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【北米エンタメニュースまとめ】KADOKAWAがANNのメディア事業を買収、いかに漫画は世界を征服したか、米出版社ダークホースCEO「なぜコミックスは生き永らえたのか」
日々の北米エンタメ市場のニュースなどのまとめです。拾い切れていないものもあるのでぜひリクエストお待ちしております。感想も歓迎です。
業界ニュース
KADOKAWA、アニメ・ニュース・ネットワークのメディア事業を買収
最近で一番驚いたニュースです。北米圏のアニメ・漫画関連のニュースで頼りにしているメディア。アニメ・ニュース・ネットワーク(ANN)を、KADOKAWAが買収するという話です。
こちら、KADOKAWAからすると北米事業への本気度をうかがえます。ANNはアニメや漫画の話題を記事にしていますので、KADOKAWAのコンテンツの露出を増やすことができます。ANNはこれまでニュース以外にも独自の監督などのインタビューを掲載してきましたが、KADOKAWAのつながりでこうした独自の記事が増える可能性があります。
一方で英語圏の読者からは出版社の出資が入ることでメディアの独立性への懸念が出ています。取り上げる話題がKADOKAWA系のコンテンツに偏ることがないかという指摘もありました。
いずれにしろ、ANNがメディアとして長く続いていってくれればと思います。
米連邦地裁、出版大手2社の合併計画に差し止め命令
米首都ワシントンの連邦地裁が米出版大手ペンギン・ランダムハウスと同業のサイモン&シュスターの合併計画を差し止めました。2社は合併を発表しましたが、米司法省が昨年、合併阻止を求めて提訴していました。
劇場版「転生したらスライムだった件」、12月に海外市場へ
アニメ版が海外でも大ヒットしている「転生したらスライムだった件」の劇場版が12月、海外市場デビューすることになりました。北米だけでなく欧州の国々でも公開されるとのこと。
異世界転生ものは日本のみならず海外でも人気ジャンルです。映画版を待っていたファンも多いのではないでしょうか。
グールにデーモンスレイヤー、そして社会不安を抱える生徒たちーーいかに漫画は世界を征服したか
またちょっと北米からずれるのですが、こちらは英国の事情です。見出しには「conquer」という言葉が使われています。筆者がプレゼント選びに書店に行ったところ、日本の漫画を薦められたという話です。北米だけでなく、英国でも書店に日本の漫画が並んでいるそうです。
KADOKAWA第2Q増収増益 アニメ好調20%増で利益貢献も
こちらはKADOKAWAの2022年7~9月期決算です。出版事業は厳しかったようですが、北米で日本の漫画などの翻訳出版を手掛けるYenPressは好調だったようです。
「ONE PIECE FILM RED」、北米で公開初週にランキング2位
映画「ONE PIECE FILM RED」、北米で快調に実績を伸ばしています。公開初週のランキングで北米2位にランクインしました。初速でファンはいったと思われますので、このままリピーターや新たなファンを開拓して、どこまで実績を伸ばしていくのか気になります。
「ディズニー+、日本のストリーミング市場の成長を加速」との調査
ディズニーの配信サービス「ディズニー+」が7~9月期に日本でシェアを拡大し、Huluを上回って日本市場で第3位に入ったという調査結果が出ました。
日本の配信サービス市場では、アマゾン・プライムがトップでネットフリックスが続きます。ディズニー+がこれに次ぐということになります。リポートによると、日本ではアニメと韓国コンテンツが消費者を引き付けるカギになっているそうです。
米出版社ダークホースCEOインタビュー、なぜコミックスは生き永らえたのか
米中堅出版社ダークホースCEOのインタビューです。足元の漫画ブームよりも前からコミック出版・販売にかかわっていたかたのインタビューなのでこれまでの経緯と、今後の見通しは参考になります。
米景気はFEDの利上げで伸びが鈍化するとみなされていますが、コミック市場の力強さは変わらないとのこと。そして足元の好調さを受けて、過去に出版した作品の再出版や新規タイトルの出版も考えているそうです。
追加
この企画を始めるきっかけになった菊池健さんのマンガ業界関連の日々のニュースをまとめるマガジンです。
個人的には「アニメ、マンガ、2.5次元を支える「推し活」事情、調査で見えた…「概念消費」もトレンドに」の記事が面白かったです。
アンケート調査の読み解きなのですが、それぞれの「推し活」で消費額に差が大きいというのが印象的でした。確かに周りをみていても、舞台や推しの役者がいる人は支出額が大きくなりやすいと思います。
今週はここまでー。引き続きよろしくお願いします。