いのちの電話
早いもので今年も師走、前回は仙台初売りのお話をさせていただきました。イオンの岡田元也社長さんとの対峙は正直ドキドキしました。
今回は引き続きイオン関係のお話をさせていただこうと思っていたのですが、先日”仙台いのちの電話”事務局長の坂本陽一さんのお話をお聞きする機会があり、その内容にとても感銘を受けましたので急遽”いのちの電話”のお話をさせていただきます。
坂本事務局長さんのお話の際に配られた設問があります。
*きくということを考えてみてください。
ある大学病院ターミナルケア病棟でのお話です。実際に担当した関係者の方にアンケートを取ったものです。
「わたしはもうだめなのではないでしょうか?」
あなたならこの患者さんにどうこたえますか?
【 】
(関係者)医学生・看護学生・内科医・外科医・がん医・精神科医・看護師
①「そんなこと言わないで、もっと頑張りなさい」と励ます。
②「そんなこと心配しないでいいんですよ」と答える。
③「どうしてそんな気持ちになるの」と聞き返す。
④「これだけ痛みがあると、そんな気持ちにもなるね」と同情を示す。
⑤「もうだめなんだ・・・とそんな気がするんですね」と返す。
医学生、ある科の医師以外は①②の回答が多かった。
看護学生、看護師は③④の回答が多かった。
精神科医のほとんどは、⑤を選んだ。
ということでした。
それぞれに正しい答えであり、これが正解ということはないとのことでしたが、いのちの電話ではまず⑤で返すように指導されるということでした。
これは患者さんの気持ちを受け止めることから始まる、きくというのは聞く、訊く、利くではなく聴くなのだということでした。
この聴くはただ寄り添う事なのです。無言で傍に居るだけでも良いということでした。・・・(なるほど)
そしていのちの電話はいろいろな方からの電話を受けているのです。
人間関係から仕事ができなくなったり、辞めていかれる方、特に今年の春からは新型コロナに伴う悩み、不安あるいは人間関係、生活に対する不安や政治・社会対する不満などが急増しているそうです。
そんな中で私が一番心に残った言葉・・・
ゲートキーパー(自殺の危険性を察知して適切な対応ができる人・いのちの門番)として聞くということの大切さが一番、そして1分でも3分でも声をかけるそして褒める。そのことがゲートキーパーの役目です。
このことは私たちの日常でも全く同じなのではないでしょうか?
家庭でももちろん職場でも必ず1分でも2分でもよいから直接話しかける、そして良いことを褒めてあげる。決していのちの電話だけが特別ではない、日常のそうした思いやりや気遣いが円滑な人間関係につながっていくのだということを気づかされました。
言い換えれば”いのちの電話””は私たちの日常生活の延長なのだとも思いました。
最後に坂本事務局長のおっしゃった言葉
「いのちの電話は”市民による市民運動”ですが、言うほど簡単ではない。運営経費、人材の確保本当に大変です。」
頭が下がります。(私ももっと社会のためにできる事はないのだろうか?)
早速、私も”仙台いのちの電話”の維持会員に登録させていただきました。・・・(本当にすぐに何でも影響されやすい性格です)
追記・・・そういえば、今朝NHKのテレビに出演していた新型コロナに感染した経験のある出演者のお話でしたが、新型コロナに感染してしまったという罪悪感、知人や友人に感染させてしまったのではないかという心配や申し訳なさで、施設で隔離されていた間も不安でしかたがなかった。でもその時に誰かが傍に居てくれるだけ、話を聞いてくれるだけで、あるいは慰めてくれるだけでどれほど心が穏やかになったかしれません。・・・というお話でした。
まさに”心の電話”と同じだと思いました。
少なくても私たちの身の回りで新型コロナに感染した方が発生してもそのような心をもって接してあげたいものです。