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乃木坂46四期生よ、永遠なれ④:掛橋沙耶香

 8/10、乃木坂46四期生 掛橋沙耶香さんの卒業・芸能界引退が発表されました。
 加入当初は特に、私の推しの金川紗耶さんとのコンビ『さやちゃんず』として親しまれたメンバーだけに、寂しさは否めません。


・転落事故

 2年前、2022年の神宮公演でステージ(野球のベンチの屋根)から転落。顔面等骨折の重傷を負い、その後休業してリハビリに専念。2023年4月に、経過を報告するブログをアップしたものの、その後は一切公式な発信はないままでした。
 2023年も今年も、バスラや全国ツアーでは彼女の幟はちゃんとあったと思いますが、結果的に復帰は叶わないままでした。
 私は何度か、彼女の復帰を願う言葉を書いて来ましたが、そのまま卒業という事態ももちろん、想像も覚悟もしていました


・アンチの存在

 四期生の加入当初、私はTwitter等での情報収集はしていませんでした。しかしそれでも多少知っているのは、掛橋さんにネット上で突っ掛かるアンチが多かったらしいこと。「態度が悪い」的な下らないものばかりだったと思いますが、卒業発表のブログで書いていた、
「見てくれる方々に嫌われてしまうことも多々ありました」
 という言葉は、そのことを指しているのでしょう。
 そうやって足を引っ張ってる奴は『見てくれる方々』には入りません。初めから足を引っ張るためだけに見ている奴だからです。ただそうであっても、本人の心の傷としては、深いものがあったのでしょう。


・変化

 初めて桃を食べてニコニコしていた初登場時や、猫舌SHOWROOMで大暴れしていた初期の頃から時間が経ち、掛橋さんは徐々に変わって行きました

 それは、大人になる過程として自然なことではあったはずです。

 しかしながら、加入当初から人気メンバーではあったものの、彼女自身が言うように、
「期別曲ではセンターを務めた後、ポジションが徐々に下がって行った」
 のが現実。

 雑誌での堀さんとの対談で、
「必死に努力をしたけど結果が出せなくて、どうしたら良いか分からない」
 と選抜入りが叶わない悩みを吐露していたことも。

 転落事故の少し前、金川さんとの対談記事で、以前はワチャワチャしていたのが落ち着いて行ったことについて、
「自分らしくいようと思ったんです」
 と語っていました。彼女なりの境地だったのだと思います。

 こうして掛橋さんは、ローテンションに、素っ気なく見えることが増えました。
 なかなか選抜入りを果たせない日々が、笑顔を消して行ったようにも見えましたし、ファンの機嫌を伺っても無意味だと達観して行ったようにも見えました。


・芯の温かさ

 しかし、彼女のメンバー想いな部分は変わっていなかったと、私は確信しています。
 富士登山でフラフラで山小屋に現れた清宮さんへの叫び声。
 まだ馴染めていなかった時期の新四期生の楽屋に入り浸り、壁をなくそうと努力していたこと。
 松村さん卒コンで、落ち込む矢久保さんを心配してずっと寄り添っていたこと。
 初選抜時の金川さんに最初に、「頑張ったね」と声を掛けたこと。

 そうした点を敢えてアピールしなかっただけで、基本的な態度は何も変わっていなかったはずです。


・復帰の困難さ

 しかし復帰に関しては、ネガティブな材料が多過ぎました
 二年の時間を経て、ミーグリを買い支えてくれるファンが減少した恐れ。ミーグリ売上至上主義の乃木坂46では、それはメディア出演の機会が激減することを意味します。
 そして顔の手術をした彼女に対して必ず為されるであろう、ネットの嘲弄。手術の跡を探してネット上にあげる、等をする奴が出て来ることは、容易に想像出来ます。
 最後に、芸能界に残ることの『リターン』の減少。パイが縮小して行くテレビを中心とした芸能界に残ることに、どれだけの価値があるのか。上述のような浴びせられる悪意ばかりが増えて、得られるリターンが減っているように、私には見えます。
 これらのネガティブ材料を乗り越えてまでアイドル活動に復帰して頑張れるか、と考えたら、新たな道を目指す決断をするのも無理はありません

 卒業発表翌日に公開されたインタビューによれば、メンバーともある程度会ったり話したりしつつ日々を過ごし、
「むしろ絆は深まった」
 と語っていたのは、救われる想い
でした。
 また、そうしたインタビューで胸中を語ってくれたことに加え、ファンへの餞としてのセレモニー開催は、掛橋さんのファンへの誠意だと思います。ブログでの文章だけで一切顔も想いも出すことなく卒業ということも、十分に考えられました。顔に手術跡がある状態でメディアに進んで出たいとは、普通は思わないはずですので。


・足跡

 掛橋さんは歌が得意で、SHOWROOMでギターの弾き語り配信をやったこともありました。スター誕生でも、歌うまとして活躍していたと思います。
 またパフォーマンスに関しては、加入当初の可愛らしい笑顔とは裏腹に、『Actually…』や『インフルエンサー』のようなクールに決める場面の方が私には強く印象に残っています

 『取立屋ハニーズ』での演技も、初めての映像演技だった『サムのこと』とは見違えて、とても良かったと思っています。ここから何か将来に繋がらないか、と思いはしましたし、卒業後に芸能界に残って、共演した高橋ユウさんや加藤小夏さんと演技の仕事で再会して欲しかった思いもあります。

 それでも、上記のネガティブ材料に加えて、卒業発表後の、美しい大人の女性へと成長した姿を見てしまうと、もう何も言えないです。


・最後に

 私のようにオッサンになってしまうと、若い頃の苦労がそのまま人生に活きる、なんて軽々しくは言えなくなります。
 増して事故による大怪我や、アイドル界ならではの歪んだ評価基準に苦しんだことを、周囲が勝手に『良い経験』として美談めいたものにするのも、抵抗があります。
 とは言え身勝手ながら、あなたが「良い経験だった」と言い切って次の道へと進もうとしていることは、嬉しく、心強いのも確かです。

 もちろんそこには、強がりも含まれているかも知れません。口には出さない後悔もあるかも知れません。
 それでもあなたが、そんな理不尽すらも糧に出来る力を身につけられたなら。乃木坂46にいたことが、その助けになったのなら…グループのファンの端くれとして、ほんの少し、誇りに思います。

 そこに何の貢献もしていない奴の自己満足なのは分かっていますが、そんな気分に浸ることを、どうかお許し下さい。
 6年間、ありがとうございました。卒業、おめでとう。


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