「おはよう」
返す自分の声がいつもより明るく、微笑んでいることに気付く
変わりない日常について話す君
今の自分なら目の前の君にもっと向き合える気がする