Mission:民間救急車で転院搬送をサポートせよ!
みなさんこんにちは、元救急隊の社員Kです
今回は前回の続きで、救急車の出動件数を減らすにはどうすればいいのか?という問題を、元救急隊の目線から書きたいと思います
< 上り と 下り ? >
前回のお話で、
「 民間救急車が転院搬送の一部を担うことができれば、出動件数を減らせるかもしれない 」
ということをお話しました
ただ、転院搬送は重症な患者さんを病院間搬送するのだから、救急救命士が同乗したり、高度な医療機器が積載されている救急車で搬送しないといけないのでは??と思った方もいると思います
実は、転院搬送には大きく “上り搬送” と “下り搬送” の2つに分類することができるのです
上り搬送
・緊急・重症で搬送元の病院で治療不能で、専門的な病院へ搬送が必要な時
・救急隊が搬送した病院で検査等をした結果、対応できないと判断した時
下り搬送
・緊急性の低い入院(ベッドの空きを増やす目的など)や検査目的の転院搬送
・緊急入院の必要があるがベッドの空きがない時(横向き搬送ともいう)
上の説明文を読んでもらうとわかるのですが、本来、上り搬送が転院搬送として適切な利用方法なのですが、私が救急隊として働いていた頃は、圧倒的に下り搬送の方が多かった印象が強いです
( 注:あくまで個人的な意見です。あしからず… )
また、例えば東京消防庁は、転院搬送の適切な利用に関する基準( 下り搬送は病院所有の救急車や民間救急車を利用するように促している内容です )を医療機関へ提示していますが、大幅に減少する有効な対策とはなっていません
( このような取り組みは他の都道府県も実施している所はありますが、全てではありません )
民間救急車が下り搬送を担えるのか!?
本来は適正ではない“下り搬送”が行われているのかは、様々な理由があります ( 一例を示します )
・民間救急は予約制なので急な搬送に対応できず、救急車を呼んでしまう
・病院所有の救急車があるが、人員不足などで運用できない
・民間救急車は有料のため、利用者負担が大きい
また、下り搬送といっても、医療処置を継続しながらの搬送となるので、必要最低限の医療機器が積載してある車両や、医療知識のもった有資格者の同乗は必要です。
そういった面でも運用していくにはまだまだ問題点は多いです
以上のことから、現状では仕方がない部分もあるのですが、民間救急車も少しは転院搬送業務に入り込める余地があるのでは?と私は思っています。
医療知識のあるスタッフの同乗と、医療機器の積載している車両が確保できれば、下り搬送でなら民間救急車でも対応可能だと思うからです
まだ解決する問題が多いですが、当社ではスタッフが病院へ出向き、医療スタッフとお話をして、少しでも良い方向へ進めるよう誠意努力しています。
その結果か、ありがたいことに民間救急の件数は少しずつ増加しています
こうして一歩ずつですが、少しでも下り搬送の一部分を民間救急車が担うことができれば、救急隊の出動件数を減らすことができる!!と、私は考えています
おわりに
今後10年間、救急出動は年々増加するとも言われています……
だからこそ、民・官の両方を経験した私が、今ある問題の解決策を形にしていければいいな、と考えています
まだまだやるべき事は多くありそうです、頑張りたいですね
2回に分けてお話しましたが、読んでいただきありがとうございました。
またよろしくお願いします
注:
このNoteは、介護タクシー・民間救急リーベルのHP上にあるスタッフコラムを一部内容を変えて転載したものです。
興味があれば是非、HPも訪れてみてください!
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