![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/173874044/rectangle_large_type_2_16515281252744fdfae012d57291216b.png?width=1200)
きかんしゃキト号
文・絵 ルドウィッヒ・ベーメルマンス
訳 ふしみみさを
出版社 BL出版 2015年
この絵本は、南米エクアドルを舞台にしたお話です。
アンデス山脈の谷間を、元気よく走る小さな赤い蒸気機関車「キト号」。
美しい谷にある、可愛らしい土の家を太陽が優しく照らします。
その家には、ペドロという男の子の赤ちゃんが住んでいました。
庭でニワトリを見張りをしていると、キト号の汽笛が聞こえます。
ペドロは、大喜びでピョンピョン跳ねて、赤いポンチョをはためかせ「ダダダダ!」と叫びます。
ある月曜日、お父さんが粘土で作ったお皿や花瓶を売るために、ロバに積んで、お母さんとお姉さんと一緒にオタバロの市場に向かいます。
そこに、キト号の汽笛が聞こえました。キト号はホームで停車して給水をしています。
ペドロは大喜びで、お姉さんが目を離した隙に、ピョンピョン跳ねて、なんとキト号に乗り込んでしまいました。
そして、汽車は駅を出発して、ジャングルを抜け、海辺の街向けて走り出します。
これから一体どうなるのか?ペドロの4日間の冒険が始まりました。
エクアドルの位置をレモンに例えて説明したり、作者のユーモアを感じます。オレンジ色のイラストは、昔のアンデスの風習や牧歌的な雰囲気を伝えています。ペドロの冒険を助ける車掌さんが出てきますが、最後のシーンは泣けました。
作者のベーメルマンスは、「マドレーヌ」シリーズの作者でもあります。
訳者のあとがきに、1937年ごろベーメルマンスがエクアドルを旅して、実際にキト号に乗車したとありました。
ある時、娘さんが、「パパは才能があるの?」と聞くと、「うん、あるよ。世界一になれるぐらいね」と胸を張って答えました。「じゃあ、どうして今、そうなってないの?」と聞くと、「ぼくが人生を楽しみすぎているからさ。もっと不幸だったら、家にこもって、すごい作品を作ったろうよ。でも、世の中には楽しいことがありすぎてね!」
私も、自分の人生を振り返った時に、こう言い放ってみたいですね♪♪
この絵本は、この前に「特急キト号」(PHP研究所 2006年第1版)という絵本があって、題名を変えて再版された本のようで、イラストの色が茶色でした。私は、「きかんしゃキト号」のオレンジ色のイラストの方が好きですね❤️
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/173874300/picture_pc_b19e5f66435830ed6ef41c5883ace725.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/173874299/picture_pc_fe533b8e3729ef032ecbf6b853e9dda6.jpg?width=1200)