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【北米エンタメニュースまとめ】任天堂がSFに公式ストア、ミュージカル「進撃の巨人」がNY進出、AnimeNYCが漫画賞を立ち上げへ
日々の北米エンタメ市場のニュースなどのまとめです。拾い切れていないものもあるのでぜひリクエストお待ちしております。感想も歓迎です。
任天堂、サンフランシスコに公式ストアオープン
もはやエンタメ企業の一角として存在感を高める任天堂。単なるゲーム制作会社からIP企業へと変貌を遂げつつありますが、彼らにとってリアル店舗は顧客との接点を増やし、長くファンを続けてもらうための窓口。ということでそんな接点がまた米国のサンフランシスコに増えました。米国ではニューヨークに続く2店舗目です。次は南部でしょうかね。
ミュージカル「進撃の巨人」がNYで公演へ
日本コンテンツの海外進出が進む中、なかなか海を越えられないのが実際の3次元の人間がかかわる演目です。そのひとつが演劇。しかし「となりのトトロ」「千と千尋の神隠し」の舞台版がロンドンで好評を博し、にわかに日本の舞台芸術への関心が高まっています。「日本のアニメ・マンガ×舞台」といえば2・5次元舞台。その中でミュージカル「進撃の巨人」がニューヨークに進出します。
JUST ANNOUNCED! Oct 11 – 13, 2024
— New York City Center (@NYCityCenter) May 29, 2024
Direct from Japan, ATTACK ON TITAN: THE MUSICAL brings Hajime Isayama’s epic story to the stage, combining traditional musical theater techniques with state-of-the-art technology. pic.twitter.com/OpgRiaImcI
公演期間は限られていますが日本から役者を連れていき、日本語で上演(当然英語の字幕はつくでしょう)というのはチャレンジングな取り組みです。ニューヨークではかつてすでに舞台版のセーラームーンが上演されるなどしていますが、ぜひ演劇の一大市場であるニューヨークに日本の2・5次元舞台が受け入れられてほしい。その点でも世界的な人気を持つIPである「新劇の巨人」という選択肢は悪くないと思います。漫画原作というだけでなく、純粋なストーリーとして観客を呼べるコンテンツなのでしょう。
ほかのコンテンツより観られているアニメ Netflixのデータ分析より
「世界でアニメが人気」といいますが、プラットフォームがなかなか情報を公開しないこともあり実際にどれぐらい見られているのかというテレビでいう「視聴率」のようなデータはなかなかわかりません。その中でNetflixが公開したデータからアニメがどれだけみられているのかを分析した記事がこちらです。2023年6~12月にNetflixの視聴者がアニメを見た時間は3・5億時間。よく見られたのは「わたしの幸せな結婚」「刃牙」などのよう。特にNetflixオリジナルアニメが検討したとのことです。漫画「ONEPIECE」の実写版が放映されたことも漫画・アニメコンテンツそのものへの関心を高めました。
Webtoon、米国でのIPOに先立ち売上高などを公開
米国株式市場でのIPOに先立ち、ネイバー子会社のWebtoonが売上高などを公開しました。1~3月期の売上高は前年比で5%の伸びですでに利益も出ているとのこと。月間アクティブユーザーは1億7000万人とのことなのですでに一大経済圏ですね。
「劇場版ハイキュー!!」北米で好発進
日本で大ヒット作となった「劇場版ハイキュー!!」。順次日本以外で公開されていますが、北米映画市場では5月31日〜6月2日の興行ランキングで7位に。並みいるハリウッドの作品のなかで大健闘だと思います。
AnimeNYC、漫画賞を立ち上げへ
米国の東海岸で大きなコミコンのひとつ、AnimeNYCがJapanSocietyと組み、漫画賞を立ち上げました。その名も「The American Manga Awards.」。米国市場での漫画の堅調な売れ行きを背景に、日本の漫画のクリエイターなどを表彰するとのことです。作品だけでなく、翻訳やレタリングの賞もあり、米国での人気の動向などが見えてきそうです。審査員も翻訳家から書店員、図書館員といまの市場に詳しい人が多いのでコメントも期待です。
映画ドラえもん、ベトナムで記録的な興行収入を達成
またまた北米ではないのですが、日本のIP輸出という点では面白いなと思いました。新作のドラえもんの劇場版がベトナムで大ヒットとのこと。以前からアジア圏ではドラえもんというIPが強いとは聞いていましたがこれをきっかけに過去作の上映にもつなげてほしいです。
翻訳カフェ緊急会議:マンガ翻訳の未来
漫画のAI翻訳を手掛ける「オレンジ」の資金調達のニュースをきっかけに開かれた漫画翻訳についての翻訳家の方々による座談会です。翻訳の現場でAIがどのように使われ、いかに漫画では難しいのかという問題意識が共有されました。ぜひ次回は実際に漫画翻訳を手掛けている方の意見もお伺いしたいです。
ニューヨーク公共図書館、夏の推薦書をピックアップ
充実した日本漫画のコレクションを持つニューヨーク公共図書館が夏の推薦書を公表しました。もはや当然のように日本の漫画の翻訳版なども入ってくるといううれしさ。ゲームクリエイターの小島秀夫氏の「創造する遺伝子 僕が愛したMEMEたち」の翻訳版や、タカキツヨシ氏の「HEART GEAR」、原作:麻生 羽呂 作画:高田 康太郎の「ゾン100」などが入りました。「ゾン100」はアニメも北米で人気ですよねー。
集英社のMANGA Plus、3000万ダウンロード達成
Exciting news! 30 million downloads!🎉
— MANGA Plus by SHUEISHA (@mangaplus_o) June 3, 2024
We're giving back to the amazing manga creators who make it all possible. For a limited time, you can watch an ad in our app, and a portion of the revenue will go directly to the creators. It’s a way to show your support and help bring more… pic.twitter.com/rCxobjVTOh
日本の漫画の海外進出を担う集英社のMANGA Plusが海外で大躍進です。とうとう3000万ダウンロードを達成したとのこと。週刊少年ジャンプの掲載作品はもちろん、最近は「ジャンプ+」で人気の出た作品の同時配信にも積極的です。ぜひ一大漫画コミュニティになっていただきたいです。
コミコンに声優が続々と登壇
夏から秋にかけての主に米国のコミコンの登壇者が続々と発表されています。この記事もそのひとつ。AnimeExpoの今年のパネルが一覧になっていますが、日本ではなかなかできないようなラインナップ。新作アニメのプレミア上映も活発です。
追加
この企画を始めるきっかけになった菊池健さんのマンガ業界関連の日々のニュースをまとめるマガジンです。
やはり話題になるのは、クールジャパンの再起動ですよね。これまでのクールジャパン制作は成功したものも厳しかったものもありますが、政府が関心を持ってお金を出そうとしていることは事実です。「なぜコンテンツ業界が?」という意見があるかもしれませんが、コンテンツ業界以外は各業界ともにロビイストを雇って政府に働きかけて有利な制度を作ってもらったり補助金を出してもらったりしています。コンテンツ業界にはしっかりお金を政府からとっていってほしいです。世界がみなを待っています。