90's少コミのギラギラした愛に憧れが尽きないオトメ心A/W -天は赤い河のほとり編-
天は赤い河のほとり編です。こちらの作品は宝塚歌劇で舞台化した際に原作ファンの友達と観劇したことが出会いでした。なんとなくふしぎ遊戯にも近い、ヒロインがやたらとモテるストーリー。それに加えて国と国を交えた政治的な争いや戦、権力争いなんかもあり、それが古代オリエントの中で生々しく描かれているという面白さ。そして個人的にツボだったのは、その時代のアクセサリーはじめ装飾品のテイストが好みの極みでした!参考までに宝塚のラムセス様を重点的にギャラリーをご覧ください。
金とルビーとサファイアとトルコ石と・・みたいなあの色使いと、布地の模様や額当てなどなど、好きなテイストばかり!すてき!
⑴主人公がウザくない
少女漫画の主人公で時々あるのが、意味不明な主人公である。とくにかまってちゃんだったりすると、そもそも感情移入ができなくなる場合もあり楽しさ半減となってしまうところだが、天河のユーリちゃんてばすごくしっかりしている。もちろん起こる出来事が全部人の生死に関わったり死にかけたりするもんだから否応なく賢くなったのかもしれないが、大人になって読み返しても実に立派な女性である。ユーリちゃん。特に後半は政治的手腕や後宮のしがらみなんかも上手にかわせる賢さもあっていたく感心してしまう。そんなユーリちゃんも辛い別れもあり、一人の女性として成長していく様を見ていると、自分も頑張らなければ!という気持ちになる。あと、普段はカジュアルなのに着飾ると超美しくなるあたりもオトメのポイントを掴んでいます。すばらしい!
⑵思い通りにいかないこともある
これ、快感フレーズだったら絶対すぐ咲也が助けに来るよね。っていうシーンでも助けが来なかったりする。でもなんとかなるんですが、そのなんとかなり方が伏線混じりだったりして、読者のオトメたちはヤキモキしながらもワクワクできてしまうのかもしれない。ザナンザ皇子はじめラムセス様やルサファなどなどいろんな男性を惹きつけてしまうのはユーリちゃんの才能なのかもしれない。なんせみんな賢くて読んでてストレスがあんまりない。それぞれの男性陣も各々にしっかりユーリちゃんを愛しているので、身の丈もわきまえているし、自分の範疇でユーリちゃんを想っているのがなんとも素敵。万が一何かやらかすとしたらだいたいはナキア様のせいです。
⑶カイル皇子イケイケ
カイル皇子とユーリちゃんが晴れて結ばれるエピソードがあるんですが、これにおったまげました。ぜひ読んでみてください!(4日って・・・・!)
⑷装飾品が素敵
男性陣もイヤリングとか腕輪とか装飾品をつけておられてセクシーです。自分でも似たようなもの作ろうかなと思う勢いで金×赤が美しく砂漠によく映えます(砂漠にはいったことない)特に宝塚版のアクセサリーが全部素敵でした。いいね~!
⑸そもそもストーリーが重厚で読み応えがある
天河はベースとなるヒッタイト王国の情勢はじめ権力闘争など史実を踏まえた創作の中ですごくリアリティのある駆け引きが描かれています。篠原さんの漫画はどれもそうですが(今連載中の「夢の雫、黄金の鳥籠」も1巻お試し読んだだけで引き込まれました)伏線が張り巡らされていてその中にときめきもあるという見事な作品で、本当にこの作品と出会えて幸せだなと感じます。
ご都合主義も度を越していないけれどオトメの夢が詰まっていて、時代柄辛いシーンもありますがその分中身の詰まった完成度の高い作品だなと感じています。この絶妙な面白さを分かりやすく解説してくださる【少女漫画に学ぶ[ヲトメ心とレンアイ学]】をぜひ読んでみてください。
あと宝塚の天は赤い河のほとりも気軽に楽しめる天河ですので、見てみてから漫画原作を読むのもお勧めです!なんせあの二人の恋愛に憧れます!素敵!(宝塚版はネフェルティティ様が美しくてうっとりいたします)