くまでんしゃ
文・絵 いわむらかずお
出版・岩崎書店 1975年初版
動物園駅の近くに住む「ぼく」。電車が大好きで、通りすぎる電車を眺めていると、見慣れない茶色の一両だけの電車が目の前で停車しました。クマの運転手が、「きみ、運転助手をやってくれないかい?」と声をかけてきました。素敵な出来事!と思った「ぼく」。手を差し出され、運転席に上がり、乗務員帽子を被り出発進行!
「これから、素敵な荷物を取りに行くんだ。今夜のお祭りのためにね」と運転手さんが言うと、どの駅にも止まらずに、トンネルを抜け、野原の中を走り抜けると、「はなばたけ」駅に到着、そして様々な駅で綺麗な箱の荷物を積み込むと、急いで動物園に戻りました。帰りがけ、ご褒美にもらった箱を開けると…!!
※「」の引用は、一部ひらがな表記を漢字表記に直しています。
いわむらかずお氏の初期の作品です。パステルの優しいイラストが物語の世界に誘います。
この絵本は、生まれて初めて自分で選んで買ってもらった絵本(初版)で、今も持っています。40年後、栃木県にある「いわむらかずお絵本の丘美術館」を初めて訪れた時に、この絵本を持参しました。その日は、いわむら氏が在館していて、お見せしたところ大変喜んで「今までよく持っていてくれたね!ありがとう」とおっしゃってサインしていただきました。そんな思い出の1冊です。