最後の九州旅行〜レールキッチンチクゴ〜
みなさんこんにちは!リーブルです!
新潟生まれで2021年の4月から福岡で暮らし、九州あちこちを旅していつの間にやら3年が過ぎていました。
…が!この度関東へのお引越しが決まりました!
関東に引っ越しても、また九州には遊びに来たいなとは思います。
でも、関東からは本当に遠いところなので滅多に来ることはできないでしょう。遊びに来ても、あちこち行きまくるのはなかなか難しい。
そこで…お引越し前に、何回かに分けて人生最後のつもりで九州を旅することにしました。
「最後の九州旅行」今回は福岡県の大手私鉄、「にしてつ」こと西日本鉄道の観光列車「THE RAIL KITCH CHIKUGO」
その名の通り、まさに「走るレストラン」です。
ということでやってきました、西鉄福岡駅。
たくさんの電車が発着していく中…
やってきました!レールキッチンチクゴ!
赤いグリッドが描かれた、観光列車としても非常に独特なデザインは、レストランのテーブルクロスをイメージしたものだそう。
ちょっとレトロな雰囲気の格子窓。小さな町の名店レストランって雰囲気がしますね!
なんかもうすでに料理美味しそうな雰囲気がするじゃありませんか!
車内はこんなかんじです!中もホントに小さな町の名店レストランなかんじですね。
私の席はこちら!何も言われなきゃ鉄道車両とは分からないですねこれ。
ウェルカムドリンク!福岡のいちご「あまおう」のスパークリングワインです!
しっかりいちご味でジュースのように飲みやすいながらも、しっかりとアルコールと炭酸のパンチも効いたお酒でした!
ノンアルコールのドリンクもありますよ。
さて、発車時刻がやってきました。客室乗務員さんのトライアングルの音色での合図の後、電車は天神駅を発車します。
さあ!前菜が出てきました!さすが、もう見るからに手の込んだお料理じゃありませんか!
これ本当に良い工夫だなぁと思ったのが、下のトレーの中にこの料理がどういう食材を使った何という料理なのか、イラスト付きで説明があるんです。(ちょっと写真では分かりにくいですが…)
ねぇ、その…我々庶民がレストランに行った時あるある、あるじゃないですか…
「せっかく説明してもらったのに、何を言ってるか(知識不足で)よく分からない上に、何を言ってるのか分かってもどれのことを言ってるのか分からない」…ってね…
普通のレストランでもそうなのに、ここは電車の中。どう頑張ってもレストランよりもちょっと騒音が多いわけです。
そしてどう頑張っても多少揺れます。従業員さんも長時間立ち、落ち着いてお料理の説明をするなんて難しいわけです。
従業員さんにとっても、我々にとっても分かりやすくて優しい工夫。これは発明と言っても良いかもというくらい素晴らしかったです。
車内は本当にレストランそのものですが、窓から見える景色はどんどん移り変わっていきます。
なんかちょっと不思議な気分。
お次は魚料理!以降はお皿で出てきてどんな料理なのかは口頭での説明のみだったので記憶が曖昧なのですが、上にのっているのは舞茸。
お料理は温かくて、鯛の身もふわふわと柔らかく、電車の中だからといって妥協した様子が見られない上質な仕上がりでした。
書き忘れていたんですが、レールキッチンチクゴのお料理は3人のシェフが監修しているので、そりゃもうどの料理も最高に美味しいのです。
料理の美味しさのヒミツ。編成の真ん中に連結されたキッチンカーを見てみましょう。
なんと大きなオーブンが二つも設置されているじゃありませんか!
車内で料理が楽しめる観光列車はいくつか見てきましたが、ここまで大きくて本格的なキッチンを備えたものは他に見たことがありません。
これは料理の美味しさに納得ってもんです。
「レールキッチン」の名に偽り無しですね!
