ツール・ド・おきなわ2024 140kmへの挑戦 その1 〜機材・トレーニング〜
140kmオープンへの挑戦
昨年は脚がつることもなく、余力と補給食を残して完走できたことで100kmオープンでシード権を目指すのか、あるいは140kmに階級を上げるのか迷いが生じてしまった。目標だったシード権は逃してしまったなんとも中途半端な状態で目標をころころ変えてしまうのはどうなのかと葛藤はあった。
ただ、どうしても残り3、4年での引退を考えると「ツール・ド・おきなわ」を走るその瞬間をもっと永く楽しみたかった。
そう、引退までに完全燃焼するには100kmだと少し物足りない。「やり切った」感が欲しいからこそひとつ上の階級へのチャレンジを決意した。
やると決めたからには手ぶらで帰るわけにはいかない。最低限の対策はせねば!!
対策1. 機材の見直し
ギア比の見直し
愛車Pinarello Princeが装備しているギアはフロントがミッドコンパクト(52-36)のチェーンリング、リアが11-30のスプロケット。一見無難な組み合わせのように思える。
しかしながら、両端のギア11Tや30Tはレースでも使用する機会がない。昨年の沖縄で完全に脚を止めていた区間(スピードに乗ったダウンヒル)を除いて、ペダルを漕いでいた時の最高速度は57.5km/h、ケイデンスは114rpm程だった。この速度からどのギアを使用していたか計算してみると13T(9速)に該当する。このことからフロントチェーンリングが52Tの場合は、スプロケットは最小13Tがあれば事足りることになる。
ローギアの30Tについては、使い所が斜度20%超えなんかの特殊な状況に限定される。昨年沖縄では使用した記憶がない。データを見返してみるとトルクが必要な場面(速度11.66km/h、パワーは226w、ケイデンス66rpm)で使用していたスプロケットは27Tに該当する。ケイデンスからするとこの時はダンシングで対応していたことがわかる。
両端のギアを使用しないのなら真ん中のギアをクロスレシオにしたいといった欲が出てきてしまう。むしろ17Tと19Tの間に18Tが無いことが気になって夜しか眠れない。今年140kmオープンに挑むからには昨年より40km余分に走るわけで、100km走り終えた時点で脚を残していないと後半戦で地獄を見ることになる。
クロスレシオにして脚への負担を抑えたい…。
早速昨年の(足を止めていない時の)最高速度と最低速度がコンパクトクランク(50-34) + 12-25Tのスプロケットでカバーできそうか計算してみた。
最高速度: 57.55km/h → フロント50T・リア12T、110rpmでカバー可能
最低速度: 11.66km/h → フロント34T・リア25T、66rpmでカバー可能
なかなか現実的な数字ではないだろうか。データや数字での裏付けが取れたことでクロスレシオに変えたいといった要望は現実のものとなった。果たしてこの選択が吉と出るか凶と出るか…。
ディスクローターの見直し
まず前提として、筆者が普段トレーニング・通勤等に使用しているマシンはリムブレーキ仕様のアレースプリントだ。通勤途中で急な雨に降られることもあるが,
BBB社の雨の日も(シマノ純正品比で)制動力20%向上と謳うブレーキシューのお陰なのか制動力に困ることがそこまでない(リムはアルミ製)。勿論レースでは速度域が異なるので、雨中のダウンヒル区間と同列に語ることはできない。とはいえPinarello Princeが現在装備している前後160mmのディスクローターはオーバースペック感が否めない。そこまでの制動力は昨年の雨の中でのレースでも必要としなかった。ならば回転部の重量を少しでも削った方が良いのでは?
そこで思い切って前後共に140mmのディスクローターへの交換を決意した。
対策2. トレーニングの見直し
基礎体力の向上
昨年同様8月半ばからZwiftのpace partnerやSST(short)をメインとして基礎体力を鍛えていく。
朝にSST、夜にpace partner rideをルーティンにする。
これについては成功体験と捉えているためpace partnerのレベルをCからBに上げる程度しか変更は考えていない。
高強度持久力の向上
今までの経験から長丁場のレースで2回以上20分4倍をキープ出来ない弱点が見えてきた。140kmは20分を超える普久川の登りを前半戦に2回もこなさなければならない。例年と同様の順位でゴールするには少なくとも1回目の登りで集団から千切れないようにしたい。高強度の持久力強化は喫緊の課題だ。
そこで、今年は更に20分間の4.5倍トレーニングをシッティングとダンシングで1本ずつこなす日を最低でも1回/週ペースで取り入れていこうと思う。
丁度今年から新設されたZwiftのclimb portalがこのトレーニングに使えそうだ。特にダンシングは筆者にとって生命線(*1)なので昨年以上のパフォーマンスを発揮できるよう強化したい。
(•1) 筆者はシッティングのパワーが低い(FTP232W、パワーウェイトレシオ4倍)ので斜度8%を目安ににダンシングに切り換えて不足するパワーを補っている。
対策3. 減量
ここでいう減量は勿論「自分の」減量のことだ。例年通り本格的なトレーニング開始前の8月半ばまでは体重が59kg代に達する。筆者にとって動ける身体は57.5kg前後(なお、身長は170cm)。
例年レース1週間前に56.5kg程度まで絞って、レース当時までにカーボローディングで1kg戻すことを想定すると残り3ヶ月で3kgは落とす必要がある。これが脂肪太りの状態なら減量は楽なのだが筋肉質な状態から少ない脂肪を削ぎ落とすのはなかなか骨が折れる。
ただ、過去の経験から3食/日に食事を摂取する場合、そのうち1食、特に夕食に炭水化物を抜く(正確には炭水化物と脂質を結びつけない)ことで身体を絞ることが可能なことを経験則から知っている。
食事量を変えないなら「置き換えダイエット」が有効だったりする。具体的には、例えば夕食がカレーの場合、白米の代わりにキャベツの千切りにカレーをかけるといったものだ。豆腐を使った料理も効果的で、筆者のレパートリーには豆腐チャンプルや豆腐を使ったお好み焼きなどいくつもの豆腐料理があり、それらでローテーションを組んでいる。
今年も脱炭水化物ダイエットで上手くいくことを願う。
まとめ
一昨年、昨年でツール・ド・おきなわ100km完走の自信と経験を得られた。これだけでもステップアップへの十分な動機付けだが、さらに今回は過去のデータから以下が可能になった。相変わらず仕事、家事、育児に追われる日々で練習時間は限られるが、歳を取ってから後悔しないためにも140kmオープン挑戦を決意する運びっなった。
<経験、データから得られたアドバンテージ>
ギア比の見直し
ディスクローターの見直し
必要となるトレーニング質量とパフォーマンスの見積もり
不足スキルの洗い出し
ベスト体重
ダイエット方法
機材の最適化や身体作りについて今回記載したわけだが、次回はレース運びについて戦略を書いてみたいと思う。