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マカロンのサブスクリプション

「ダロワイヨでマカロンのサブスクリプションが始まった」と聞いた時、最初は意味がわからなかった。マカロン食べ放題のことだろうか? そもそもダロワイヨとは何なのか?
 もともと僕は甘党ではなく、むしろ辛党で、お菓子とかもダークチョコぐらいしか食べない。だから普段であれば聞き流す「マカロン」という語と、「サブスクリプション」というネットサービス等によく使われる語の組み合わせの違和感が僕のハートをキャッチした。
 Twitterのフォロワさんが言うには「月額1000円で毎日1個マカロンがもらえるから、運動がてらにマカロンをもらいに店まで歩く」とのこと。なるほど。確かにサブスクリプションだ。

 そもそも、サブスクリプションとはなにか?
ウィキペディアによれば「商品ごとに購入金額を支払うのではなく一定期間の利用権として料金を支払う方式」とのこと。通称「サブスク」。
 要はインターネットの料金や、アミューズメントパークでの「年パス」みたいなものだ。いくらでいつまで動画見放題みたいなビジネスモデルだ。
 1000円払うことで1日1個好きなマカロンが1ヶ月間もらえる権利を買うとする。マカロン1個の売価が200円(本体価格)なので5日で元は取れる。消費者側からすれば良い取引と言える。
 マカロンにはあまり詳しくはない僕は、マカロンが単品個別包装で買えることすら知らなかった。そもそもマカロンはデパートとかで箱入り6個1500円とかで売られているような「お高いお上品なお菓子」であろうと想像していた。
 だが、単品販売となると選ぶ楽しさもあるだろう。なるほど、なんとなくここにはワクワクの匂いがする。甘いものはそれほど好きではないが、5個で元が取れるならネタにもなるだろうと、早速「1マカロン/a day」 のサブスクリプション契約を行った。

 僕は早速「今日のマカロン」を選ぶ。ショコラも良いがフルーティーなのも捨てがたい。いろんな色のマカロンがあってすぐには決められない。だがあせる必要はない。いずれ全て踏破してみせる。
 ずらりと並んだ色とりどりのマカロンから1つを選ぶというのは、それだけでもワクワクするものだ。店員さんとの会話を楽しみながら最終的におすすめされた「あまおうのマカロン」にした。マカロンと言えば(僕の中では)ピンクのイメージだし、まずは香りを試してみたかった。よいチョイスだ。

 一口かじった瞬間、ガムシロップのような、にちゃっとした甘さが拡がる。あ、これ無理かも、と思うと同時にあまおうの香りがふわーっと追いかけてくる。なるほど、これがマカロンか。「お高くとまったお菓子」というよりは「気品のあるお菓子」のように感じた。紅茶と一緒に食べると良いかもしれないが、ブラックティだと双方の香りがぶつかるので、ミルクティと一緒に食べると良いかもしれない。いや、単純に牛乳と合いそうだ。うん、他のマカロンも試してみたくなった。次はショコラにしよう。
 マカロンは思ったよりも賞味期限が長めなので、毎日少しづつ買い揃えてから子どもたちと一緒に食べるのもアリだろう。または、お仕事のログインボーナスとしてその日の自分を労う意味で独り占めしても良い。僕はすっかりマカロンとダロワイヨのファンになってしまった。

 このサブスクリプション企画。消費者側からみれば二重の意味で美味しい企画ではあるが、生産者側からはどうなのだろうか?
 あくまで個人的な皮算用だが、調べてみたところマカロンの材料原価は1つあたり30円~40円ぐらい。その他費用を加えると、仕損品も考慮して1つあたり50円ぐらい、つまり粗利150円ぐらいだろうか? その殆どはパティシエの技術料と言っていい。つまり20個以上で足が出てしまう。ただ、僕みたいに職場の近くのお店ということであれば、土日はわざわざ貰いに行かないだろうし、そう考えるとちょうど20日なので、Win/Win の関係とも言える。

 何より今回のサブスクリプション企画は(おそらく)新しい固定客を得ることがダロワイヨの目的なので、たとえ赤字になっても下手な広報より効果はあるはず。習慣化することによって「マカロンといえばダロワイヨ」というユーザーを多く作ることが目的だろう。僕もマカロンを買う必要性が生じたら、これからはダロワイヨで買うだろうし、何より子供たちでやる月末のハロウィーンパーティーにはダロワイヨのハロウィーンマカロンを買おうと既に心に決めてしまっていた。ほら、辛党の僕でさえもう立派な固定客になりつつある。僕はマカロン一つ分の幸せと一緒に帰路についた。

ダロワイヨ公式サイト

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