見出し画像

救急隊の仕事はただの“運び屋”なのか?

こんにちは、元救急隊の社員Kです

今回は、みなさんが知っているようで知らない救急隊のお仕事を少しお話したいなぁ、と思います

救急隊の仕事って?

突然ですが、救急隊が行う仕事の“真の目的”をみなさんは知っていますか?

急病人やけが人を病院へ運ぶこと? それとも、現場で応急処置をすることでしょうか??

その答えですが、“消防法”という消防士の基礎となる法律の第1条に記載されています

消防法第1条

「この法律は、火災を予防し、警戒し及び鎮圧し、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、火災又は地震等の災害による被害を軽減するほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行い、もつて安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資することを目的とする」

このことから、救急隊員は「傷病者の適切な搬送」がメインの業務内容になるわけです

適切な搬送とは一体どうゆうこと?なんか法律なのに内容が抽象的だなぁ…、と思う方もいると思います

そこで! 普段、救急隊員が救急活動をしている時の頭の中を表現して見たいと思います

実はこの様にいろいろなことを考えながら、救急隊員は”適切な搬送”を遂行するために救急活動を行なっているのです

社員Kが思う「適切な搬送」

社員Kが現役で救急隊をしていた頃は、

 「傷病者の状態を素早く把握して、適切な処置ができる医療機関へ、迅速に搬送する

ということが、“適切な搬送”だと考えて、日々業務をしていました

たまに「救急隊は運び屋なんだから、早く病院へ運べばいいんだ!」なんでことを言われます。救急隊はただ単に病院へ運んでいるわけではないので、少し残念に思います。

なので、重症な傷病者を1秒でも早く適切な医療機関へ搬送するためにも、みなさんには「適切な救急車の利用」をしてもらいたいと思っています

救急隊が行う処置のホ・ン・ト

あれ、応急処置は救急隊の仕事じゃないの?と思った人もいるでしょう

実は、応急処置は

「傷病者を医療機関その他の場所に収容し、又は救急現場に医師が到着し、傷病者が医師の管理下に置かれるまでの間において、傷病者の状態その他の条件から応急処置を施さなければその生命が危険であり、又はその症状が悪化する恐れがあると認められる場合に応急処置を行うもの」

と明文化されていて、

 ・ 現場から病院までの間にしかできない…

 ・ ある条件が揃った場合でしか実施できない…

 ・ ほんの一部の医療処置しかできない…

などの縛りがあるのです

なので、応急処置は適切な搬送をしている途中でやってもいいよ、という「ついでに」的なニュアンスなのです(もちろん法律の条文上の意味合いでは、という意味です)。

実際、救急隊員ができる医療行為はとても限られていて、本当に”応急的な”処置です。根本的な治療はやはり医療機関で行うしかないのが現状なのです。でも、医療機関に到着するまで救急隊員はできることを全力にやっています!

おわりに

少し偏ったお話だったかもしれませんが、救急隊のお仕事、少しはお分かりいただけましたか?

救急隊は、患者さんの状態を瞬時に判断して、適切な医療機関へ迅速に搬送するために日々頑張っています。

なので、皆さんにお願いです。”ピーポーピーポー”とサイレンを鳴らして走行している救急車を見かけたら“急いでいるんだな”と思って、道を譲ってあげてください。是非お願いします


今回も読んでくださりありがとうございました

それではまた。

注:
このNoteは、介護タクシー・民間救急リーベルのHP上にあるスタッフコラムをそのまま転載したものです。興味があれば是非、HPを訪れてください!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?