車窓の景色は次々移り変わり、車両基地が見えたり…
田んぼの景色が見えたり…
お食事しながらいろいろな景色が見られるのは観光列車ならではですね〜
これ、分かりにくいですがレールキッチンチクゴならではだと思います。
通常、観光列車で出す温かい料理はあらかじめ調理済みの物を積み込んで、食卓に出す前に温めるかんじになります。
しかしこれはどうでしょう。野菜もお肉もついさっき厨房で「焼いた」かんじですね。大きなオーブンがあるレールキッチンチクゴでしかできない料理なんじゃないかなと思います。
いや〜実力を見せつけてくれますねぇ。
ステキな名前がついた料理だらけの中、これはメニューにも「パン」しか書いてなくて失礼ながら笑ってしまいました。
なんだろな、こだわりの小麦とか使ってたりしないものでしょうか?美味しいので名前は気にしませんが。
これは別料金ですが、梅酒飲み比べセット!
見た目も色もそれぞれ。赤い梅酒なんて初めて見ましたね。どれも美味しかったです。
和栗、ほうじ茶、巨峰…なんだか聞いたことない組み合わせで、合うの?と思った方もいそうですが、不思議と合うし美味しいんですよね。
未知の組み合わせすぎて、伝わる食レポができませんが…まあとにかく美味しかったです!
食後のコーヒーです。他のお料理にも手をつけつつだったので飲み干すのに少し時間がかかったのですが、温度が下がっていくにつれて酸味が強く出てくるコーヒーでした。
終盤の酸味の強さは人によって好み様々じゃないかなと感じるほど。私はちょっと苦手でした…ブラックで飲んだせいもあるかもしれません。
旅の終盤、車内で記念撮影タイムがありました。
その際、西鉄の制帽を被らせてくれるのです!
しかもこの制帽、通常の西鉄制帽と少し違います。真ん中あたりが少し青っぽく、ジーンズのような色合いになっているのがお分かりでしょうか?
これは福岡県久留米市の伝統工芸である藍染め「久留米絣」(くるめがすり)を使用しています。
レールキッチンチクゴの乗務員に限り同じ制帽を着用しています。
実は制帽・制服以外にも、車内は沿線の街が誇る工芸品づくしなのです。さりげなく、あくまでレストランの内装の一部として溶け込んでいますが、レールキッチンチクゴは福岡の美を詰め込んだ列車なのです。
終点、大牟田駅に到着!本当に良い一時でした!
レールキッチンチクゴ、ありがとうございました!
ちなみにこれにて西鉄天神・大牟田線完乗となります。
乗り通してみての感想ですが、まあとにかく満足の一言です。
観光列車は沿線地域のアピールツールでもあります。
すると沿線地域の何をアピールするか?というのが鉄道会社の腕の見せどころだと思います。
今まで私が乗ってきた観光列車は「沿線の魅力的な何かを眺めながら料理や軽食を楽しめる」ものがほとんどですが、レールキッチンチクゴはお分かりの通り「料理がメイン」なのです。
なかなか気がつきにくいですが、これがレールキッチンチクゴのちょっと珍しいポイントです。
でもって、なかなか良い目のつけどころですよね。
料理って、その土地の良いところが詰め込まれていると思います。
窓越しの絶景ではなく、味や香りや舌触りなど、自分の目の前の料理がメイン。ユニークですよね。
車内を見てみれば、一見派手さの無い落ち着いた仕上がりながら、実は沿線地域の工芸品や名産品づくしの贅沢な車両です。。
レールキッチンチクゴの魅力を知れば知るほど、気づけば気づくほど、福岡の魅力が分かっていく。
そんな列車だなと感じました。
それと、こんなに豪華なお食事が楽しめる観光列車としてはかなりリーズナブル。
私が利用したレイトランチコースだと、およそ12000円でした。私が今まで乗ってきた観光列車からすると、2万円くらいでもおかしくないかな〜という感覚なのですが。
それこそ、ちょっと特別な日のランチくらいの気分でわりと気軽に利用できそうですよね。そこも観光列車として特殊だなぁと。
もしかしたら観光客よりも、地元の人のためにある、観光列車というよりは名前の通りの「レストラン列車」なのかも?
また気軽に乗りに行きたいけれど、私はもう気軽には乗れません。九州に頑張って旅行に来ないと乗れないのです…
こうしてまた九州の良さを知った一日となりました。
本当にありがとうございました!