「BanGDream!」で学ぶキリスト教知識(Poppin'Party編）

■はじめに

こんにちは。今年も残すところあとわずかとなりましたね。皆さん、クリスマスはどんな風に過ごされましたか？

クリスマスの一週間くらい前から、お店に行くと、もうお正月の商品が並べられていて、なんだかクリスマスが来る前に終わってしまったような感じがしました。25日を過ぎればお正月一色となり、慌ただしくクリスマスの飾りつけは片付けられてしまいますよね。しかし、実はクリスマスの飾りつけは「降誕節」（クリスマス～1/6の「主の公現」の次の日曜日までの間）は飾っておいても問題はないのです。今年度で言えば、来年の1/10までは飾っておいてOKです。キリスト教圏の国や教会ではこれに従っているため、今日の時点でもツリーやら、馬小屋やらが普通に残っています。主の公現ミサの後、教会のみんなで手分けして片付けるのがカトリックでは定番ですね。

■アニメ「BanGDream!」とは

さて、今回はアニメ「BanGDream!、（バンドリ）」を取り上げます。スマホアプリゲーム「ガールズバンドパーティ」を中心とするメディアミックス企画であるこの作品は、バンドに打ち込む女子高生達を描いています。バンドアニメといえば「けいおん！」が有名ですが、けいおん！が日常生活描写中心であるのに対して、「バンドリ」はバンド活動の描写が多いのが特徴です。ストーリーも、バンドを通してキャラクター達が時にはぶつかり合い、悩み、成長していく様子が丁寧に描かれています。

劇中に登場するバンドは現在7バンドありますが、アニメ化されているのはそのうち6バンドです。今日はその中の一つ、主役バンドである「Poppin'Party」でキリスト教の知識を学んでいきましょう。

■ポピパメンバーで学ぶキリスト教知識

Poppin'Party（ポッピンパーティ）、通称「ポピパ」は、花咲川女子高校に通う同級生5人の女子生徒で結成されたバンドです。

バンドの発起人であり、主人公の戸山香澄。

天真爛漫で明るく前向き、思い立ったら即行動する主人公らしいキャラクター。高校に入学してからは自分が「キラキラドキドキ」できる何かを探していました。ある日同級生の市ヶ谷有咲の家で見つけた「ランダムスター」という星形のギターに惹かれ、バンド活動を決意します。香澄の独特な猫耳のような髪型は星形をイメージしています。星というと、クリスマスでおなじみ「ベツレヘムの星」が浮かびます。救い主イエスが生まれたことを知らせる星で、クリスマスツリーのてっぺんについているものもベツレヘムの星を表しています。しかし伝承では、ツリーに飾ってあるような五芒星ではなく、八芒星だったとのこと。

ベツレヘムの星に導かれ、東方の三博士がイエスを訪ねてやってくるのは有名な話ですが、「はじめに」でも触れた「主の公現」はこの出来事を記念する日です。東方三博士はユダヤ人にとっては異邦人。つまり、「イエスはユダヤ人だけでなく、異邦人をも救うものとして生まれた」ことの象徴的な出来事なのです。

ギター担当の花園たえ、通称・おたえ。

幼いころからギターをやっていて腕前はかなりの物です。一見すると黒髪のロングヘアに、スラリと伸びた長身でスタイル抜群なクールビューティに見えますが、実はかなりの天然。予想の斜め上の言動を連発します。自宅では20羽ものウサギを買っています。以前も取り上げた通り、多産なウサギは生命の繁栄の象徴でありイースターの象徴です。

ベース担当の牛込りみ、通称りみりん。

ベースは姉の影響で始めました。引っ込み思案でおとなしい性格で、バンドをやることに不安もありましたが、香澄達に励まされて徐々に成長していきます。毎日お昼に食べているほどチョココロネが大好物。コロネはイタリア語で角笛を意味する「コルノ」に由来します。聖書には「角笛」や「ラッパ」という言葉が頻繁に出てきます。何かが起きる前の予兆、あるいは合図の象徴として使われることが多いです。

ちなみにりみりんは中学校まで関西在住だった為、たまに関西弁が出ますが、聖書にはなんと「コテコテ大阪弁訳聖書」というものがあります。「マタイによる福音書」は「マタイはんの福音書」となっているなどかなり面白そうです。一度読んでみたいです。Amazonで買えるみたいですよ。

ドラム担当は山吹沙綾。

面倒見の良いお姉さんタイプで、実家でも弟や妹たちの面倒を見ながら、家業のパン屋「やまぶきベーカリー」の手伝いをするしっかり者です。これも以前触れましたが、聖ペトロはパン屋の守護聖人。沙綾はメンバー中最後にポピパに加入するのですが、その話はかなり泣けます。家族思いの沙綾の優しさが伝わってくる内容です。アウシュビッツ収容所で、処刑される収容者の身代わりとなったことで知られるコルベ神父は「家族」の守護聖人。コルベ神父のエピソードも、涙なしでは語れません。

キーボード担当・市ヶ谷有咲は先述の通り、ポピパ結成のきっかけとなった人物です。

実家は質屋であり、蔵に置いてあったギターを香澄が見つけたことから物語は始まります。サンタクロースのモデルとなった聖ニコラウスは、貧しい人への施しをしたことで知られていますが、中世ヨーロッパでは公的な質屋が修道会によって開かれ、慈善活動をしていましたが、聖ニコラウスは質屋の守護聖人でもあります。

有咲は人づきあいが苦手で学校も休みがちでしたが、香澄達との出会いで学校に通い、友達付き合いもできるようになりました。このことからポピパのことを大切に思っていますが、なかなか素直になれずに毒づいたりしまいます。いわゆるツンデレで、突っ込まれると顔を赤くしたりツンツンしたり、もうとにかく可愛い。

ちなみに有咲は女子高生としては珍しく、盆栽が趣味。日本からバチカンの教皇のもとへ、盆栽が献上された例が少なくとも2軒あります。一つは2019年の5月、栃木県鹿沼市が市花のサツキの盆栽を、2019年の12月には愛媛県四国中央市が特産の赤石五葉松の盆栽を献上しました。一見縁遠いと思われる盆栽とキリスト教にも接点があったんですね。

■おわりに

今日はいつにも増してキャラ愛が溢れすぎて、キモい文章になったことをお許しください(笑)

バンドリシリーズは、Roselia、Afterglow、PastelPalettes、ハロー、ハッピーワールド！、RAISE A SUILENの記事も書く予定でいますのでお楽しみに。

バンドリはストーリーもさることながら、楽曲のクオリティも非常に高いのが特徴です。ポピパでは「走り始めたばかりのキミに」「ティアドロップス」「キラキラだとか夢だとか」「八月のif」「イニシャル」あたりが好きです。

最早キリスト教全く関係ない締めですね(笑)

ではまた次回！

2021.4.14 一部修正