#未来の図書館7 マイクロライブラリー
前回は鉄道と図書館をクロスさせた記事を書きました。今回は意外と知らない身近な図書館、マイクロライブラリーを取り上げてみます。
トンデモ図書室伊藤堂(福井県福井市)
福井駅から越美北線に揺られること15分。越前東郷駅をおりて5分ほど歩いた民家が「トンデモ図書室伊藤堂」。僕より一つ年上の伊藤さんが営んでいます。ちょうど司書になろうか考えはじめたころに、普通電車を乗り継いで行ってきました。
図書室という名のとおり、二部屋に本棚があって伊藤さんや地域のかたが集めた小説や漫画がおいてあります。2階では保護ねこちゃんがいて、天井裏から足音が時折きこえてきます。
東郷地区は福井の南のはずれ。昔は区間列車もあったものの、現在は駅前も食堂が1つと少し寂しげです。
それでもお寺でお経ライブがあるなど個性派が多く住んでいて、訪ねた時も移住してこられたかたが遊びにきていました。
家賃も安く、伊藤さんは福井駅近くの書店で働きながら図書室を運営されています。入館料もお気持ちでいいので、子どもたちもお駄賃片手に入ってくるそうです。
人間関係で悩んでいる時期だったので、雑談もかねていろんな話をしました。伊藤さんもゆる~く対応してくださり、心屋仁之助さんの本を紹介していただけました。
軒下図書館(岡山県西粟倉村)
このマガジンで何度となく触れている岡山県西粟倉村にあるのが「軒下図書館」。マイクロライブラリーというよりは、ゲストハウスに近いかもしれません。
村に図書館ができる前、ここの家のおばあさんが子どもたちのために図書室をひらきました。教育のテコ入れが図られていた昭和中期、丸坊主やおかっぱ頭の子が読み聞かせをきいたり、勉強をしに来ているようすを紹介した広報紙が飾ってあります。
現在村にはあわくら図書館ができましたが、その家のお孫さんがイギリスから帰ってゲストハウスをはじめました。
フランス人のご主人と一緒にパン工房や英語教室もあわせて営んでいます。
僕が泊まった時はたまたま貸し切り状態で、虫の声をききながらのんびり絵本を読みました。図書室も残されており、昔の本棚はそのまま。ハーブティーを飲みながらいろんな物語に触れる贅沢は忘れられません ^^) _旦~~
地域の人が気軽に帰ってこれる場所
僕たちの住んでるまちにも、マイクロライブラリーはたくさんあります。沖縄専門の本を扱うところ、自宅の離れが図書室になっているところ、食堂のなかに本棚がおいてあるところ。自分たちでちいさな図書館を作る「まちライブラリー」は全国に広がっています。
共通していえるのが、人と人とがつながる場所になっていること。学校帰りの子どもも近所のおじさんおばさんたちも、図書室に来るとみんなが笑顔になり、楽しげな空気が生まれます。
悩み事があっても親だとなんか相談しづらいですよね。いいこともそうでないことも、近しい人には秘密にしておきたい事っていくつかあるものです。図書室に行けば、友だちや面白い大人たちがいる。その人に会えば、いろんなことを相談できる。本があるだけでそんな空間ができてしまうのってなかなかふしぎです。
次回は図書館といろあわせについて書いていきます(^^♪
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