少しずつ春が近づき生き物は外へ外へと死にに行くのだ
久しぶりに人がたくさんいる広い公園に行った。
公園の駐車場が渋滞していた時点で帰りたくなったのだが、子どもたちの「こうえんいきたい」「まつ」という強い意志と、後ろから車が来て戻れなくなったため、仕方なく待つことにした。
駐車場は50台ぐらいのスペースがあったように思ったが、今調べてみたら100台だった。そこ以外にもいくつかあるので、200台以上は止まっていたのではないだろうか。
それでも園内は混雑しておらず、子どもたちは自由にあちこち駆けて座って拾って(やめさせて)、そうして階段を5往復ぐらいした。長女4歳は途中で「つかれた」「あるけない」「おなかへった」と言って、2回ほどおんぶした。スタバでホットドッグでもあれば買おうかと思って店内に入ったが、ここも混んでいたのですぐに引き返し、諦めて車へ戻る。
次女が「かえりたくない」「こうえんであそびたい」と泣きそうな声で訴えていたが、素直に車に乗ったので実際は疲れていたのだろう。本当に嫌なときは地面に転がって動かない絶賛イヤイヤ期の二歳児である。
駐車場はまだ渋滞していて、子どもらにチャイルドシートを装着している間に車が一台斜め左側に待機した。申し訳ないという感情は死んでいて、子どもらにジュースを与えてから出発した。イライラさせたかもしれないが、公園に行く前は救急外来約1時間。私の他人への気遣いはすでにマイナスだ。
帰宅途中で発見したローソンで適当に食べ物を買って食べさせて食べた。しばらくして二人とも寝落ちた。
家に帰ってきた。家を出る前に子どもたちが遊んでいたプラレールを片付けて布団をしく。車に戻り靴と靴下を脱がせて一人ずつ布団へ運ぶ。残りの荷物を下ろし、整理し、すでに15時過ぎ。夕飯がおでんなので大根を茹でたりご飯をセットしたり。大根を茹でている間、少し手が空いた。ようやくカートリッジが切れた万年筆を洗って、新しいコンバーターで新しいインクで書こうとしたら、一晩水につける必要があって、一昨日のうちにやっておけばよかったと思った。思っただけで水につけた。すごい勢いでインクが出た。一回水を変えた。大根が茹だったので卵のための湯を沸かし始めた。またインクが出ていた。後で夫から「毛細血管みたいになっている」と教えてもらってから、迷路のようなペン先に、真っ黒なインクが隙間なく染み渡っていう様を想像した。インクはちゃんと全部出てきてくれるのだろうか。新しく買った桜色のインクを新しく買った万年筆カクノのコンバーターで吸い上げる。インクの色は思ったより濃く、書いてみたら薄かった。桜の色だ。これで桜のイラストを描くのが楽しみである。
鍋におでんの素をつくって、大根と焼き豆腐を入れた。卵も茹だって水で冷やして、殻を割って白いつるりとしたそれを鍋に入れて火にかけた、といっても我が家はIHなのでこの表現は若干おかしい。IHをつけた、とすべきかも?
おでんは約1時間温めたあと、練り物を入れて完成。その間に次女のオムツを3回ほどかえてかぶれたところに薬を塗って、次女にりんごを切って、長女にも何かしたような気がするけれどもう思い出せない。記憶がこぼれていく速度がどんどん上がっている気がする。あとはもう覚えているところだけ。
子どもらのためにつくったおでんたちぐちゃぐちゃにされこの手で捨てる
食べ物を粗末にしてはいけないという意識ごと燃えるゴミです
燃やせないゴミもたくさんありまして心の中に埋めていまして
子どもらを早く寝かせて仕事をして、本を作ったりしたいけれど、今日は体力をがっりがりに削られすぎているので即寝するか何もできずにぐだぐだしそうと思っていた。思った通り今グダグダこの記事を書いている。
それでも総合すると今日は良い日だった。子どもたちが楽しそうだった。彼らが生きていて楽しいと、思うこともなく感じていることだけが、わたしの世界の唯一の正しさだ。
同じような窓が同じような位置に並んでいたら同じような景色しか見えない、という意識がない子どもたちは、ひとつひとつ窓を覗いていく。この窓からは何が見えるのか、あの窓からは何が見えるのか、そうやって、彼らは不思議の国への入口を見つけるのかもしれない。
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