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【北米エンタメニュースまとめ】「とんがり帽子のアトリエ」がフランスで豪華装丁版発売、ジンバブエでオタクイベント、アニメ配信市場の競争激化

日々の北米エンタメ市場のニュースなどのまとめです。拾い切れていないものもあるのでぜひリクエストお待ちしております。感想も大歓迎です。


BOOK☆WALKERグローバル版で読まれた作品は何か?

年末が近づき、2024年総括の記事が増えています。こちらは電子書籍配信サイト「BOOK☆WALKER」のグローバル版で何が読まれたかのランキング記事です。ライトノベルでは「無職転生」が人気。漫画では「イジらないで、長瀞さん」が読まれました。


Vtuber事務所「カバー」の谷郷元昭CEOインタビュー「米国でローカルブランドとコラボ」

谷郷CEO曰く、カバーは日本でニッチファンダムとメインカルチャーをつなぐために、いろいろなブランドとコラボしてきたとのこと。Vtuberはもちろん日本で人気ですが、2024年は米国やドイツなど日本以外でのファンベースの拡大が目立ちました。この流れを受けてカバーは米国に本格進出するために拠点を開設、米国でイベントも開催しました。
Vtuberはアニメキャラクターのようでありながら、アニメのキャラクターよりもリアル。だからこそアニメのキャラクターファンもつかみつつあります。アニメのキャラクターのようでありながら中に生身の人間がいるから、アニメほどフィクションではない。次はゲームファンにリーチしたいとのこと。

ジンバブエでオタクイベント「OTAKUKON」

前週に続きアフリカのアニメ・漫画市場の話題です。ジンバブエでオタクイベント「OTAKUKON」が開催されたとのこと。ポスターでは参加者の呼称として「NAKAMA」という言葉が使われています。「NAKAMA」が新しい日本語として定着するかも?


南米のオタク文化がすごい!アニメやゲームが広がる理由

https://note.com/cont_cons/n/naee280cffea4


恒例の南米のオタク市場リポート。チリという国は南米の中でも安定した市場になりそうです。


「とんがり帽子のアトリエ」、フランスで豪華装丁版発売

2025年にフランス・アングレームにて原画展が開催されるということもあり注目が集まっている「とんがり帽子のアトリエ」。グリモワール版というハードカバーの豪華版がフランス語で出版されるとのこと。これは日本でもコレクション用にほしいかたいるのではないでしょうか?フランスのMANGA市場はこういうことをしてくれるから好き。


23年のグローバルアニメ市場、198億ドル


パロット・アナリティクスとAJAのリポート「Anime Industry Report」によると、2023年のグローバルな市場でアニメは198億ドルを稼ぎ出したとのこと。このうち55億ドルが配信で残りはグッズ販売など。「アニメはゲームやグッズ販売などを通して世界経済の拡大に寄与している」とのこと。そしてこのビジネスで日本は中核にいます。それでも配信市場においてアニメは6%とのことなので、まだまだ拡大余地はありそうですね。


2024年のアニメ、漫画などの各メディアお薦めまとめ

2024年も終わりに近づいてきたということで、年末年始に向けてみるべきアニメやTV番組、読むべき作品リストが各メディアごとにまとめています。

https://www.polygon.com/what-to-watch/24074811/best-anime-2024

こちらはポリゴンの「見るべきベストアニメ」。「薬屋のひとりごと」「うずまき」「ダンジョン飯」などが入っています。

こちらは同じくポリゴンの「ベストTV番組」。なぜか「ドラゴンボールDAIMA」や「ダンダダン」がこちらに入っています。

こちらは映画メディア「インディワイヤー」の選んだ「ベストアニメシリーズ」。「らんま1/2」や「勇気爆発バーンブレイバーン」が入っています。

https://www.teenvogue.com/story/best-tv-shows-2024-according-to-teen-vogue-staff

これはアメリカの代表的な女性誌VOGUEが発行するティーン向けマガジン「Teen Vogue」の選んだベストTV番組。「ダンダダン」が入っています。人気だなー。

https://www.comicsbeat.com/the-beats-22-best-manga-of-2024/

こちらはcomicsbeatの選んだ「ベスト漫画」。英語圏で人気の「気になってる人が男じゃなかった」入っていますね。「カグラバチ」もエントリー。カグラバチ、ジョン・ウィックやバットマンと並べられているの、わかっているーという気がする。そしてすでにジャンプ+の「英雄機関」が入っていることに、情報の広がりの同時代性を感じさせます。


カナダのコミコンTCAF、2025年の日程と新規会場を発表

https://www.comicsbeat.com/tcaf-announces-2025-dates-and-a-new-venue/

カナダのコミックコンベンションとして日本の漫画家の参加もあrTCAF。2025年の日程を発表すると同時に、会場をToronto Reference LibraryからToronto Metropolitan University’s Mattamy Athletic Centreに移すと発表しました。Toronto Reference Libraryがリノベーションのために一時的に閉鎖することが理由だそうです。新しい会場は従来のところよりも広いので出展者の増加も見込めそうです。

ソニーグループのクランチロール、アニメ市場での先行者メリットが脅かされている

非常に示唆に富んだ記事でした。これまで北米を中心に盤石なアニメ配信プラットフォームとしての地位を築いてきたソニーグループのクランチロールですが、ブルームバーグの分析によるとその先行者メリットが急激な追い上げを受けているとのこと。もちろん追い上げているのはネットフリックスにアマゾン、ディズニーといった配信サービスを手掛ける大手企業です。
もともとニッチな趣味だったアニメ。クランチロールはコアなアニメファンに支えられてきましたが、足元で増えているのはコロナ禍をきっかけに面白そうな物語に惹かれるカジュアルなアニメファン。(といいつつコアとカジュアルなファンの違いはいまいち定義されていないのですが)カジュアルなアニメファンはアニメ専用のクランチロールよりほかの映像作品も見えるネットフリックスやアマゾンを選びがちです。クランチロールは「2025年までに会員数2500万人」という目標を掲げていましたが、取材によるとこの達成も厳しいとの指摘です。
記事によると、日本の東宝や東映も、自社配給やネットフリックスとの提携強化など、クランチロールから距離を置き始めているとのこと。クランチロールはアニメ配信以外にも、グッズ販売やゲーム開発に力を入れていますがいずれもクオリティの面で日本の出版社の期待に達していないとのことです。

まあソニーグループなので大崩れということはないと思いますが、週刊少年ジャンプがネットフリックスとの関係を強めていることも踏まえると、アニメ配信市場で「クランチロール一強」という構図は変わりつつあるのかなとも見えます。こうした事情を踏まえると、ソニーのKADOKAWA出資の背景にある「アニメやグッズのベースになるIP獲得」という事情もより蓋然性が高まります。


映画『ルックバック』、米アニー賞長編アニメーション部門にノミネート

上記のクランチロールの記事に関係あるというわけではないですが、この藤本タツキ氏原作の映画「ルックバック」の北米配給もGKIDSが手がけました。日本アニメまわりがビジネスになると分かれば、参入者は一段と増えそうです。


追加
この企画を始めるきっかけになった菊池健さんのマンガ業界関連の日々のニュースをまとめるマガジンです。

菊池さんご指摘のように、「ブラックウォッシュ」は背景をしっかり調べたいと思います。すごく興味がある。KADOKAWAとソニーの資本業務提携は話題ですね。

今週はここまでー。引き続きよろしくお願い致します。


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