ツール・ド・おきなわ2022 その3 〜トレーニング編〜
このNoteについて
このNoteは平凡なサンデーライダーのパパが仕事・育児・家事と両立しながら国内最大規模のアマチュアロードレース「ツール・ド・おきなわ2022」へ向けて奮闘した記録である。
果たして、限られた練習時間で結果を残すことはできるのか?!
実践したトレーニング
9月頭〜9月末
短期間で短時間高強度のパフォーマンスを向上させるため、zwiftのSST(sweet spot training)に挑戦してみた。
結果はあっけなく3セット目の頭で撃沈…。
ナマリきった身体ではもはやインターバルトレーニングを完遂できる土台すら失われている。
そこで、実走で60分間のLSD(long slow distance)を1日1、2回こなすことにした(雨の日はzwiftで45分〜60分適当に流す)。
練習時間については、朝は5:00起きで5:30〜6:30、夜は子供を寝かしつけた後、仕事が詰まってない場合に21:00〜22:00に確保した。
筆者在住の千葉県は9月でもまだ残暑が残るので早起きは特に苦にならない。
ただ、平地を60分程走っているだけではアップダウンの連続のツール・ド・おきなわのコースには太刀打ち出来ない。
少しずつ不安が募る。
10月頭〜10月半ば
9月に継続したLSDトレーニングに発展系として、10月半ばまではzwiftのPace Partner Rideを1日あたり60分 * 2回こなした。
実走の60分は楽勝なのに固定ローラーだと辛い…。
たが、辛いということは効果があると考えることもできる。
これが楽にこなせるようになったらいよいよインターバルトレーニングに進める。
ローラー練ばかりだと集団走行スキルやダウンヒルスキルが鈍る。
そこで、嫁ちゃんに頭を下げてお世話になっているショップのおきなわ対策練習に参加させてもらった(実に11ヶ月ぶりのショップ練参加だった)。
結果としてこのショップ練参加がパフォーマンス向上に絶大な影響を及ぼすことになる。
ショップのおきなわ対策練習は筑波山を3往復するといった内容で、筆者にはハードすぎた。
結局2往復したところでドロップアウトしたわけだが、ベテランローディーの先輩から「下子点まで踏んでるね、サドル低いんじゃないかな」とアドバイスをいただいた。
筆者の股下長は78.5cmだが前乗りポジションで目一杯前に突き出したサドル高は67cmにセッティングしている(ダウンヒルが怖いため低めに調整)ため、確かに窮屈なペダリングになっていることは自覚している(筆者の身長は170cmだが手足は長め)。
そこで、思い切って2cm程サドルを後退させニュートラルなポジションに変更してみた。
セオリーとしてレース直前のポジション変更は避けるべきであることは分かっているが、今回は博打したい好奇心を抑えられなかった。
結果これがドンピシャでペダルに楽に体重を載せる感覚が芽生えた。
次週に再度ショップ練に参加させてもらった際は3往復最後まで完遂できた。
「球児右足ちゃうか」(*1) が自分の身にも起こる奇跡を体験した瞬間だった。
(*1) 元阪神のクローザー藤川球児氏を覚醒させた一言。
10月後半〜11月2週目(レースの5日前)
10月後半からは当初より取り入れようと思っていたSST Shortを開始した。
zwiftのFTP(60分間継続可能な最大出力)は特に手動で弄っていないので全盛期の227wからスタート。
後にもう少し負荷があがることになる(FTPの変更経緯については後述)。
頻度としては早朝の練習枠を使って1日1回のみとして、夜の練習枠は実走30kmに徹した。
最初のSSTは辛くも完遂といったところだったが人間の慣れとは凄いもので、あんなにも辛かった練習を毎日こなしていくうちに次第に楽に完遂できるようになっていった。
レース前の調整について、2週間前からは高負荷トレーニングを避けて疲労を抜くことでコンディションを整えるべきといったセオリーがある。
だが、筆者はこれまでの期間で疲労が蓄積される程追い込んでいない(LSDしかやってない)し、むしろ練習量が足りないのではないかと焦りを感じている。
このことから、疲労を抜くべきといったセオリーは当てはまらないと考え、レース5日前までSSTを継続した。
トレーニングの成果
FTPの変化
11月に入ってすぐの夜、外に走りに行く意欲がなくてzwiftのイベントスケジュールを眺めていた。
たまたま面白そうなグループライドイベントを見つけて久々にzwiftイベントに参加してみた。
意気揚々とスタートを切ろうとしたその時、スマートローラーのトラブルでパワーやケイデンスが計測されず、やむなくzwiftの再起動を試みた。
イベントに再度入り直した時には既に集団は遥か彼方…、追いつきたい一心でガムシャラにペダルを回す。
普段はFTPを超えるパワーは出さないように意識しているもののこの時ばかりは自らリミッターを外した。
不思議と数十分もがいても呼吸も乱れず、脚の疲労も感じることはなかった。
集団に追いつくことができたのは終盤になってからだったがそれまでのハイパフォーマンスによるのかFTPの向上が検知された。
体重の変化
朝と夜の1日2回の練習が効いたのか10月末時点で56kg台前半まで絞ることができた。
レース1週間前からのカーボローディングで多少増えることを考慮して57kgでレース本番をむかえることが出来るだろう。
FTP向上も合わさってパワーウェイトレシオが4倍に。
ようやく筆者もホビーレーサーの剛脚ピラミッドでいう「優脚」に爪先突っ込んだことになる。
2022年11月の記録