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アニメ『白聖女と黒牧師』をアニオタクリスチャンはどう見るか?①
■はじめに
皆さん、おはこんハロチャオ!
今期アニメの中で私が個人的に注目しているのが、アニメ『白聖女と黒牧師』。
タイトルだけ聞くと、異世界ファンタジーもの?黒魔術とか出てくるダークファンタジー的な?と思われるかもしれないし、実際私もそう思っていたのですが、いざふたを開けてみると、その内容は・・・
教会で一緒に暮らすかわいい聖女と、まじめな牧師の日常系ほのぼのラブコメディー!(なお、聖女の好意に牧師は気づいていない模様)
というものです。わお!私の大好物ジャンルではないですか!
アニメーション制作は、前クールにおいて『推しの子』で覇権アニメの座を欲しいままにし、『干物妹!うまるちゃん』『NEW GAME!』『ガヴリールドロップアウト』など、当noteでもネタにさせていただいた所謂「日常系アニメ」の高いクオリティーに定評のある動画工房。
さらに主題歌は、『魔法少女まどか☆マギカ』『物語シリーズ』『ニセコイ』『リコリスリコイル』などといった大ヒット作を担当し、大ヒット作に彼女らの歌声ありと評されるユニット、ClariS。
これだけで、もう人気になることが確定していると言っても過言ではありません。
今回は先日放送された第一話を振り返り、クリスチャン視点での感想と解説、考察などをお送りいたします。このアニメを題材に、シリーズ化して数回の記事を書こうと計画しています。まとまりがない内容になるかとは思いますがよろしくお願いいたします。
■考察:聖女様と牧師の教会の教派は何か?
さて、まず今回ははこのnoteでも定番の話題である「教派」について考察してみましょう。
「牧師」が出てくるならプロテスタントでしょ?と思ったそこのあなた!
それ、半分は正解で半分は不正解です。
そもそも「プロテスタント」というのは、宗教改革時にカトリックから分裂していった諸派の「総称」であって「教派」の名前ではありません。
黒牧師の務めている教会がプロテスタント諸派のどれかであることは間違いありませんが、具体的にどの教派なのか?これを第一話で描かれた内容の情報から考察してみたいと思います。
情報①黒牧師には同じく牧師である父親がいる
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1話の冒頭、主人公「黒牧師」ことローレンスの回想で、彼の幼少期の場面が出てきます。
少年ローレンスは、父親と思われる人物から「聖女様」なる存在のことを聞かされるのですが、この父親は服装からして教会の牧師をしているのでしょう。父親の跡を継ぎ、ローレンスは現在牧師をしていると考えられます。
このことから、聖職者が独身でなければならないという決まりがあるカトリック教会ではないことは確定。さらに、牧師という役職のない正教会でもないことから、プロテスタント諸派であることは間違いないでしょう。
情報②聖女セシリアの存在
次にこのアニメのヒロイン、「聖女様」ことセシリアについてです。聖女とはどのような存在なのか?そしてセシリア一体何者なのか?ということは、少なくとも1話の時点では謎です。
とはいえ、何らかのヒントはあるはずなので考察していきます。
まず注目すべきはその身なりでしょう。服装から察するに、修道女、シスターがモチーフであることは言うまでもなさそうです。
アニメの世界ではシスターキャラは定番中の定番ですからね。
![](https://assets.st-note.com/img/1689767491726-C9v25hYqaM.png)
修道服にしてはスカート短すぎるだろ、という突っ込みはさておき、セシリアは「聖女様」として親しまれ、あるいは崇められるような存在であるようです。
劇中では悩みを抱える少年の相談に乗ってあげたりもしています。
現実の教会でも、シスターが信者の相談に乗ることはよくあることです。
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さらに、セシリアは教会にいる天使を呼び出し、また牧師や普通の人間には見えない天使を見ることができ、意思の疎通をとることができるという、人知を超えた奇跡のような能力を持っています。
![](https://assets.st-note.com/img/1689767739711-WyH5oDMc4Z.png)
ここから導き出されることは、修道女的な役割と、奇跡を起こすことのできる聖人的な役割を持っているということ。
キリスト教の諸教派において、カトリック教会および正教会以外で修道女という概念、および聖人という概念を持っている教派は、聖公会(イングランド国教会)と、ルーテル(ルター派)教会の2つです。
よって、このアニメの舞台となっている教会の属する教派はこの2つのうちのどれかに絞ることができます。
情報③食事の描写
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![](https://assets.st-note.com/img/1689768315482-JNKI2gEalX.png)
1話において食事のシーンが2度出てきます。一つはローレンスの作るスコーンと紅茶でティータイムをするセシリア。もう一つはパンとベーコンエッグにサラダというスタイルの朝食シーン。
これらは典型的な英国式の食卓であり、そこから察するにどうもこの作品の舞台はイギリスをモチーフとした国のように思われるのです。
そう考えると、彼らの住むこの教会は英国国教会、いわゆる聖公会であるという可能性が極めて高いと思われます。
さらに注目すべきは、主役2人の名前。
ローレンスという名前は、ローマのラウレンティウスという聖人、セシリアという名前は聖セシリアという聖人に由来しており、共にカトリック、聖公会・正教会で聖人として崇敬されている人物由来の名前でもあります。
■結論:『白聖女と黒牧師』の舞台は、聖公会の教会だった!
というわけで、聖公会でほぼ間違いはなさそうです。あくまで第1話で描写されている情報のみを根拠としていますので、今後もしかしたら新たな情報が出てくることで、聖公会であることが確固たるものとなるかもしれないし、逆に聖公会ではないのではないか?ともなるかもしれません。
それでは、今回はここまでです。2話以降も楽しんで、細かい描写に注目しながら、とくには突っ込みを入れ、時には聖女様に萌えつつ楽しみたいと思います。