雑貨屋で働くという事
前回はリブルマルシェのファッション部門のバイヤー、鈴木さんの愛猫「こむぞう」君のお話でしたが・・・かっては我が家にも「むーさん」という台湾生まれの愛犬もいたのです。それは、けなげな愛犬でしたが少しずる賢いところは私によく似ていました。機会があればまた「むーさん」のお話もさせていただきます。
前回案内した「こむぞう」ブランドの限らず、商品開発は雑貨屋にとってとても大切な事です。そして雑貨屋っていろんな商品を扱っています。
私は、どんな商品を扱うにしても雑貨屋として一番大切なことを忘れてはいけないと思っています。
そんなことを実際にあった事例を交えてお話しさせていただきます。
リブルマルシェK店での出来事・・・
お客様がプレゼント用に何点かの商品を組み合わせてお買い求めになりました。
お客様はプレゼント用に包装したその商品を”秋田市に送りたいのですが明日には届きますか?”とお店のスタッフにお尋ねになりました。
スタッフは秋田市への運送会社の到着日を熟知していたので”翌日には到着します”とお答えしてそのお荷物をお預かりしました。
ところがそのスタッフはいろいろなことが重なり、結局お預かりしたそのお荷物をその日は出荷しなかったのです。(翌日の朝に運送会社にお渡ししたのです)
翌日の夕方、4時過ぎ頃にお買い上げになったお客様からお店にお問合わせがありました。”送った荷物がまだ秋田市の先方に届いていないので調べてほしいという”という内容でした。
どうやら秋田市にお住まいのお母様の誕生日か記念日での贈り物だったようで、どうしてもその日にはお母様にお届けしたかったとのことです。
スタッフが急いで運送会社に問合せしたところ荷物はまだ運送会社の仙台の営業所にあるという事でした。
その日のうちに秋田市にお届けするには2つの方法しかありませんでした。
荷物を運送会社の営業所から回収して弊社の車で直接お届けするか、運送会社のトラックを1台チャーターしてその日のうちお届けするか・・・
私は報告を聞いて確実なことはプロのドライバー、運送会社のトラックをチャーターすることを判断しました。
もちろんお客様には事情をきちんとお話してお詫びを申し上げ、必ずその日のうちにお届けすることを約束して、お荷物の到着が確認できたのは夜の9時過ぎでした。
チャーター代は当時5万円前後だったと記憶しています。
リブルマルシェH店での出来事・・・
H店はイオンさんのショッピングセンターの1階で営業しています。
ある日、イオンさんのお客様の声をお聞きする投書箱にリブルマルシェに対する次のようなお客様の声が投函されていました。
”私はリブルマルシェが大好きで、よく利用しています。先日は母の日のプレゼントにとマグカップとハンカチの組み合わせを購入しました。きれいに包装していただいて母の所へ届けに行きました。母はとても喜んでその場でプレゼントを開けてマグカップを手に取りました。その時マグカップの底に埃が溜まっていました。母は笑っていましたが私は折角の母の日のプレゼントなのにと、とてもがっかりしました。大好きなお店だったので尚更がっかりしました。”・・・多少言葉の違いはあるかもしれませんがこのような主旨の投書でした・・・
本当に申し訳なく、匿名の投書ですのでご本人へのお詫びの申し上げようもなく、ただただお詫びの文書を掲示する事しかできませんでした。
お話しした事例から、私たち雑貨屋はただ商品を売っているのではなく、その商品を通じてお客様やその周りの方々の幸福感や喜びを売っているのだという事を常に感じていなければならないと思っています。
新しい洋服に袖を通した時のワクワクする気持ち、手に入れた雑貨を初めて使う時の期待感、プレゼントをもらった時の喜び、そして喜んでもらった時の満足感その対価としてお金をいただいているのです。
だからこそ、送料5万円をかけても大事なプレゼントをその日のうちにお届けしなければならなかったのです。
埃のついたマグカップなど売ってはいけないのです。
単に商品を売っているという考え方をそのように変えたら・・・私たちの仕事の本質や重要性、そして仕事をしていく上での充実感が生まれてくるのではないでしょうか。
そしてそのような雑貨屋だけに、お客様をお迎えするお店での対応もとても大切です。
何故ならそのような商品を購入する時には、お客様にも商品を選ぶときの喜びや購入する時の楽しさ、心地よさを十分味わっていただかなければ、お客様の喜びも半減してしまうからです。
お店の雰囲気や、ディスプレーそしてスタッフの対応もとても大事です。
雑貨屋は単に商品を売っているのではなく、お店で商品を選ぶとき、その商品を使う時、プレゼントした時など商品を通じてお客様の楽しさや幸福感を販売しているのだと思います。
そのような気持ちを忘れずに毎日のお店に立つことが一番大切なことだと文継塾でもお話をしていますし、お客様からの声はリブル新聞(毎週発行している社内の連絡新聞)を通じて全スタッフに開示して情報を共有して注意喚起を促しています。
上の写真はリブル新聞に掲載する前のお客様の声とその原因、対応策を記入したものです。・・・たまにはお褒めの声もいただきます。
お客様の声は私たちにとっての一番の励みでもあり、気付きになります。
本当にありがたいことです。
雑貨屋は、単に商品を売っているのではなく商品を通じて人々の幸福感や喜びを販売していること、そのような気持ちはとても大切です。
でも四六時中その気持ちを持ち続けることは大変です。たまには息抜きも必要です。私も妻への感謝の気持ちも時々頭から抜けて脱線してしまう事あるのですから・・・