完成度高すぎる舞台『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage -track.1-


ニコニコ生放送で2・5次元舞台を見ようのキャンペーンが私の中で続いています。チケット手に入らずあきらめていた作品も多いのでうれしい限りです。

で、舞台「『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage -track.1-」。

ヒプノシスマイクはもともと、声優×ラップの組み合わせでCDが発売されてどんどんメディア展開が広がりました。ちょうど今アニメもやっておりまして、もちろん声優はもとの企画と一緒です。物語の中で突然ラップを歌いだすので「これ、ミュージカルじゃん」と思いながら見ていす。しかも、ちゃんと後ろになんかすごいエフェクト効果というかなんか出てくるので、「すごい」と思っています。そんな中で「そういえば舞台やったよね」と思って見つけました。

※もともとのヒプマイについては、こちらの記事が詳しくて好きです。

「君は”ヒプマイ”を知っているか!? 女子歓喜の声優ラップバトル「ヒプノシスマイク」の魅力を徹底解説」


声優とは違う役者起用の成果

この舞台、ちょうどヒプマイプロジェクトが盛り上がってきたところ、アニメ化よりも先に公表されました。ただ発表直後、役者がもとのプロジェクトを走ってきた声優とは違うと、おそらく初期からのファンと思われる人たちからの反発も出ました。

2・5次元舞台の初期の初期は、アニメの声優がそのまま舞台版をやることもあったので、「それもいいかなー」と思いつつ、舞台版は舞台版で戦略があるのだろうと静観していました。しかもチケット代は1万8000円と、2・5次元舞台の中では決して安くはない水準。

1万8000円は高くないのではないか

で、結果。今回みて「あ、これ1万8000円の価値あります」と思いました。

ヒプマイなので基本はあの世界観とキャラクターの設定はそのまま。そのうえで舞台上で、オリジナルの物語+各ディビジョンによるラップバトルが展開されます。「Track1」はもともとの企画から池袋と横浜が参加し、さらに舞台オリジナルの赤羽ディビジョンが登場です。

そもそもヒプマイの企画は、キャラクターとディビジョンの設定に、ラップの歌詞とドラマCDを通じたなんとなくのキャラクター同士の関係性しかないのでいわゆる原作となる「物語」はありません。そのため当然舞台版ではオリジナルの脚本に。Track1はラップバトルの対戦相手である赤羽になんか不穏なうわさがあって、さらにその赤羽には池袋ディビジョンの山田一郎と因縁のある相手がいて。。。という絆物語になっています。ディビジョンによるラップで戦うという世界観を維持しつつ、オリジナルディビジョンが登場することでより物語が広がるという仕組み。

ヒプマイを楽しんでいる方はご存知だと思うのですがすでに各ディビジョンはキャラクターと歌によってかなりディビジョンの色がついているんですよね。今回の舞台ではオリジナルの曲を入れつつもその色は決して崩さない。世界観を維持しながら拡張していくという舞台版に求められることをきっちり果たしていると思いました。

一郎とかずのデュエット(というのでしょうか?)もよかった。後ろの花火演出すてきです。それでこのあと、池袋と横浜のバトル、つまり山田一郎と碧棺左馬刻が待っているんですよね。(アニメ版では横浜ディビジョンの碧棺左馬刻はスタンドマイクで戦いますけど、舞台版ではすでにやっていたのかと思いました。)

あとオリジナルの赤羽が「強そう」なのがいいです。もちろん物語の展開上、池袋が勝ち、最終的に赤羽は負けることになるのですが物語の中ではこの敵役が強くないと「主人公」も光らない。(テニミュでいつも青学が勝てるかハラハラするのと同じです)。この「強さ」を舞台上で感じさせるには音楽はもちろん、役者の演技と歌に掛かっているのですが今回の赤羽ディビジョンはそれをしっかりやり遂げていたと思います。

舞台作品としてすごい

そもそも舞台作品として、プロジェクションマッピング含む映像と音楽の活用がかっこよすぎる。「演出神」と思いました。個人的には池袋ディビジョンのところのゲームダンスが気に入りました。刀剣乱舞のミュージカルがやった「1部の物語と2部のライブ」形式(福利厚生と言われていますよね)で1部の物語からきっちり2部につなげつつ、2部で歌とダンス見せつけるのはずるい。

これでもともと「声優×ラップ」の歌から始まり、スマホゲーム、アニメ、舞台と展開したことになるので、ヒプマイの世界が好きな方で「どれが好き」って出てくるのでしょうね。個人的にはそれぞれのメディアでオリジナルの曲があるので、声優陣に舞台版の歌とか歌ってほしいです。

※コミカライズについては正史と認めるのか古参のヒプマイファンの方にお伺いしたいところです。コミカライズについてはこちらの記事が私には神です。

役者が豪華すぎる

ひとつみるといろいろ調べたくなるのが悪い癖なので、track1以外の公演というかほかのディビジョンの役者を見たのですが、とにかく役者が豪華。2・5次元舞台で名を挙げた人、これからの人そしてベテラン勢とバランスがとにかくいい。これいい舞台になりますわ。

まずですね、山田一郎が高野洸さんですよ。ダンスもですが刀ミュで歌もうまくなった人にラップの力までつけさせるってこの先どうするだろう、と。

これまで2・5次元舞台は若手俳優の登竜門的な部分があって、公演を通じて成長していくのを楽しむところもあったのですが、ヒプマイの舞台を見るとみんな動けて歌もうまいので、最初からすごい完成度の高いものを見せられていていい意味で衝撃です。それでいて舞台作品初の役者もいるのですよね。(予算が付くようになって練習期間をしっかりとれるようになったとみています)。もちろんそれでも公演を重ねればレベルが上がっていくのが舞台作品の面白さなのですが。

TEAM PARTYやりませんか

2・5次元舞台好きの方はご存知だと思いますが、昔「ミュージカル テニスの王子様」ではTEAM PARTYという学校別企画をやっていたことがあります。私はチケットが手に入らず、氷帝学園しか行けなかったのですが、テニス漫画原作なのにテニスをせずに休日のファッションとか競うのですよね。あとは歌とダンス。ヒプマイでもディビジョンごとのイベントやりませんかねー。


※舞台と全然関係ないのですけど、ヒプマイって「男性が戦争ばっかりしているのに怒った女性が権力を握って、ヒプノシスマイクを配って殺し合いの代わりにラップバトルをさせる」という世界観で、出てきたときその世界観の設定とかラップの歌詞が一部で批判されたのですよね。(参考記事)それっていまどう受け止められているのだろう。

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